おやままさおの部屋

阿蘇の大自然の中でゆっくりのんびりセカンドライフ

残すところ2週になって時の経つのが早いこと!

2010年03月11日 10時58分21秒 | 日記
昨日、幼稚園の後援会の総会が開かれて、園長挨拶を頼まれたので、保護者への最後の挨拶になるので次のようなスピーチを行った。

                                
 本日はお忙しいところ、後援会総会にご出席を頂きましてありがとうございます。
 大学で専門の社会科と教育に関しまして原理、法規、心理学等々勉強をさせていただきまして、卒業と同時に鹿児島から熊本にやってきました。叔父が県立高校の校長をしておりまして、その先輩であり知人であったHさんという人が昭和48年当時、県立高校の校長を退職されて、熊本中央女子高等学校長に赴任されたばかりであったと思いますが、そのH先生のお招きがありまして、社会科の教員としてスタートをしたのです。爾来37年、教育一筋にまい進してまいりました。3年前に高校の校長と兼任でこの幼稚園長を拝命して以来3年目になります。学校は定年60歳ですので最後の年を自ら選んで専属の幼稚園長として務めさせていただきました。

 自虐的ではありますが、引っ越してきて驚きました。なんて拙劣な施設だろうってー。中規模ではありますが、高校にはもちろん校長室があり、その広さは25~30畳。17,8人程度の小会議が開ける円形テーブルも備えてあるし、明かり取りの広いテラスもありました。デスクにリクライニングの革張り椅子とソファーセット。どこの高校の校長室にある風景であります。ここに6年いました。そしてすっかり体を壊してしまいました。還暦を迎える最終年度は心(ストレスが過重)と体のことを考えて、大好きな子ども達と一緒に裸で自然に向き合える幼稚園で働こうと考えたのです。それは私の心身にとってもすごく良かったと思っています。しかし、その設備の劣悪なこと。園長室がないどころか座る椅子だって、最初から壊れていました。なんと背もたれがありません。夏は暑く冬は冷凍庫の事務室生活が始まりました。先日、ある幼稚園に出張しました。始めていくところだったのですが、園地に入ったところ、目を瞠りました。グランドは陸上のトラックが作られています。その横を見るとプール。遊具も園庭の一角に集めてあります。校舎を見ると2階建ての鉄筋コンクリート作り。事務室があり、会議室は2階ということで上がっていきました。もちろん園長室、職員室もあります。よその幼稚園には入ったことがなかったので、驚異でした。これが普通なのかと!!その日は足取り重く帰ってきたのですが、暗い気持ちも子どもたちが「お帰り」、「園長先生、どこ行ってたの?」と駆け寄って抱きついてくる。これで気疲れは吹っ飛びます。

 残念ながら施設は劣悪と言わざるをえませんが、中で行われている教育はすばらしいものであると確信します。これは、高校でもいってきたことなのですが、人が育っていく環境というのは絶対ではない。松下村塾でも大坂緒方洪庵の適塾でも、横井小楠の四時軒でも狭く、坪井の横にあった幕末の肥後藩の英才宮部鼎蔵の学塾も暗く粗末な場所でしたが、ここから英傑は育っていったのです。大切なのは、育てる指導者と学ぼうとする学生の意思と後援する親の理解にあります。幼稚園は就学前の幼児教育を行っているところで、他所には競争原理を取り入れて詰め込み英才育成の教育を行っているところもありますが、坪井ではこれから作られようとしている建物の土台作りをしているのです。人として最も大切なこととは何なのかを問い、見つめ、議論し到達したところに坪井の教育があります。それは自然との共育とでもいったらいいかと思いますが、人間が自然界の中で唯一知能を有するホモサピエンスとして君臨するし支配するのではなく、自然界に共生するものとしても自分を確認する。自然の微細な変化を自分の目で見、触り、臭いを嗅ぎ、味わう・・・
 
 私は、幼稚園に来ていろんな日常的な保育行事に参加することでこれまでいかに自然を無視してきたか、自然を痛めつけてきたかを知りました。自然のこと、自然に直接触れ合ってきた昔の暮らしを知らないのか、驚き恥じ入りましたが、正直に告白しました。「知りません」、「わかりません」子ども達と一緒に体験し学んできました。

 自然の中での経験を通して、人間が生来具有している感性を育てていくことはこの時期の子どもにとってとても意義のあることだと思います。
よく歩きました。二の丸、三の丸、葦北、菊池、八景水谷、水前寺公園、阿蘇、木下家、高迫城公園・・・老化のスピードを抑制する第一条件は足を鍛えることだといいます。歩くこと、走ることは大事なのです。だから私は「鬼ごっこ」を本気を出してやるのです。本気でやるから子どもに飽きられないと自負しています。事務室に子どもが誘いに来ない日は雨の日以外一日もありませんでした。それが一番寂しい。

 しゃべりすぎました。教育は先ほどいいましたように、教師と子どもと親が三位一体になって進めていくからこそ効果が上がるものです。そして坪井の教育にとって地域との連携は必須であります。後援会は私達の心強い協力者であります。今後もどうぞよろしくお願いいたします。

写真は先日全園児を連れて訪れた中世城址公園「高迫城」。


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