先細りの中国経済
昨日の新聞に石平氏の意見として次のような事が載っていた。中国の二名の学者に依れば中国での失業率は1億人を超えると言う。就業可能人口を7億とすれば失業率は15%に及ぶ。また3億とも4億人ともお言われる農民工(ノンミンゴン)は実態としては潜在的失業者である。彼らは都市在住民とは明白に差別されている。簡単に言えば農民工は都市住民(厳密には都市戸籍を持っている都市民)が持つような社会福祉(どの程度か内容は不明だが)関係の保証は一切なく、就労は保証されない(いつでも首を切れる)ということだ。私はこの二種の戸籍があるとは聴いていたが、既に消滅したもの、つまり農民も都市民も平等だとばかり思っていた。それが現在でもあるのだ。これは一種のアパルトヘイトと思ってもいい。かって南アフリカで黒人と白人の同居は厳しく禁じられていた制度だ。農民工の存在は廉価な労働力を提供する。半永久的に。農民工の存在が中国の輸出を支えている。同時にこの存在が中国の内需増大を阻んでいる。農民工は一種の奴隷制度だと思えばいい。二種の戸籍の壁は非常に厚く高いのだから。
中国の経済の問題点の第二は、ドルペッグ制度だ。公然とではない密やかにそして大胆にだ。ドルペッグなら輸出は減る事はない。造った物はすべて売れる。もちろん海外で。物造り大国と言われる由縁である。もっとも正確には「偽物作り大国」と言うべきだろう。30年前日本の黒字が減らずどれだけアメリカから圧力(内政干渉と言っていい)がかけられたか。しかしアメリカの対中国の対応は緩かった。この事実も不思議だ。厳しくしたのはトランプ氏だけだった。そしてトランプ氏は民主党と大手メディアの手で消された。
中国経済の第三の問題点は現在中国では企業がどんどん国営化されている事だ。国営企業が不能率な事は中国政府も知らないはずはあるまい。大躍進とか文化大革命とかいう地獄から抜け出して現在の中国があるのだから。国営化推進には二つの意味が考えられる。一つは企業が稼いだドルの国家に依る確保だ。二つ目は失業対策だ。不能率を承知で失業者を国の機関に吸収する。中国の失業は並ではないらしい。
失業を表す新語が中国ではやっている。知る範囲で二三紹介する。日本と漢字がかなり違うので不充分な紹介だが。
「被就業-ベイジュウエ」大学等が宣伝のために就職していない学生を就職したと社会に報じる事。
「被全勤-ベイクアンチン」企業が報奨をもらうために皆勤でない従業員を皆勤と称する事
「被自願-ベイジ-ユアン」献血や献金などを自らは望まないのに、望んでしたとされる事。
などなどだ。私が読んだ本では大学卒業生の30%は卒後就職できない。そこで卒業しても無休で働く人が出てくる。無休で働いて技術を磨き、採用される機会を待つ。それはそれで理解できる。そういう人を「零花工-リンフアゴン」という。「零」は「0」、「花」は「銭」の意だ。就職とは関係ないが「山塞文化(シャンチャイウェンホア)」と言う言葉を紹介しておこう。「山塞」とは、山賊が立て籠もる要塞のことだ。水滸伝の梁山泊が有名だ。「山塞文化」とは知財などの盗奪のことだ。山賊が旅人から財貨を奪うように、他人の知財を奪う、偽物を作る事だ。ことは特許や製品に限られない。有名歌手や俳優のまねをして似せて歌い振舞い、芸名も同じにする。結果として同じ演目でも偽物の方が人気を得て売れることもある。偽者が一同に会して浩然と競技会をする事もある。日本ならすぐ禁止懲罰だが中国ではかえってこの偽者が好まれることがある。識者の意見の半分はこの「山塞文化」に賛成だ。創造力を高めるとかいうらしい。知的財産権どころの話ではない。中国とはこういう国だ。日本も知財を盗まれないように気をつけよう。知財だけではない。歴史認識も同様だ。いつ、北京で300万人日本軍が虐殺したとか、沖縄は中国の根幹的領土だ、などと言い出されるかわからない。
「君民令和、美しい国日本の歴史」文芸社刊行
昨日の新聞に石平氏の意見として次のような事が載っていた。中国の二名の学者に依れば中国での失業率は1億人を超えると言う。就業可能人口を7億とすれば失業率は15%に及ぶ。また3億とも4億人ともお言われる農民工(ノンミンゴン)は実態としては潜在的失業者である。彼らは都市在住民とは明白に差別されている。簡単に言えば農民工は都市住民(厳密には都市戸籍を持っている都市民)が持つような社会福祉(どの程度か内容は不明だが)関係の保証は一切なく、就労は保証されない(いつでも首を切れる)ということだ。私はこの二種の戸籍があるとは聴いていたが、既に消滅したもの、つまり農民も都市民も平等だとばかり思っていた。それが現在でもあるのだ。これは一種のアパルトヘイトと思ってもいい。かって南アフリカで黒人と白人の同居は厳しく禁じられていた制度だ。農民工の存在は廉価な労働力を提供する。半永久的に。農民工の存在が中国の輸出を支えている。同時にこの存在が中国の内需増大を阻んでいる。農民工は一種の奴隷制度だと思えばいい。二種の戸籍の壁は非常に厚く高いのだから。
中国の経済の問題点の第二は、ドルペッグ制度だ。公然とではない密やかにそして大胆にだ。ドルペッグなら輸出は減る事はない。造った物はすべて売れる。もちろん海外で。物造り大国と言われる由縁である。もっとも正確には「偽物作り大国」と言うべきだろう。30年前日本の黒字が減らずどれだけアメリカから圧力(内政干渉と言っていい)がかけられたか。しかしアメリカの対中国の対応は緩かった。この事実も不思議だ。厳しくしたのはトランプ氏だけだった。そしてトランプ氏は民主党と大手メディアの手で消された。
中国経済の第三の問題点は現在中国では企業がどんどん国営化されている事だ。国営企業が不能率な事は中国政府も知らないはずはあるまい。大躍進とか文化大革命とかいう地獄から抜け出して現在の中国があるのだから。国営化推進には二つの意味が考えられる。一つは企業が稼いだドルの国家に依る確保だ。二つ目は失業対策だ。不能率を承知で失業者を国の機関に吸収する。中国の失業は並ではないらしい。
失業を表す新語が中国ではやっている。知る範囲で二三紹介する。日本と漢字がかなり違うので不充分な紹介だが。
「被就業-ベイジュウエ」大学等が宣伝のために就職していない学生を就職したと社会に報じる事。
「被全勤-ベイクアンチン」企業が報奨をもらうために皆勤でない従業員を皆勤と称する事
「被自願-ベイジ-ユアン」献血や献金などを自らは望まないのに、望んでしたとされる事。
などなどだ。私が読んだ本では大学卒業生の30%は卒後就職できない。そこで卒業しても無休で働く人が出てくる。無休で働いて技術を磨き、採用される機会を待つ。それはそれで理解できる。そういう人を「零花工-リンフアゴン」という。「零」は「0」、「花」は「銭」の意だ。就職とは関係ないが「山塞文化(シャンチャイウェンホア)」と言う言葉を紹介しておこう。「山塞」とは、山賊が立て籠もる要塞のことだ。水滸伝の梁山泊が有名だ。「山塞文化」とは知財などの盗奪のことだ。山賊が旅人から財貨を奪うように、他人の知財を奪う、偽物を作る事だ。ことは特許や製品に限られない。有名歌手や俳優のまねをして似せて歌い振舞い、芸名も同じにする。結果として同じ演目でも偽物の方が人気を得て売れることもある。偽者が一同に会して浩然と競技会をする事もある。日本ならすぐ禁止懲罰だが中国ではかえってこの偽者が好まれることがある。識者の意見の半分はこの「山塞文化」に賛成だ。創造力を高めるとかいうらしい。知的財産権どころの話ではない。中国とはこういう国だ。日本も知財を盗まれないように気をつけよう。知財だけではない。歴史認識も同様だ。いつ、北京で300万人日本軍が虐殺したとか、沖縄は中国の根幹的領土だ、などと言い出されるかわからない。
「君民令和、美しい国日本の歴史」文芸社刊行