マグロチャンピオンの料理道場

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中国人も大好きなちょっと変わったロール寿司、その4(ツナマヨロール)

2011年09月18日 | 寿司・お造り
今回は「ツナマヨロール」の作り方を紹介するが、コンビニで売られている「おにぎり」では、「ツナマヨ」がず~っと不動の1位のようだ。

「おにぎり」の具材と言えば、小学校の頃、母親が運動会や遠足に作ってくれた「梅干し」「おかか」「鮭」を連想してしまうが、実は子供の頃は「梅干し」が苦手で運動会で家族揃っての昼飯では「梅干し」を引いてしまわないよう願ったものだ。

それと、今、回転寿司ではネタは「サーモン」が1番人気のようで、2番が「マグロ」だという。

自分が子供の頃には「サーモン」を生で食べた記憶が無いが、当時は今のように養殖の「サーモン」も出回っていなかったと思う。

天然のサーモンには、「アニサキス」という寄生虫がいるので、サーモンを生で食べる習慣がなかったのだろう。

しかし、今では養殖技術が進み、生育環境や飼料などが徹底管理がされているので、アニサキスなどの寄生虫の感染も心配なく回転寿司でも安心して、安くサーモンが食べられるようになった。

さて、「ツナマヨ」の話に戻るが、使用するマグロ(TUNA)にもいろいろな種類がある。

たいていの場合「ツナマヨ」を作る時には「ツナ缶」を使うが、日本では「ツナ缶」と言えば「はごろもフーズ」の「シーチキン」が代名詞になっている。

戦後、日本がまだ貧しかった頃は、海外に輸出する商品も少なく、「マグロの油漬けの缶詰」がアメリカ向けにたくさん輸出されたので、「ツナ缶」は日本人の発明と思っている人も多いが、実はアメリカの「チキン・オブ・シー」という会社が1914年に「Chicken of the Sea」という名前で「ツナ缶」を商標登録している。

「Chicken of the Sea」は「海の鶏肉」という意味だが、「ビンチョウマグロ」を原料にすると色が白く「鶏肉」のような食感になるので、「海の鶏肉」と名付けたのだろう。

マグロ油漬け缶詰がアメリカで発明されたのが1903年。日本では1929年に静岡県の水産試験場が製法を解明、「はごろもフーズ」が 「Chicken of the Sea」を「シーチキン」と文字って1958年に日本で商標登録している。

本来、「Chicken of the Sea」は「ビンチョウマグロ」を使用するので鶏肉のように色が白い。

また、「カツオ」や「キハダマグロ」「メバチマグロ」を原料としたツナ缶は「Light TUNA」と呼ぶ。

「ほごろもフーズ」の日本でのシェアは50%以上あるようだが、「シーチキンL」という、「ビンチョウマグロ」を原料にしていなくても「シーチキン」という名前を付けて販売している商品もあるので、商品を購入する前に必ず「原料表示」を確認しよう。

スーパーなどで安売りされている「ツナ缶」の多くは、「ビンチョウマグロ」が原料ではなく、「カツオ」や「キハダマグロ」「メバチマグロ」等、安価な原料を使用している。

実は、以前、日本のマグロ商社に14年程勤めていたことがあるが、この会社は日本のマグロ船が漁獲した「ビンチョウマグロ」を買い集め、年間2万トン以上を海外のマグロ缶詰工場に輸出をしていた。

缶詰用には脂の無い「ビンチョウマグロ」を使用するが、8月頃に日本の近海の高緯度の海域で獲れる「ビンチョウマグロ」は脂がたっぷり乗ってとても旨い。

さて、また話が長くなってしまったが、「ツナマヨ」を作る時には原料に「ビンチョウマグロ」を使った物を選ぶといいだろう。

今回は「ライトツナのツナ缶」を使うが、早速、作ってみよう。

◆「ツナマヨロール」の作り方。

1)材料を用意する。

写真の左から、「薄焼き玉子」、「キューリの細切り」、「ツナ缶」、「玉ネギのスライス」、「マヨネーズ」、「白ゴマ」。

2)作り方。

①ボウルに「ツナ」と「マヨネーズ」を入れる。


②よく混ぜ合わせる。


③「巻きす」の上に海苔を敷いて、シャリを乗せる。


④「白ゴマ」を散らす。


⑥裏返す。


⑦「サニーレタス」を乗せる。


⑧「キューリの細切り」を乗せる。


⑨「玉ネギのスライス」を乗せる。


⑩「ツナマヨ」を乗せる。


⑪上から「サニーレタス」で覆う。


⑫「巻きす」でしっかりと巻く


⑬巻き上がった状態。


⑭「薄焼き玉子」を乗せる。


⑮再度、しっかり巻く。


⑯8等分に切る。


⑰出来上がり。


さて、日本人が好きな「丼物」となると、1位は「牛丼」で2位が「かつ丼」になるらしいが、あちらこちらで牛丼が280円で食べられるのであれば、もはや、牛丼を食べるのが習慣のようになっている人も多いのはないか?と思う。

戦後、日本人はずいぶんと食習慣が変わったようだが、アメリカから進出したハンバーガーチェーンの影響が大きいように思う。

「柔らかくて、喉越しの良い」食べ物ばかりが好まれ、また高カロリーの食品が多い。

それにつれて日本人の体形も立派になったが、子供たちには「焼き魚」は骨が面倒と敬遠され、親も小骨が喉にささったらたいへんと子供たちに食べさせないという。

本当は、煮魚でも焼魚でも「骨」が付いている方が旨いのに残念な話だ。

そして、最近の日本人には「骨」のある男が少なくなってしまったように感じる。

さて、次回は「寿司の食べ方」の話をしよう。









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