昨日のNHKクローズアップ現代で、「がん幹細胞」のことを取り上げていた。
「がん幹細胞」とは、がん細胞を生み出す細胞のことである。
「幹細胞」はいろんな臓器を作り上げる元になる細胞で、自分自身を複製すると同時に他の種類の細胞を作り出す働きがある。
失われた指の先に幹細胞から作り出した白い粉を振りかけると、指が再生するという場面をテレビで見たことがある。
これまでがん細胞は異常増殖を無限に続けて、その結果臓器の正常な機能が失われてしまうと考えられていた。
ところが最近の研究で、一定の期間が経てばがん細胞も増殖をやめてしまうらしいということが分かってきた。
無限に増え続けるように見えるのは、「がん幹細胞」と呼ばれる特殊な細胞が新たながん細胞を生み出し、その細胞がまた増殖を繰り返すためだと言う。
これまでのがん治療は、増殖のスピードが速い通常のがん細胞を狙い撃ちする形だった。
この方法では増殖のスピードが遅い「がん幹細胞」を死滅させることができない。
これが、一旦治ったかに見えたがんが、転移して再発する原因の一つのようだ。
がんを根本的に治すためには、この「がん幹細胞」を叩く必要がある。
実際に「がん幹細胞」の増殖を活発化させてがん治療薬が効きやすくする方法、リウマチの薬を使って弱らせる方法などの研究が進んでいるそうだ。
がんは日本人の死因のトップだ。
今後の新しいがん治療の進展に期待したい。