経済(学)あれこれ

経済現象および政策に関する意見・断想・批判。

メディアとサロメ-「天皇制の擁護 第六章 古代ギリシャ」(解説 4)

2008-11-30 02:01:30 | Weblog

 メディアとサロメ-「天皇制の擁護 第五章 古代ギリシャ」解説(4)
 
 王位争いに巻き込まれたイア-ソンは王位継承の約束と引き換えに、金毛の皮衣を持ち帰るべくアルゴ-船に勇者を乗せて出かけます。途中いろいろな危険に会います。目指すコルキス王国に到着してその地の王アイエ-テ-スに金毛の皮衣を要求します。王は、口から火を吹く牛の番を打ち破れたらどうぞ、と言います。アイエ-テ-スの王女メディアは、エロス神の放った矢に当たりイア-ソンに恋します。メディアからさずかった魔法の力で金毛の皮衣をイア-ソンは奪います。追っ手を逃れて彼とメディアはギリシャへ帰ります。コリントの王はイアーソンに自分の娘と王位を約束し、メディアとの離別を勧めます。この提案にイア-ソンが乗ったのを知ったメディアは仇の王女を焼き殺し、イア-ソンとの間に出来た二人の子を刺し殺して、魔女となって天空に逃げ去ります。
 
 サロメは新約聖書に出てくる女性です。ユダヤ王ヘロデの娘(連れ子かも?)サロメは当時聖者の誉れ高かったヨハネに恋します。ヨハネはキリストの先行預言者です。ヨハネにはねつけられたサロメは父王にヨハネの逮捕と処刑を願います。ヨハネの首が宴席に運ばれてきた時、サロメはこの首を皿に載せて、手に持ちつつ踊ります。
 
 ギリシャとユダヤの二人の女性を登場させました。同情はメディアの方に多いようです。こういう血なまぐさい話はわが国にはありません。いったいあちらの人には人畜の区別がもう一つ曖昧です。鯨やペットが人間様のように扱われるかと思うと、ある時期の黒人やタスマニア人のようにれっきとしたhomo sapiensでさえも畜生扱いされます。しかしこの二人は西欧文化では最も有名な女性です。40年前「Never on sunday」というギリシャとアメリカの合作映画がありました。主演はメディナ・メルク-リ,後にギリシャの文化相になった女優です。ここでメディナのイメ-ジがうまく使われています。メルク-リは年増でしたが結構お色気がありました。演技もうまかった。

 申し遅れました。ギリシャ神話の英雄伝説はすべて神々の後裔として描かれます。その意味では神統譜です。神々の子孫がどのように地界に定着して行くか、神がどうのように人になるのか、の過程の叙述です。この過程を主催し了導する存在が英雄です。

 (12月1日から経済関係の意見を発表します 準備期間は終わりました)