天使の図書館ブログ

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創作ノート☆Part9~ファンタジー小説、その5~

2011-05-16 | 創作ノート
 ※使用させていただいているイラストは、幻想素材サイトFirst Moon様のものです。利用規約を守らず転載or再配布したりされないよう、よろしくお願い致します。


 はてさて、何やら強力な金蔓スポンサーがついたらしき、邪道極楽パーティの一行。
 酒場の片隅にいたふたりの男――フィディアスとディノールにお金を出してもらって、酒場の飲み客から彼らが得た情報とは!?


 酒場の客その2:「ヒック。こりゃ、上等の酒だあ~。そんであんたら、一体この俺っちに何を聞きたいんだい?」

 リュシィ:「えっとね、アルフレッド王子が現王の奥さん……つまり、義理のお母さんに恋をしてるって、本当なのかなって」

 酒場の客その2:「まあ、あくまでこりゃあ、噂なんだがな……ヒック!何しろサスキア王妃はあの美貌だ。そしてアルフレッド王子が初めて王妃に出会ったのが、16歳の頃。自分と同じ歳の美少女が父親のやらしい手にかかって……おっと、つい下品な本音が出ちまったぜ。いへへ」

 フェアリー・テール:「あ、なんかわかってきたわ。つまり、ルビーはサスキア王妃とアルフレッド王子との間に出来た子なのよ!サーベルはルビーを17歳って言ってたから……仮にふたりが17歳の頃に出来た子だとすると、今サスキア王妃とアルフレッド王子は34歳か35歳くらいなんじゃない?っていうか、ふたりとも若っ!」

 フィリアス:「ふーむ。なるほどな~。そういえば忘れていたが、女癖が悪いってことは、アルフレッド王子はまだ結婚してないのか?」

 酒場の客その3:「おうともよ。現王エドワード様もそのことについては、随分気を揉んでらっしゃるらしいが……何しろ、アルフレッド王子がこう乱れた生活をされていたのでは、それも無理のない話だよなあ」

 ジュナン:「つまりじゃあ、もしそのアルフレッド王子に何かあった場合……ルビーが第一王位継承者なんじゃないか!?」

 フェアリー・テール:「しーっ。そういうことはあんた、二階の部屋でみんなが一緒になった時にしなさいってば!」

 ジュナン:「えっ!?だって別に、こいつら酔ってるわけだし……あ、そっか」


 そうです。
 NPCのフィディアスとディノールはあくまで素面です(笑)
 まあ、フェアリー・テール役のAちゃんもジュナンと同じことを先にしちゃってますが、彼女も自分で言ってからハッと気づいたっていうことなんですよね。

 まあ、そんなこんなで、フィディアスとディノールという、ある意味謎の男ふたりが資金提供してくれたお陰で、必要な情報を得ることが出来た邪道極楽パーティの一行。
 4人は早速、2階にある自分たちの部屋で今後のことを話しあおうとしますが、その前に……。


 酒場のバニーガール:「ハァ~イ♪ねえ、お兄さん、遊んでいかな~い?」

 ジュナン:「……お兄さんって、俺のことか?」

 バニーガール:「そ・お・よ。ぱふぱふ一回、100レーテルでど~お?」

 ジュナン:「くだらん。他を当たってくれ」

 フェアリー・テール:「あ~あ、無理しちゃって!本当はしたいくせに」

 リュシィ:「そうだよ、ジュナン。無理するのは体によくないよ☆」

 フィリアス:「なんだったら、金貸してやろうか?一日2割の利息でな」

 ジュナン:「おまえら~!!俺をそんな男だと思ってるのか!?」

 フィリアス&リュシィ&フェアリー:「うん!!思いっきりそう思ってるよ♪(いい笑顔☆)」

 フィディアス:「なんだか、とても賑やかなパーティみたいだね

 ディノール:「……というか、ただの阿呆パーティの間違いなんじゃないのか?」


 向かう先が一緒なので、ちょっと驚くフィリアスたち一行。
 なんでも、フィディアスとディノールは、きのうからこの旅籠屋に泊まっているらしく……部屋のほうはジュナンの隣の部屋らしい。


 フェアリー・テール:「じゃあ、まずはみんなで一つの部屋に集まって、これからどうするか相談しましょうか?」

 フィリアス:「そうだな。ところでGM、ひとつ聞いておくが、こっちが話してることをフィディアスやディノールが立ち聞きするっていうことは、ありえるのか?」

 GM:「まあ、あるだろうねえ。何しろ君たち、さっき結構刺激的なことを話してたじゃん?フィディアスやディノールじゃなくても、好奇心が旺盛な人なら、そうしたことは常にありうるかもよ?それにここの宿は安いから、それだけ壁のほうも薄いみたいだし」

 リュシィ:「でもさあ、フィディアスさんっていい人そう……ねえ、GM。ノンプレイヤーキャラに恋したりっていうのは、アリなの?」

 GM:「え!?(どっきんこ)う、うん。恋愛は自由だからね、まあ。あはは♪」

 フェアリー・テール:「じゃあ、あたしはディノールに恋してもいい?ああいう美形キャラ、結構好きだし」

 GM:「う、うん……まあ、いいんじゃないかな。あはは☆」


 ↑のどっきんこなGMのフラグについては、あとから説明するとして……4人はまず、部屋の外に見張りを立てることに決めた模様。
 ジャンケンもあみだも何もなく、ジュナンが見張りをすることで即決定。彼は女の園から締め出されることに。
 ちなみにルビーはすっかりお眠になった様子で、ベッドの上でにゃんこのように体を丸めて眠ってます。


 フィリアス:「それじゃあまあ、ルビーが王位継承権を持っていると仮定して……サーベルって結局、何者だったんだろ?」

 フェアリー・テール:「うーん、そうねえ。はっきりとはわからないけど、赤ん坊のルビーに何がしかの危険が迫ってることを察した乳母が、安全な場所へ赤ちゃんを移そうとしたとかって、ありえそうじゃない?でもやっぱり魔の手から逃げきれなくて、乳母は赤ちゃんを自分の幼い息子に託すことにした。サーベルって確か、まだ二十代くらいだったんでしょ?」

 GM:「う、うん。(フェアリーちゃんはどうしてこう鋭いんだろうと思いつつ)たぶんまだ27とかそのくらいだったんじゃないかな」

 フェアリーテール:「ということは、ルビーが赤ちゃんの時、彼はまだ10歳だった。その後、いつくらいに呪いをかけられたのかはわからないけど、とにかくサーベルはルビーをどうにかして育てたんでしょうね」

 フィリアス:「じゃあ、またサスキア王妃に会いにいってみるか?赤ん坊がさらわれた当時の状況をもっと詳しく聞く必要があるし、サーベルっていう名前にもしかしたら心当たりがあるかもしれない。たとえば、乳母の息子の名前がサーベルだったとかさ」

 フェアリー・テール:「よし、じゃあ明日の朝一で、王宮に通じる地下通路を通って、王妃様に会いにいこっか。ところでリュシィ、あんたさっきからずっと大人しすぎない?」

 リュシィ:「えへ☆フィディアスさん、好き!!

 フィリアス:「やれやれ。ところでGM、パーティのうち二人もノンプレに恋をするって設定で、本当に大丈夫なんだろうな?」

 GM:「う、うん(さっきらかずっと、何か歯切れが悪い☆)……ところでさ、外でずっと見張りをしてるジュナンのことなんだけど、彼が廊下の窓に何気なく目をやると、そこから王城が燃えてるのが見えるみたいよ」

 ジュナン:「おっしゃ。俺の出番キターッ!!
       (バーン!!とドアを開けて☆)みんな、大変だ!王城が燃えてるぞっ!!」

 フェアリー・テール:「うっそ。マジ!?てか、GM。事態が急展開すぎない?これからあたしたち、あのフィディアスやディノールが何者かっていう話をしようと思ってたんだけど」

 GM:「まあ、急でもなんでも、燃えてるものは燃えてるんだよ。それでみんな、どうするの?」

 ジュナン:「もちろん、行くっきゃねえだろ!!なあ、みんな!?」

 フェアリー・テール:「あー、ハイハイ。わかったってば、行きますとも。じゃあまあ、寝てるルビーのことも起こさなきゃね」

 フィリアス:「道具屋で買った猫じゃらしで、くすぐってみるか。おーい、ルビー。起きる時間だぞー?」

 ルビー:「ふにゃん♪にゃにゃにゃ、ニャーゴ!!(伸びをしている☆)」

 リュシィ:「あ、起きた起きた~。そんじゃあまあ、もう夜も遅くて疲れてるけど、これからレッツ王城へ!だね!!」


 そんなわけで、城下町の一角にある下水道、そのマンホールの下へおりると、5人は秘密の地下通路を通って、王城を目指して進みました。


 フェアリー・テール:「そーいや、こういう地下通路って本当はもっとずっと入り組んでるものなんじゃない?じゃないと誰もが王宮に出入りできちゃうっていうか……」

 GM:「うん。この間マイアさんが案内してくれた時、ちゃんと道順を覚えておくように言おうかと思ったんだけどさ……マッピングが面倒だと思ったから、黙ってたんだよ。その部分はみんながきちんと道順を覚えてたってことで、オマケしとくね」

 フィリアス:「さんきゅー、GM!!」

 GM:「まあ、感謝してもらった矢先になんだけど、早速モンスターの登場ってことで、バトル!!」


 ♪チャララララララ~(ドラクエ調☆)

 ――巨大毒グモAとBとCがあらわれた!!! 


 リュシィ:「わあ~。やっぱりケチらないで、町でキアリーかポイゾナの魔術書を買っておけば良かったかもww」

 フェアリー・テール:「ていうか、なんでモンスターいんの?この間はなんにも出くわさなかったのに!!」

 ジュナン:「つまり、王宮で何かそれだけ異変があったっていうことなんじゃないのか?」

 GM:「なんにしても、君たちの中ですばやさが一番高いのはルビーだから、ルビーの攻撃からまずいくね」

 フィリアス:「じゃあ、こっからルビーは変身モードってことね」


 ――ルビーの攻撃!!
 巨大毒グモCに42ポイントのダメージ!!
 ルビーは巨大毒グモCをたおした!!
 だが、ルビーは毒におかされてしまった!!


 リュシィ:「わあ~ん。ルビーが毒におかされちゃった!!キアリーを買わなかったリュシィを許して~。でもかわりにリュシィの毒消し草でルビーの毒を消してあげるから、待ってて!!」

 ジュナン:「GM。まさかとは思うが、攻撃するごとにいちいち毒を食らうのか?」

 GM:「いや、あんたは剣だから大丈夫。でもルビーみたいに直接牙や爪で攻撃すると、毒におかされるってこと。あと、武器を何も装備してなくて、素手だった場合ね」

 フィリアス:「お~い。次にすばやさが高いのはあたしだよ。攻撃力低くて悪いけど、MPはなんかあった時のために温存しとくね」


 ――フィリアスの攻撃!!
 巨大毒グモBに10ポイントのダメージ!!


 フェアリー・テール:「わたしも、シルフィードとウンディーネとイフリートをそれぞれ一回ずつ召喚したら、それだけでMPゼロに近いから……ここはまあ肉弾戦で」


 ――フェアリー・テールの攻撃!!
 巨大毒グモBに35ポイントのダメージ!!
 フェアリー・テールは巨大毒グモBをたおした!!


 リュシィ:「じゃあ、リュシィはルビーのために毒消し草を使うね」


 ――リュシィはルビーに毒消し草をつかった!!
 ルビーの毒が消えさった!!


 リュシィ:「ふう~。これでとりあえず、一安心♪(^^)」

 ジュナン:「じゃあ、次は俺のターンだな。新しい剣の味を、おまえで試してやるぜ!!」


 ――ジュナンの攻撃!!
 毒グモAに25ポイントのダメージ!!
(ダイスのでた目が小さかったらしい☆)


 フェアリー・テール:「あんたの鋼のつるぎ、刃がないんじゃないの?」

 ジュナン:「うるさいっ!!」


 ――巨大毒グモAの攻撃!!
 フィリアスに12ポイントのダメージ!!
 フィリアスは毒におかされた!!


 フィリアス:「あ~、次にこれ、毒系統の奴あらわれたら逃げたほうがいいよ、あたしたち。みんな、毒消し草って1個ずつしか買わなかったじゃん?だからパーティ全体で持ってるのはあと、ジュナンとフェアリー・テールだけだもんね」

 GM:「じゃあ、ルビーの次の攻撃はお休みってことでいいんだね?」

 フェアリー・テール:「はいはい。そんじゃ、フィリアスは毒消し草を使ってるってことで、次はあたしの攻撃ね」


 ――フェアリー・テールの攻撃!!
 会心の一撃!!!
 フェアリー・テールは毒グモAを倒した!!


 フェアリー・テール:「やれやれ。こんなどーでもいいところで会心の一撃が出てもねえ(溜息☆)」

 GM:「なんにしても、経験値を配布するよ~。巨大毒グモ一匹につき、経験値5ポイントだから、全部で15ポイント。レベルが上がった人は、ダイスを振って攻撃力とか守備力とかすばやさなんかをプラスするってことでヨロシク☆」


 ちなみに、会心の一撃っていうのは、6面ダイスを2個振ってゾロ目が出たら、それが会心の一撃です(笑)
 あと、経験値も溜まったら自己申告して、4面ダイスを振って出た数値をキャラクターシートのそれぞれの欄にプラスしていってもらうような感じです。
 彼らは魔の洞窟でレベルが3くらいまで上がってるので、この時は大体LV4とか5くらいだったと記憶してます。


 GM:「さてさて、下水の流れる地下通路を通って一行が進んでいくと、王宮の中庭にでるマンホールが近づいてきたよ。ところが、ここでまたモンスターが出現!!」


 ――巨大毒サソリAとBとCがあらわれた!!!


 ジュナン:「うげげww」

 フェアリー・テール:「サソリって、うちら初めて会うんじゃない?つーか、なんかこれまでの巨大なんとかっていうのより、強そうな気がするんだけど」

 リュシィ:「GM、いぢわるだあ~!!リュシィが町でキアリー買わなかったから、わざと毒系のモンスターばっか出してるんじゃない!?」

 GM:「(そのとおりです!!笑)

 フィリアス:「じゃあ、逃げることにするか?ところでGM、毒サソリのすばやさっていくつ?」

 GM:「6です。だから、12面ダイスを1個振って6以上の数値を出す必要があるよ。もちろん、6面ダイス2個でも、どっちでもいいけど」

 ジュナン:「結構厳しいなあ」

 フェアリー・テール:「ようするに半々の確率ってことだよね。じゃあ、シルフィードを召喚して一発で撃退しちゃうことにする?」

 リュシィ:「う゛~ん。でもこれから乗りこむ王宮って、なんかラスボス系のキャラがいそうだから……フェアリーちゃんはMP温存しておいたほうがよくない?」

 フィリアス:「じゃあ、わたしがラリホー使ってみるよ。これで毒サソリが寝てる間に逃げるか戦うかすればいいんじゃない?」


 ――そんなわけで、フィリアスは毒サソリABCが攻撃してくる前にラリホーを唱えた!!!


 フィリアス:「おーほっほっほっ!!ラリホー♪」


 ――巨大毒サソリAとBは深い眠りにおちいった!!
 だが、巨大サソリCは眠らなかった!!


 全員:「チッ!!

 GM:「さ~て、みんなダイス振って~♪巨大毒サソリのすばやさは6だから、ダイスの目次第では、こっちが先に誰かを攻撃しちゃうよ☆」
 

 当たり前ですが、逃げの判定以外では、モンスターも6面ダイスを振った数値によって、他のキャラクターたちよりすばやさの数値が上だったら、先に攻撃が出来ます。
 でもまあ、みんなレベルも上がってきてるので、巨大毒サソリCが攻撃する前に、肉弾戦でバコバコ☆にしてやっつけちゃった模様(笑)
 ちなみに、フィリアス役のRちゃんの「おーほっほっほっ!!ラリホー♪」は、みんなに大受けでした(^^)


 さてさて、そんなこんなで王宮の中庭にあるマンホールから外へ出た一行。
 どうでもいいことかもしれませんが、マンホールにはラス=レーニアの国旗に描かれているグリフォンが紋章として印されています。


 GM:「あ、王宮の通路のほうで何か女性の悲鳴のようなものが聞こえてきたよ」

 リュシィ:「ええ!?誰だれ??」

 マイア:「キャアアアアッ!!助けてえっ。誰かあっ!!!」

 ジュナン:「待ってろ!今俺がこの剣で助けてやるからな!!」

 フェアリー・テール:「またジュナンのカッコつけがはじまった☆」

 フィリアス:「しょうがないな。面倒くさいが助けるか」

 マイア:「化け物ぉっ!!こっちへ来ないでえぇっ!!」

 GM:「相手は頭がオオカミのケダモノみたいだよ。ちなみに今日は満月ってことで、よろしくね

 ジュナン:「ようするに、オオカミ男ってことか」

 フェアリー・テール:「なんか強そうね」

 リュシィ:「なんにしても、早くマイアさんを助けなきゃ!!」

 GM:「あ、みんなよりも先にルビーが駆け出していったよ。そして先制攻撃として、神官服を着たオオカミ男の喉笛に噛みついたみたい」

 フィリアス:「さっすが、ルビー♪」
  

 ――まあ、当然ここでまたバトルになるんですが、それ書いちゃうと無駄に長いので、この神官服を着たオオカミ男はルビーが喉笛に噛みついて倒したってことで、話を進めますね(^^;)


 ジュナン:「大丈夫ですか、マイアさん!?」

 マイア:「あ……ああっ。本当に怖かった。もう少しでザメル大神官に殺されてしまうかと……」

 リュシィ:「ザメル大神官って??」

 マイア:「我が国でもっとも位の高い大祭司様です。突然、サスキア様の私室へお見えになったかと思うと、あのようなお姿になって……」

 フェアリー・テール:「それで今、王妃はどうしてるの!?」

 マイア:「わたしが注意を引きつけて、なんとか王妃様からお離ししたのです。ですが、王宮のあちこちですでに火の手が上がっていて……」

 フィリアス:「なんにしても、まずは王妃の部屋へいってみる必要がありそうだな」

 マイア:「はい。わたくしが御案内いたしますわ」


 けれども、王宮内ではすでに建物の一部が崩れていて、王妃様の部屋へは戻れませんでした。
 一行はその途中で玉座の間の近くを通りかかり、何か人が争っているような声を聞きつけます。


 エドワード王:「ふんっ。我が息子ながらまったく女々しい奴よ。こんな売女、そんなに欲しいのなら今くれてやる!!ただし、息の根の止まった死体でなっ!!」

 アルフレッド王子:「やめてください、父上っ。サスキア王妃に罪はありません。殺すというのなら、どうかこの愚かなあなたの息子だけを罰してください!!」

 エドワード王:「はっはっはっ!!よくぞ言った、我が息子よ!!それじゃあ、ふたりまとめて仲良く殺してくれるわっ!!」

 GM:「あ、君たちがやってきた別の通路から、フィディアスとディノールがやってきたよ」

 リュシィ:「きゃんフィディアスさんが!?」

 フェアリー・テール:「なんだってまた、こんな時に!?もしかしてあいつらって敵だったの!?」

 ディノール:「今は詳しいことを説明している暇はない」

 フィディアス:「(玉座の間の扉を開けて飛びこんでいく)姉上!!」

 サスキア王妃:「フィディアス!?どうしてここへ!?」

 リュシィ:「ええ~っ!?姉上っていうことは、もしかして……」

 フィリアス:「エスカルド王国の王子様ってことか」

 ディノール:「ま、そういうことだな」

 フェアリー・テール:「じゃあ、そういうあんたは一体何者なのよ!?」

 ディノール:「俺か?俺はフィディアスのただの友人さ。最近、ラス=レーニアでは人が獣になるっていう事件が相次いでいると聞いて、フィディアスとふたり、お忍びで調査にきたってわけだ」

 フェアリー・テール:「ふう~ん。なるほどね」


 フィディアス王子が玉座の間に飛びこんでいくと、そこでは怪鳥グリフォンがサスキア王妃とアルフレッド王子に襲いかかろうとしているところでした。


 怪鳥グリフォン:「クエェェェッ!!!」

 アルフレッド王子:「父上、しっかりしてください!!まさか本当にあの悪魔に魂を売り渡してしまったのですか!?」

 サスキア王妃:「キャアアアアッ!!アルフレッドっ!!」


 アルフレッド王子が怪鳥グリフォンの嘴の餌食になろうとしていると、間一髪のところで、フィディアス王子がグリフォンを撃退しました。
 んで、ここから当然バトルモードに突入していくんですが……ラスボス戦は当然描写が長くなりますから、詳しいバトルの内容ははしょりますね(もちろん書いてもいいんですけど、ただ長いだけで退屈だと思うので^^;)

 ちなみに、怪鳥グリフォンと戦ったのは、ジュナン、フェアリー・テール、リュシィ、フィリアス、ルビー、それにフィディアス王子とディノールの7人です。
 まあ、7人がかりでようやく倒したわけですから、それだけ強い敵だったということですね。


 エドワード王:「(怪鳥グリフォンから元の姿に戻るものの、瀕死の状態☆)ゆ、許してくれ、アルフレッド……わしの、イスカルド大陸をすべて制したいという欲望に、あいつは、魔術師アスヴァルはつけこんだのじゃ。その結果、わしはザメル大神官と禁断の魔術に手を染めてしまった……ラス=レーニアに最強の軍団を生みだし、そして砂漠を越えてエスカルドへ攻めこもうと……」

 アルフレッド王子:「父上、もうしゃべらないでくださいっ!!今父上に死なれたら、わたしは、わたしは……っ」

 エドワード王:「わしを許してくれるか、アルフレッドよ。つまらん嫉妬からわしはおまえを遠ざけ、サスキアにも半ば幽閉されたような、不自由な生活を強いた。おまえたちふたりの間に生まれた子を、さらって殺そうとしたのもわしじゃ。ああ、今あの子はどうしておるかのう……わしは、初めて出来た自分の孫を殺そうとまでした、愚かな男じゃ。思えば、わしはあのときからすでに、どうかしておったのだろう……」

 フェアリー・テール:「えっと、その娘なら、ここにいるんじゃないかと思うんだけど……」

 みんなが、フェアリー・テールの一言で、人間に戻って服を着たルビーに注目します。

 エドワード王:「おお……あの時の娘が生きて……そういえば、サスキアの若い頃に面差しがそっくりじゃ。ちょうど、サスキアがわしに嫁いできた十六の頃に……もっとよく顔を見せておくれ。もっとよく、顔を……(ガクリ☆)」

 アルフレッド王子:「父上ーーーッ!!」


 ――そんなわけで、エドワード王亡きあとは、当然アルフレッド王子がラス=レーニアの王様になったのでした。
 アルフレッド王は、適当な期間を置いたあと、ずっと愛していたサスキア王妃と結婚するそうです。


 フェアリー・テール:「でもさー、それだとルビーの立場ってなんか微妙じゃない?」

 リュシィ:「マイアさんのお母さんがサスキア王妃の乳母で、サーベルってマイアさんの弟だったんだね。なんかほんと、ルビーって本当なら今ごろ、王女様として何不自由なく暮らしていたはずなのに……」

 フィリアス:「つーか、あの侍女のマイアって、ルビーを最初に見た時からサスキア王妃に似てると思ったとか、それを早く言えっつーの」

 ジュナン:「まあ、公式には娘と発表できなくても、これから王宮で親子三人、仲良く暮らしていけばいいんじゃないか?」


 そうなんです。そんなわけで、NPCのルビーは、ここで邪道極楽パーティの一行と別れることに。
 そして、言葉の話せない彼女が最初に覚えた人間の言葉――それが「みんな、ありがとう」というものだったのでした。

 フィディアス王子はアルフレッド王とこれからも友好な国同士の関係を保っていくことを約束したあと、王都エスカルドへ帰るということになったわけですが……。


 フィディアス王子:「王都エスカルドまで一緒に連れていってほしい?もちろんお安いご用だよ。ディノールがホバークラフトを運転してくれるから、一緒に乗っていくといい」

 フェアリー・テール:「あんたが運転すんの?」

 ディノール:「なんだ?俺の運転に何か不満でもあるのか?」

 フェアリー・テール:「べつに……ところでディノールって、フィディアス王子の友達なんでしょ?っていうことは、あんたも貴族か何かだったりするわけ?」

 フィディアス王子:「ディノールは我が王家に代々仕える、名門貴族の生まれなんだよ」

 フェアリー・テール:「ふう~ん」

 リュシィ:「ねえねえ、フィディアス王子♪リュシィ、ホバークラフトで、王子の隣の席に座ってもいい?」

 フィディアス王子:「もちろんですよ。なんだったら、膝の上に乗ってくださっても全然構いませんよ」

 リュシィ:「やだあ~、もう!フィディアス王子ってば

 フィリアス:「そんじゃあまあ、フェアリー・テールはディノールの隣な。でもあたしは、ジュナンと一緒に座りたくないから、おまえはどっか離れた場所に座っとけよ」

 ジュナン:「ま、なんにしても次は、諸悪の根源アスヴァルのいる塔へレッラゴー!!ってことだな」


 さてさて、ラス=レーニア王国の抱えていた色々な問題を解決した邪道極楽パーティの一行。今度はホバークラフトに乗って王都エスカルドを目指します♪(^^)

 ちなみにここからはまた、GMの独り言ですが……リュシィ役のKちゃんが「フィディアス王子に恋してもいい?」って言った時、何故わたしがどっきんことしたかというと、それはこのお話を小説化したらわたし、フィディアス王子とリュシィ、フェアリー・テールとディノールにカップルになってもらおうと思ってたからなんですよ(ちなみに、フィリアスには同じ竜族の相手がすでにいるっていう設定なんです☆)

 でもまあ、TRPGとしてプレイする分には、そううまくカップルになんてなるわけないよなあ~と思っていたんです。
 ところが、リュシィだけじゃなくフェアリー・テールまでもが自分から「ノンプレに恋してもいい?」と言ってくれて……ちょっとびっくりするあまり、動揺したというか(^^;)

 もちろんここは、GMとして「しめしめ、うまくいった☆」とでも素直に思えばいいんでしょうけど、あんまりうまくいきすぎてびっくりしたっていうことなんです
 小説を書いてる分には、こういう種類の似たようなミラクルってよくありますけど、まさかTRPGでまで同じ経験が出来るとは思ってもみませんでした。
 なんにしても、<物語>というものが持つ効能ってある意味すごいな~と、あらためて思わされた出来事だったと思います♪
 それではまた~!!





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