この日の昼は
裏の裏の路地を歩き回って
絶対あまり知られていないけど
周りの店のおじさんたちが必ず行きそうな
おいしい小さな食堂を見つけてやろうとと
とにかく歩き回った。
絶対にこんなに店がたくさんあったら
食堂もあるはずと思ったのに
いくら歩いても一向に出てこない。
どこだ、どこにある？
そしてその店は
包装用品の問屋が並ぶ
迷路のような路地の奥に
突然ぽつんと現れた。
タッコムタン（鶏肉のコムタン）。
今日のランチのメニューはこれ。
「ランチ タッコムタン
午前11時から2時まで
当日準備した材料がなくなったらおしまい」
だって。
歩き回ってお腹ぺこぺこ。
まずはスープを啜ってから
ご飯投入。
塩を少しとキムチを入れる。
いやー、コクがあっておいしい。
早速頼んで食べていると
近所の店のおじさんらしき人が入ってきた。
常連さんのようだ。
そしてまた1人。
イモ（おばさん）たちは
これから忙しくなる。
外の冷蔵庫にも
「（今日の）ランチ タッコムタン」と
貼ってあった。
店の名前もわからず
迷路が難しくて
もう一度ここに辿り着ける自信はない
