パワー半導体用ダイヤモンドウエハーの量産化に成功。「6G」基地局向けに。
アダマンド並木精密宝石(東京都足立区、並木里也子社長)は、パワー半導体用ダイヤモンドウエハーの量産技術を開発した。傾斜のあるサファイア基板を用いたダイヤモンドの生成技術により、直径2インチサイズの量産化に成功した。第5世代通信(5G)の次の世代にあたる「ビヨンド5G」(6G)基地局向けパワー半導体への採用を見込む。2022年の製品化を目指す。
新技術は表面に傾斜をつけたサファイア基板上にダイヤモンドを生成する。傾斜により成長過程でダイヤモンド膜に直接かかる応力を低減。パワー半導体の研究開発に最低限必要な直径2インチウエハーの量産を実現した。 今後も大口径化に向けた研究を進め、25年に4インチ、30年に8インチウエハーの量産化を目指す。
ダイヤモンドウエハーを用いたパワー半導体は、シリコンや窒化ガリウム(GaN)を用いた場合と比較し、高出力で放熱性に優れてており、6G用通信基地局や電気自動車(EV)の電力制御向けへの採用が期待できる。 by 日刊工業新聞