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1000兆円の財政赤字はどのような経緯によるものか

2005-12-19 21:27:11 | News
予算編成中ですが、どうやら赤字が4兆円程度改善する見込みだそうです。ロイターの記事によると、新規国債発行額は対前年度比で4兆4200億円程度減額で、減額幅は過去最大らしいです。でも、まだすさまじい額の財政赤字なんですよね。怖いもの見たさで時々見てしまう財政赤字カウントによると、財政赤字額は 1000兆 9876 億 6894 万円、一人あたり816 万 3882 円 なんだそうです。げげげ

しかし、いったいなぜ、こんなに借金が膨らんだのだろう、と常々不思議に思っていました。バブル崩壊、金融破たん、デフレ、役にたったかどうかが不明の公共工事などなど、いくつか思い当たるのはあるんですが、いったい根本原因は、となるとよくわからなかったのです。

今日発行されたJMMの『村上龍、金融経済の専門家たちに聞く』【メール編:第354回目】の質問が、まさにずばり、この点をついたもの。「...我が国は、そもそもどういう経緯でこれほど多額の債務を背負うことになったのでしょうか。また、これほどの過大な財政赤字は、政治家と官僚の無能さがおもな原因と考えていいのでしょうか。」という質問に7人の経済専門家が答えているのですが、意見はまちまちです。重複もふくめてあげてみると、

1, バブル崩壊による不良債権の発生→金融機関の破綻、過剰債務を政府が負担
2. 景気回復のための公共投資の実施→財政状況の急速な悪化
3. 少子高齢化に伴う社会保障費負担の増加
4. 景気刺激策の失敗
5. バブルの崩壊に伴う景気の後退と税収の減少
6. 政府の総需要刺激型の景気対策
7. 歳入は簡単に減るのに、歳出は政治的・官僚機構的に減らしにくい
8. 1980年代から1990年代までにかけての貿易摩擦の解消のため生じた輸出型の産業が大きなダメージ→不況の到来→輸出産業の壊滅を避けるための財政の活用による赤字の累積
9. 日本の技術と産業構造の比較優位がもてはやされ、経済成長力に対する楽観論の異常な盛り上がり→借金ができてもすぐに返せるはず、という国民全体の思い込み→累積赤字の増加
10. 高成長社会を前提にして作られた制度が機能不全に陥ったため
11. 資産デフレ(1500兆円程度の巨額な資産価値の喪失)
12, 資産デフレに対して供給サイドの対策を講じなければいけなかったのに、公共事業や減税、そして超金融緩和といった需要サイドの政策、ケインズ政策に固執したから(政府、官僚のみならず、産業界の責任)
13. 日本が世界経済の変化にあわせて構造転換できなかった(戦後高度成長を支えてきた官中心、規制のなかでの輸出主導型の経済構造からグローバル化経済に転換できなかった)

たしかにみんな事実なわけで、これだけいろいろな要素がつもりつもったのでは、財政赤字が膨らむのも当然、と思えてきました

しかし、遅かれ早かれ、赤字を減らして、なんとかして黒字に転換しないといけないわけでしょ。でないと、漫画チックに思えた半島を出よ、の冒頭部分で描かれたどん底の経済破綻の状況になるわけで・・・上の理由を読んでみると、小手先の手段だけでなくて、日本人の精神構造そのものを21世紀にあわせて変えないといけないんじゃないかという気がしてきました

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