声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

人生の選択肢

2015-08-18 04:44:03 | Diary
昨日の仕事先で

ある青年が話しかけて来ました。

「実は、僕も自衛官だったんです。」と…

黒いTシャツにシルバーのペンダント、ムースをつけて立たせた髪にジャニーズ系の顔立ちで

眉もキレイに整えた、いわゆるイケメン…

その雰囲気からは、どう見ても元自衛官には見えないけれど…

唯一なるほど…と思わせたのは肩幅の広さと胸の厚みで、

逆三角形の上半身が、かつての肉体労働を物語っていました。

「作業服は迷彩でしたか?それとも深緑でしたか?」

ときかれ

「私の時代は深緑ね」

と答えると、ニコニコ笑いながら

「自分は◯△◇隊に所属していました」

と、私もよく知っている駐屯地にある部隊だと教えてくれました。


4年間勤めて、辞めた…

その理由は、東日本大震災で南相馬に行ったのがきっかけだったとも…。

周りの人たちを気遣いながら、言葉少なに語ってくれた時、

その表情が一瞬曇ったのを私は見逃しませんでした。



彼は今、高齢者施設で働いています。

「今の仕事は、どう?」

ときくと

「自衛官時代の経験が、役立っています!」

その表情をみれば、仕事は充実している様子
職場の人間関係にも恵まれているようです。


明るいキラキラした笑顔の彼が、

あのヘルメットをかぶって被災地で救援活動をしていた…

その姿を想像した時、なぜ自衛官辞めて介護士になったのか、わかるような気がしました。


隊に残るか辞めるか…

二つに一つの選択肢は任期制隊員の特権ですが
私は、これまで

隊で講演を頼まれた際は、いつも

「残るか辞めるか決めるのは自由、選択肢があるのは幸せなことだ」

と後輩達に伝えて来ました。

でも今は、そうは思いません。

残っても辞めても厳しい選択…になることが予想されます。


けれども、昨日出会った青年のような選択もある…

人から感謝される仕事という点では介護士も同じ、

彼を支えているのは自衛官時代に培った奉仕の精神かもしれない。

悩む後輩達に会った時、そんな話ができればいいな、と思っています。

清水 由美














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