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傾城反魂香 + 道成寺入相桜

2005-04-04 21:50:15 | TV/映画/舞台
傾城反魂香(けいせいはんごんこう)の土佐将監閑居の段(とさのしょうげんかんきょのだん)は、事前にあらすじを読んでもぴんとこなかったのですが、見てもどうもピンとこなかった演目。実際見ても、話はそれほど面白くなかったのです。絵師は奇跡をおこさないと一人前でないんだろうかとか、奇跡がおこって吃音がなおるところとか、すごい話だなあ、と思いつつぼ~っと見てしまいました

しゃんしゃん弾いてらした鶴澤寛治さんの三味線、伊達大夫の吃音の表現(たしかにひどいしゃべりだけど、一応、何を言っているのかはわかる)、それから見所としては、苗字を許されて喜ぶ又平の愛嬌たっぷりの踊り(人形遣いは吉田文吾さん)、一瞬登場して、派手に動いてあっというまに去っていく雅楽之助(うたのすけ)をやった吉田玉女さんの立ち回りが印象に残ったくらいかしら。大作の先代萩の後で疲れていたせいもあり、全体的に脱力状態でいるうちに終わってしまったようなかんじです。

道成寺入相桜(どうじょうじいりあいざくら)の日高渡し場の段は、派手なしかけで面白かったですよ。日経ネット関西版によると、本当は「日高川入相花王」という名前だったのが、今回、道成寺の協力で改題したのだそうです。

例の安珍・清姫の物語です。せっかく安珍を追って日高川にやってきた清姫は、船頭に船をだしてほしいと頼むのですが、船頭は、恋人のおだ巻姫と追っ手から逃れる安珍から清姫に川を渡らせないようにといわれており、清姫の願いは聞き届けられません。姫の嘆きはしだいにうらみへと変わっていきます。嫉妬とうらみに実を焼く清姫は大蛇、大蛇に姿を変え、川を渡っていきます。

黒に赤のアクセントの可憐なお姫様→嫉妬の象徴(?)の赤の衣装→蛇をあらわす銀のうろこにツノをはやした蛇の姿に変身した清姫が、荒れる川をものともせず、激しく渡っていくところが最大の見もの。人形の頭はガブといわれる特殊なもので、一瞬でかわります。かわいいお姫様が一瞬のうちに鬼に!

締めにくる義太夫の言葉もすごいです。「不思議や立浪逆巻きて、憤怒の大頭角降りたて、髪も逆立つ波がしら 抜き手をきつと渡りしは怪しかりける」調子はいいんですが、とっても直裁的で、そのまま舞台も表現されていきます。

この「怪しかりける」を一緒にいった妹はきにいってしまって、幕が下りたあともしつこく繰り返して一人で受けてました


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