311ショック以来、お買い物意欲がなくなり、買うのは食べ物ばかり。先日、お気に入りの土鍋が311地震で棚から落ちて壊れてしまったので、数週間物色してやっと美濃焼きの素敵なのに出会って嬉しかった。あとは、ときどき本を買ったり、そうそう、電球が切れてLEDも買った。夏の涼を求めてゴーヤなどの苗も買ったっけ。今年は、家族の服は買ったけれど、自分のは下着しか買わなかった。
311で何が変わったかといえば、わたしの場合、食べ物を買う姿勢が一番大きかったように思う。思えば、健やかに暮らすには、まずは食べ物だろう。もちろん、清潔な環境あってのことだが。何も買わなくても、食べ物だけはとにかく消費し続ける。
放射能のことを勉強していくうちに、食べ物についてもいろいろ知った。すると、食べ物を選ぶことは、生死を分ける重要な決断だったのか、と、今更ながら気がついた。若い頃は、なにも考えず、美味しければよかった。それでも、これといった病気もせずにこれたのは、体の元気の蓄えがあったからだ。こればかりは、個人差があるから、ありがたいことだったと感謝。
巷に出回っている食べ物が全て、安全であることが、人間にとって、一番大切なことではあるまいか。誰にとっても必ず必要なものは、食べ物だ。
食品添加物、遺伝子組み換え、農薬、魚に溜まる重金属などなど、放射能汚染以前から、食べ物への不安はたくさんあった。それでも、売っていて、みんなが食べているからある程度は大丈夫なのだろうと、勝手に思っていた。大丈夫?結果として、この国のひとたちの健康状態は、ちっとも大丈夫ではない。
見渡せば、病気とまでいかなくても、顔色や運動能力など、いつも疲れている感じのひとばかりだ。若い人も、いかにも貧血っぽかったり、膝がのびない歩き方だったり。つややかで頬に赤味がさしてしなやかな身のこなしのひとをみつけると、つい見ほれてしまうほど、健康的なひとは少ない。
みんなが食べているから大丈夫なんて思っていたらとんでもない。自殺者毎年3万人。それどころか、行方不明者14万人。そのうち7万人は自殺しているのではないかと言われている。また東京在住の男性の精子は減少していて、不妊が大問題だ。空気とか、ストレスとか、他にも理由はたくさんあるだろうけれど、わたしは、食べ物がましだったら、もっと人に力がつくと思っている。野菜や米が、昔のものとは全くちがってきたのが、大きな原因ではないかと思っている。
グルメ番組、大食い番組などが多いけれど、力がある食べ物は、少量で満足して肥満にならないはずだ。いくら食べてもまだ食べたいのは、栄養失調の可能性がある。なにかが足りないと体が感じて、いくらでも食べてしまうのではないか?そして、それでも、元気が出ないのだ。
ひとが、どうしても必要なものは、安全で健やかな食べ物、水、空気だ。
たとえ、国が破産しても、森で木の実を拾い、川で魚をとれば、食べていける。けれど、日本は今、放射能汚染でそれすらできないことになった。庭の土で作った作物を食べられる地域は、とても少なくなってしまった。とんでもないことだ。
だからこそ、若杉友子さんがおっしゃるような、力のある種から育った作物を植えて、少量でも大切に育てて、大切に収穫して、そこから種を採って、という手仕事のような農業で、国民全部が、飽食をやめ、ちょっとひもじいくらいでも、元気が出るような食べ物を行き渡らせることが大事だと思う。快楽で食べる時代は終わらせなくてはいけない。命をいただいて、命を繋いでいく。
TPPはそういうことを全くできなくしてしまう。大規模農業を、大量農薬散布と自殺種子買い付けで拡散しているアメリカ農業を日本の狭い国土に入れたら結果は目に見えている。モンサント種の食べ物は食べたくない。反対署名はしたけれど、野田首相は、既に海外に行ってしまった。
頼みの綱としてTPPに反対している国民新党の亀井静香代表と自見庄三郎金融担当大臣に、FAXとメールで「閣議決定での署名を拒否してください」と、この一週間、お願いするという案が。