白黒ブログ~続カウンターの内側から~

カウンターの内側目線&店の外のマスターの顔

形見

2021-01-28 00:00:47 | Weblog
義父はいつも腕時計をしていた。
風呂の時以外、寝る時も。

ある日施設を訪ねると
いつもしている時計がもう古くなったから
そろそろ新しいのが欲しいと言った。

次に訪ねた時
この時計を買っていった。



これは電波時計なので
いつも自動的に正しい時間に合わせてくれると言うと
義父はとても気に入り
嬉しそうだった。

かっこいいなと言いながら
喜んで着けていたのだが
数ヶ月経ったある日、壊れた、と言う。

見ると針が止まっていた。

あ、この時計はソーラー電池だった。
全く外にも出ず
常に腕に着けて寝そべっていたら
充電されないのだった。

結局電池式の時計を買い直して
持っていった。

その時計も義父は気に入っていたので
亡くなった時に一緒に持っていってもらうことにした。

そして数ヶ月しか使われなかったこの時計は
今うちにある。

自分は最近腕時計を着けていないのだが
この時計は日が当たる場所に置いて
常に充電し続けている。
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