島根の田舎に住む従姉から
特産のアムスメロンが送られてきた。
久々に電話を入れると、
少し声の様子が沈んでいた。
従姉の連れ合いは92と高齢で、
認知症があり他の疾患もあるため、病院内の施設に入っている。
その連れ合いの体調が悪く、
主治医から左脚を切断する事を勧められたと言う。
連れ合いには、死別した前妻の息子が2人いて、
その長男が主に父親の入院費等の面倒などをみているらしいが、
長男は、どうやら主治医の勧めに従う方向らしい…
が、
従姉は悩んでいると話す。
認知症とは言っても、全く判断がつかない時もあれば、そうでない時もある。
親子ほど年齢の離れた従姉を、まだ自分の妻だと認識できる瞬間もあるらしい。
それを知っている従姉は、
「目が覚めた時に自分の脚がないと知った時に、どう説明すればいいのか」
と悩む。
通常の場合なら、
「生きるための選択」だと言えば、
納得してくれるかもしれないが、
寝たきりの状態になった認知症の夫に、
説明するのは難しいと言うのだ。
認知症になる前に本人は
「延命はしないでくれ」と言っていたと言うが、
脚の切断は、延命のための処置ではないのだろうか…。
難しい選択だ。