マグロチャンピオンの料理道場

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寿司屋の「ガリ生姜」を作ってみよう。

2011年09月10日 | 寿司・お造り
今回は「ガリ生姜」の作り方を紹介しよう。

日本では6月頃に「新生姜」が出回るが、ほとんどがハウス栽培でハウスの中の温度を高くしてむりやり作った物だ。

本来の新生姜の旬は10月の中旬から12月で、上海ではちょうど「上海蟹」が出回る頃だ。

ところで、「上海蟹」を食べる時には、「鎮江産の黒醋」に「生姜の千切り」を入れて、これをタレとして食べたり、「紹興酒」を飲んだりするが、これには訳がある。

以前、食べ物には体を冷やす「陰性」の食べ物と、体を温める「陽性」の食べ物があることを話したが、「上海蟹」等の淡水の蟹は体を冷やす「陰性」の食べ物だ。逆に「黒酢」や「生姜」は「陽性」の食べ物なので、一緒に食べることで体を冷やさないようにする訳だ。

また、お酒を飲むと体が温まるので「上海蟹」を食べる時には「紹興酒」を飲んだり、また、お酒の飲めない人は「生姜湯」を飲んだりしている。

さて、今回は「ガリ生姜」の作り方を紹介するが、「新生姜」が手に入ったらぜひ自分で作ってみて欲しい。
市販の「ガリ生姜」にはたくさんの添加物が使われていて、普段はそれがあたり前の味と思っているが、ピンク色のガリはほとんどが着色料で色ずけされた物だし、その他にも甘味料や酸味料や保存料といった添加物や化学調味料がたくさん使用されている。

また、味付けも甘過ぎるものが多い。

自分で「ガリ生姜」を甘さを控えて作れば、これだけで立派な酒のアテになる。

下は市販の業務用の「ガリ生姜」の写真だ。

表面

そして、裏面の原材料表示のところを見て欲しい。


白い字で表示されているので、ほとんど読み取ることができず、わざと白い字にして見え難くしているのではないかと疑ってしまう。

表示の内容はこうだ。
    ↓
漬け込み(食塩、醸造酢)酸味料、甘味料(サッカリンNa)、保存料(ソルビン酸K)着色料(赤102、赤3)

工場で大量生産し保存性を高めるには、このような添加物を入れることになる。

さて、また話が長くなってしまったので、さっそく「ガリ生姜」を作ってみよう。

尚、冒頭にも書いたが、「新生姜」の旬は10月中旬からなので、今回は「ヒネ生姜」を使って説明しよう。

◆「ガリ生姜」の作り方

1)材料の生姜(ヒネ生姜)


2)生姜の皮をむき薄くスライスする。

繊維にそってスライスする。

3)用意するもの。

生姜のスライス500gに対して、米酢600CC、砂糖200g、塩大さじ1(甘めが好きならば、砂糖を250g)

4)作り方
①鍋を火に掛け、米酢を入れる。


②砂糖を加える。


③塩を加える。


④生姜のスライスを加える。


⑤再び沸騰したら火を止める。


⑥容器に移す。


⑦出来上がり。


ガリ生姜を作る場合には、甘酢を先に作って冷めてから生姜を入れる方法もあるが、生姜も鍋に入れて再沸騰させてから火を止めることで、生姜を「殺菌」することができる。

冷めたら直ぐに食べることができるし、一度熱を入れて殺菌してあるので保存料等の添加物を入れなくても冷蔵庫で1週間以上は保存が可能だ。

さて、次回はこのガリを使った「まかない料理」を紹介しよう。








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