まかなーのブログ

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神の方程式その2

2013-09-30 21:10:16 | 日記

「神の数式」のミクロの部分は「量子論」として、ほとんど完成している。
NHKスペシャル第2夜は、残りの「重力」というマクロの世界で働く力を表す数式の話だった。
最初に重力の問題に取り組んだのは、有名な物理学者アルバート・アインシュタイン。
1915年「一般相対性理論」を提唱して「重力とは空間の歪である」、と証明する数式を発表した。
質量があると空間がひずみ、引っ込んだ穴のような状態になる。
大小2つの物体があるとすると、小さい方は大きい方の穴に落ち込むような形で引かれていく。
これが重力として捉えられるという考え方だ。
質量が大きければ光さえも曲がることになり、実際に太陽の向こう側の星の光が見えるという現象が確認されている。
この世の全ての事象を表すために、量子論と一般相対性理論を一つにすることに挑戦したのは、ロシアのマトベイ・ブロンスタイン。
2つの数式を合わせることに成功するが、この中に無限大が出てくることに気づいた。
19歳で2つの理論をマスターしたという天才だったが、スターリンによって32歳の若さで粛清されてしまう。
実際にこの理論ではブラックホールの底の状態が説明できないとしたのが、イギリスの「車椅子の物理学者」スティーブン・ホーキング。
ブラックホールの底ではエネルギーが無限大になってしまうと証明したのだ。
なぜブラックホールの底が問題になるのかというと、それが宇宙誕生のきっかけとなる「ビッグバン」と数式上同じ形になるからだ。
これを解決しなければ、宇宙誕生の瞬間を説明できないことになる。
長い間この問題は解けず、神の数式に挑戦することを諦めた物理学者も多かった。
1984年フランスのジョエル・シャークとアメリカのジョン・シュワルツは、超弦理論(超ひも理論)によってこの難問が解決することを示した。
量子論で登場する粒子が点ではなく、いろんな形の震える弦のような存在だとしたのだ。
無限大の問題はブラックホールの底で粒子が限りなく接近し、最後は衝突してしまうために起きる。
これは粒子が点として存在するために起きるわけで、もし点ではなく輪ゴムのようなものなら衝突しても距離がゼロにはならない。
とても画期的なアイデアだったが、世界の物理学者からは見向きもされなかった。
なぜかというと、この数式の成り立つ条件が、この世界が10の次元からできているということ。
また、数式が量子論と一般相対性理論の2つの数式とはかけ離れているとみなされたからだった。
二人の提唱者には不遇の時代が続き、フランスのシャークは自殺してしまう。
10年後、イギリスの若き物理学者マイケル・グリーンの協力を得て超弦理論の数式の中に2つの数式が含まれていることが証明される。
計算の途中、古代ギリシャで天地創造と関係があるとされた完全数の一つ「496」という数値が出てくる。
計算が終わったとき窓の外で雷が鳴ったと、シュワルツは証言している。
万物の理論、神の数式に近づき過ぎたかも知れないと思ったそうだ。
こうして超弦理論は世界に認められた。
我々が知覚できる4つ、縦、横、高さ、時間以外の6つの次元はどこにあるのか。
それは原子の大きさの1兆分の1のまた1兆分の1という超ミクロの世界に存在するため見えないと説明されている。
神の数式はまだ完成してはいない。
ブラックホールの底に熱が発生する問題を解決するために、超弦理論における弦は集まって膜のような形になっているとされた。
この膜が小さな異次元の中で動きまわることで熱が発生するというのだ。
他にも、この宇宙が10の500乗個存在する、次元の数は10ではなく11あるなどの説が出てきている。
アメリカコロラド州では重力波の存在の実証に取り組んでいる。
ヨーロッパのセルンは異次元の発見を目指している。
望遠鏡を使った宇宙のブラックホールの研究も進んでいる。
「宇宙はなぜ生まれたのか。我々はなぜ存在しているのか。」
物理学者たちは、人類最後の問題に取り組んでいる。