歩き日記

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前田三介男氏絵記録を読み解く(P9/23~P12/23)

2013年01月27日 | Weblog

 

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前田三介男氏絵記録を読み解く(P1/23~P4/23) 前田三介男氏絵記録を読み解く(P5/23~P8/23)

前田三介男氏絵記録を読み解く(P9/23~P12/23) 

 私は、前田用水路の沿革を、一冊の本にまとめた時、指導を頂いた、坂元徳郎先生から、前田三介氏の絵記録を見せてもらい、興奮したのを覚えています。詳しくは→前田三介氏絵記録 を見てください。その時、読み解かないと、いけないと、思っていました。やっと、思い腰をあげ、今回の公開となった次第です。くずし文字は、難読な文字が多く、苦労しました。勝手に解釈した文字もあります。また判読不能文字は、???で表現しました。絵日記は全23ページですので、ぼちぼち公開したいと思います。前田三介氏は、東京在住で、一歩管理のため、度々、宮崎県庄内町を訪れています。絵記録の日付は、記録した日付と思われます。  

庄内一歩園事務所の特別一等席
  昭和三年廿一日夜

 奥の居間には長火鉢が一つ冬の庄内の寒さには少し冷える 田舎の冬はイロリの側(ソバ)に限る 唯生木の燻(イブ)りで眼の痛いのは我慢しなければいけない それが若(モシ)~英国辺りだったら丸太(ロッグ)のストーブ等は大した贅沢の沙汰であろう

 カルカン饅頭をあぶり市兵衛手製の緑茶を入れて談笑するのは愉快なことだ 下男のツギは傍らでモウソウ竹を割り竹の箸を作っている 実に庄内生活は自然と直接に隣り合わせなのであります

庄内一歩園の元老
 昭和三年十二月廿一日夜

 市兵衛は小作米の請求書と領収書を書くのに餘念がない 「梨畑の世話をすっときあ もう少しゝと思って莨も喫(ス)もはんが 字を書っときになっといっき喫(ス)もすなアッハッハ」だと市兵衛はモト文字は書けなかったし読むこともできなかったのに 近来習い覚えて立派に書くやうになった

 彼が太い万年筆を甚だギゴチなく振り動かしていることが 如何にも窮屈そうなのを看取することが出来よう 而して右の手の小指を曲げているのが判りますやう 誰でも書き慣れない人のするやうに

庄内の暖日
    昭和三年十二月廿二日

 昨晩林課長が宮崎から電話で庄内町長は廿六日以前には庄内には帰れない旨知らせがあった 今日から四五日を如何に過ごしたものだろうか午前中は南崎さんと彦四郎が来、犬神さんの処も一寸訪ねたが不在だった 今日も亦風の無い上天気で夜は霜が厚く下りて寒さも厳しいが 午後の日向は流石きゅうしゅうを想わせる暖かさだ 縁に出て庄内一歩園事務所の前を描いている

 右の屋根は町役場、右の屋根は小学校 棟ヤの小さいのは登記所 黄色い実が鈴なりにブラ下がっているはセンダンの木らしい双葉が必ずしも葉っぱらしくない 小供達の校庭に此の木を植えてある気持ち?けば判る  市兵衛は城山に梨の木の手入最中 下男の小僧二人は或るは豚小屋に或は畑に我一人シンカンと事務所に暖日を楽しみつ

 


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