声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

朝陽の中で

2019-05-26 08:05:11 | Diary
今朝は5時に目が覚めたので

私たちが起きるのを待っていたHalを連れて

いつもより1時間早く散歩に出ることにした。



この時期、

旧い別荘の敷地内には、


誰も採らないゼンマイやワラビなどの山菜、

それに

既に掘られるタイミングを失って、

そのまま伸びてしまっているタケノコが生えているが、


その辺りで

夫がいきなり立ち止まり

驚いたように言った…


「見ろよ…すごいなぁ!」



寝ぼけ眼を大きく開いて

夫の視線の先をよく見れば、


眼の前に生えている1mほどのタケノコの

尖った葉の先端にいくつもの水滴がついて

それが朝陽に照らされキラキラと光っている…








「生きているんだね」


まさに今、勢いよく伸びていこうとするタケノコの姿に、

私は圧倒され、

不思議な感動を覚えた。


( あぁ、まるで朔太郎の詩のようだ )


一カ月ほど前

朗読講座で、《竹》2編を取り上げて

その詩の持つ意味を深く考えれば考えるほど悩んだ事を思い出した。


そして、もう一度

声に出して読んでみたくなった…






ますぐなるもの地面に生え、

するどき青きもの地面に生え、

凍れる冬をつらぬきて、

そのみどり葉光る朝の空路に、

なみだたれ、

なみだをたれ、

いまはや懺悔をはれる肩の上より、

けぶれる竹の根はひろごり、

するどき青きもの地面に生え。




光る地面に竹が生え、

青竹が生え、

地下には竹の根が生え、

根がしだいにほそらみ、

根の先より繊毛が生え、

かすかにけぶる繊毛が生え、

かすかにふるえ。

かたき地面に竹が生え、

地上にするどく竹が生え、

まつしぐらに竹が生え、

凍れる節節りんりんと、

青空のもとに竹が生え、

竹、竹、竹が生え。



















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