「島根だから出雲大社ですよね!」
というのが昨夜の『ポツンと一軒家』での女性タレントの言葉…
確かに、
島根というと出雲大社を思い浮かべる人が大半だが、
島根は
出雲地方と石見地方とに分かれている事は、
あまり知られていないらしい…
最近は個人情報の問題もあって
どこであるかが特定できないように
工夫しているらしく、
最後まで、集落がどこなのかわからなかった…
が、聞き覚えのある言葉だった…。
私の出身地に近い、
明らかに石見地方の方言だ。
ウメダという姓のアクセントは
共通語だと平板だが、石見弁では頭高になるし、
「世話ない」という言葉は
字幕スーパーではそのまま『世話ない』となっていたが、
本来は“大丈夫”という意味で使う。
映し出されたのは、
山間部の小さな限界集落である。
住民は6人、取材は昨年の秋だろうか?
もと住人が帰ってきても10人に満たない少人数で営まれる祭りの全貌を、
番組は取り上げていた…
農作物の恵みに感謝する新嘗祭だ。
神輿を担ぐ人がいないのを
軽トラに乗せて太鼓を叩きながら集落を廻り、
年に一度の祭りを維持している…
なんと涙ぐましいことか。
(T . T)
ひとり暮らしの老女を心配して助け合う生活が
当たり前のように、そこにはあった…
そういえば、
今年喜寿を迎えた従姉が、
「近所の人が、いつも手伝ってくれるんよ」
と言っていたが、
番組で映し出されたのは、まさにそんな生活だった。
他人の好意を信じて疑わない日常が、
そこにはあった。
日本一、長生きの高齢者が多いのも頷ける。
ここ数年、
里心が強くなっているというのに
このコロナ禍で、帰省しづらいせいもあって
故郷がますます遠ざかっている…
複雑な思いを抱きながら眠った。
今朝は、
雨音で起こされたが、
まだ昨夜の里心を引きずっているらしく、
目覚めと同時に、
かの文豪が最期に残した言葉を思い出した。
『余ハ石見人森林太郎トシテ死セント欲ス』
森鴎外が死の三日前に友人を呼んで託した言葉だが、
その日が、
奇しくも今日、
7月6日なのだそうだ。
チラシは
津和野にある森鴎外記念館で今月開かれる講演会。