(【お気に入りの習慣】ローレンス・アルマ=タデマ)
(今回も画像に意味は全然ないんですけど、中世の頃のお風呂?(※イメージ☆)みたいに思ったので^^;)
驚いたことに、まだ続いていますww
しかも、ここから数回に分けて連載します
いえ、本当はただエロくてバカっぽい話にしようと思って書きはじめたんですけど……カルもシェラも、元が真面目な人なせいかどーか、なんか書けば書くほどどんどんマジメな展開に(^^;)
そんなわけで、タイトル馬鹿っぽいのに、ここからはちょっとシリアス風味☆かもしれません。。。
カルはあんまり原作忠実路線じゃないかも、なんですけど(まあ、それ言ったらシェラもねって話^^;)、カルがもし色魔でロリコンで変態だったとしても、バッチ恋とか思います(やっぱおかしいよ、あんた・笑)
でも、今回はシェラが書いててほんとーに可愛くって
自分でも書いてて「こんなに健気でどーするんだろう、この娘」とか思いました♪(^^)
まさかこんなにくだらない話がこんなに長くなると思ってなかったので(汗)、他に書こうと思ってた記事が全部後回しになってますww
そんでカルシェラに萌えるあまり、「何書こうと思ってたんだっけな、自分☆」って感じで、そのうち忘れそう(笑)
そういえば、先月の前半くらいに、毎日のよーにバスタバスタ、カルカル言って萌えの勢いで更新してたら、gooブログの管理画面で順位が表示されるようになってきました(^^)
いえ、べつにランキングとかに参加してるわけじゃないので、順位が表示されなくても気にしたことは一度もなかったんですけど……これってどうも、10,000位以内くらいに入ると、9,879位とか、そういうのが表示されるものらしく。。。
17,000,000以上もブログがある中で、大体このくらいアクセスがあると、七千何位になるとか、五千何位になるとか、そういうのが少しわかって面白いなって思いました♪(^^)
なんかもう最近、バスタのことかカル(&シェラ)のことしか書いてないので、このブログ自体、なんのためのブログだったんだか、だんだんわらなくなってきてたり(どこが天使の図書館なんだかって感じ・笑)
なんにしても、こんな文字ばっかのつまんないブログに遊びにきてくだる方には、本当に感謝です♪(^^)
それではまた~!!
カルシェラDE湯けむり妄想☆-その3-
――次に目を覚ました時、シェラは指先に冷たい感触を感じた。
そして、次に感じたのは、シーツの柔らかな感触と、そこから微かに漂うヒヤシンスの香り……それからシェラは、これは主君カル=スの寝所で、自分がきのう交換したはずのシーツの匂いだと気づく。
(そうだ。明日は、ユリの花の香りづけをしたシーツを交換する日……ということは、今日は水曜日、か?)
そこまで考えてから、シェラはハッとして体を起こした。今日ときのうと明日という日が、何かバラバラに認識されていて、頭の中でまとまらないせいだった。
けれど、次の瞬間、シェラの中でそんなことはどうでもいいことになってしまう。
「あ……」
自分の指先が何故冷たかったかに気づき、シェラは自分の手をカルの腕からすぐ離した。
彼女の主君カル=スはといえば、すーすーと安らかな寝息を立てていて、今暫くの間はよほどのことでもない限り、起きてきそうにない。
(わ、わたし……なんで裸!?それに、カル様も……!!)
――これまで、カルに夜伽話を聞かせているうちに、自分のほうが先に眠ってしまったということは、何度となくあった。けれど、その場合にもシェラはきちんと服を着ていたし、体に触れられた形跡があったこともない。それに、その場合には、主君カル=スのほうでも何がしかの衣服を身に着けているのが常だった。
シェラは頭の中が混乱するあまり、暫くの間体が硬直した。
そして、そうしているうちにも昨夜あったことが思いだされ――記憶の断片が甦ってくるごとに、シェラの顔はますます赤く火照っていった。
(き、きのう、わたし……お風呂場でカル様に……っ!!)
あれを果たして、体を弄ばれたと言っていいものなのかどうか、シェラにはわからない。
シェラにあるのはただ、ひどく恥かしいことをされたという感覚と、それでいて快感の伴う心地好さを経験したこと、それから主君カル=スの胸に寄りかかった時に、この人にすべてを任せれていれば大丈夫だと思ったという、そのことだけだった。
(あ……わたし、どうし……どうしようっ!!)
シェラの中では、カルがシャワーで背中や脇腹や足の泡を洗い流してくれたというところで、記憶が途切れている。それというのも、シャワーを太ももに当てられた時……。
(い、いやっ!!思い出しちゃダメっ!!だって、恥かしいものっ!!)
シェラがその時のことを思いだして、再び瞳に涙を滲ませていると、主君カル=スが「ん……」と微かに寝言のような言葉を口にした。
そこでシェラはハッとなり、今度は急いで服を探すということになる。
幸い、服のほうはきちんと折りたたまれて、ナイトテーブルの上に置いてあったけれど――シェラはその綿入りの衣服を着ているうちに、やはり複雑な気持ちになっていった。上衣と下のズボンの間に、サラシも隠すような形で置いてある……ということは、カルはすでに自分が女であると知ってしまったのだと、シェラはそう確信する。
(カル様は一体どういうつもりで、ここまでわたしをお運びになったのだろう?第一カル様は、女嫌いなはずなのに……)
といっても、シェラ自身、主君の口から直接そうと聞いたわけではなかった。
ただ、カルの身の回りの世話をする従者は、昔からみな男と決まっており、寝所に女のメイドが入ってくることは許されないという、不文律のようなものがあるのだ。
(だからこそわたしは、男の振りをしてきたというのに……では、一体いつからだ?いつカル様は、わたしのことを女だと気づいたのだろう?)
きのうの夜の記憶が甦り、シェラは自分自身の体をぎゅっと抱いた。そしてふと、まだ留め金を留め終えてない上衣の右上――鎖骨と胸の間あたりに、彼女は何かの印しがあることに気づく。
(まさか、これって……!!)
シェラはもう一度カルのほうを振り返ったが、彼女の主君は相も変わらず、すーすーと安らかな寝息を立てているばかりだった。
時計を見ると、まだ朝の五時だったが、シェラはもうこれ以上この場にいることは出来ないと判断する。何故といって、城の厨房ではすでに今日一日のメニューについて打ち合わせがなされ、さらにはカル様と自分を含めた十二魔戦将軍に出す朝食の仕度がはじまっているだろう……今日は平日だから当然、主君カル=スはいつもどおり八時には<奏上の儀>をはじめるに違いない。その前に、自分の主君の命じたとおりに衣服を整えておくということも――シェラの大切な仕事のひとつだった。
けれどシェラは、いつもどおりに仕事をこなそうとして、ベッドを下りた途端にうまく足が立たないことに気づいた。
(な、なんだ、これは……!?)
まるで腰が抜けてしまったように、シェラはその場にぺたりと座りこんだ。
確かにきのう、浴場で軽く足をひねってしまったことは確かだった。けれど、今足が一瞬、気が抜けたようになってうまく立たなかったのは――少し別の理由であることに彼女は思い至り、赤面した。
(いや、違う。カル様は断じてそんな方では……意識のない女に何かするようなお方ではない。第一、カル様は女嫌いなのだから……)
それからもう一度、体に力をこめて立ち上がろうとした時、鎖骨と胸の間にあるキスマークらしきものに目がいき、シェラは首を振った。
(絶対に違う!!カル様はそんな方ではない!!)
それと同時に、シェラの中では(――そんなことを言って、自分は一体どのくらい、この方の<本当の姿>を理解しているのだろうか?)との疑問もあった。
そして、もう一度ベッドで眠る主君の姿をシェラが振り返った時、カルはまるで、隣に誰かいることを知っているように、そちら側へ寝返りを打っていた。それから「シェラ……?」と一言つぶやくのを聞いた瞬間、まるで弾かれたように、シェラはその場から走って逃げだしていた。
(もしかして、もしかしてわたしはきのう……あの方のことを「誘った」のか!?よく考えてみたら、きのうのあれはそう誤解されても仕方のないことだったんじゃ……)
ジューダス城の廊下を自分の居室へ向かって走りながら、シェラの頭の中はなおも混乱の極地にあった。そんな今の彼女の救いとなることは、まだ朝が早く、誰も通廊を歩く者の影がなかったことだろうか。
シェラは通廊から見える見事な薔薇園に目をやるでもなく、とにかく一目散に駆けていった。まさか、突き当たりの廊下の角から、背の高い男と出会い頭にぶつかるとは、この時のシェラにはまったく予測もつかなかった。
「……あいたたた」
きのう、ケロヨンの桶を蹴っ飛ばした時ほどではないにしても、相手の胸にぶつかった反動で、シェラはしたたか床に打ちつけられた。
「大丈夫か、シェラ?」
イングヴェイはそう言って、シェラが立ち上がるのに手を貸そうとした。
だが、次の瞬間のシェラの反応というのは――まったく普段の彼女らしくもないものだった。
「結構だ!!男の手など借りずとも、自分の足で立てる!!」
そう一言怒鳴り、イングヴェイが差し伸べてくれた手を、パシッ!とシェラは突っぱねた。
そしてそうしてしまってから、イングヴェイが傷ついたというのではなく、驚いたような顔をするのを見て、シェラはハッとした。『男の手など借りずとも……』というのは、普通女が口にする言葉ではないか!
「どうした、シェラ。卿らしくもなく落ち着きを失っているように見えるが……カル様と何かあったのか?」
シェラはさらにド壺にはまりこむような感じで――カッと頭に血がのぼり、顔が赤くなるのを感じた。
「カル様と何かあるというのは、どういう意味だ!?まさか卿まで、この城の使用人どもの言う戯言に、耳を貸そうというわけではあるまいな!?」
「……………」
――一応イングヴェイは、ジューダス城に仕える使用人たちが、あからさまにそう口に出すことは控えていたにしても、主君カル=スに対し「あっちの趣味ではないか」と言い交わしているらしいのを知ってはいた。
だが、それと同時にカルには指導者としてのカリスマ性と高潔な精神が宿っているがために……そのことをそれほど本気で取り沙汰する者がないことも、よく理解していたのである。
「そうだな。シェラ、おまえがカル様のお気に入りの侍従のような存在で、この城へおまえが住みつくようになってからは、おまえのかわりになれる者はいないだろうことは、私もわかっている。だが、いつも側近くにいて、誠心誠意あの方にお仕えすればこそ……何か問題が起きることもあるだろうと、私が今言ったのはそういう意味だ」
シェラは一瞬黙りこむと、いつもの冷静さを取り戻し、次の瞬間には普段どおりの彼女に戻っていた。
「すまない、イングヴェイ。きのう軍議が長引いたことやら何やらで、少し疲れが溜まっているのかもしれない。それでつい、イライラして……カル様とは、なんともない。これからわたしは一度部屋へ戻り、自分の身支度をすませたら――あの方を起こしにいくつもりだ」
「そうか……」
イングヴェイはさらに何か言おうとしたが、いい言葉が何も見つからず、黙りこむことになった。するとシェラは、そんな彼のすぐ脇をすり抜けるようにして、廊下を歩いていってしまう。
(部屋へ戻ったら、鏡で首筋をよく見たほうがいい……などというのは、余計なことだろうな、やはり)
そう思い、イングヴェイは起きたばかりで、まだ櫛を入れていない髪を何度か手櫛で梳きとかした。本当は、薔薇園を少し散歩するために早起きしたというのに――どうやらこれは、先に主君の寝所へ行く必要がありそうだと、イングヴェイはそう判断したのである。
>>続く……。。。
(今回も画像に意味は全然ないんですけど、中世の頃のお風呂?(※イメージ☆)みたいに思ったので^^;)
驚いたことに、まだ続いていますww
しかも、ここから数回に分けて連載します
いえ、本当はただエロくてバカっぽい話にしようと思って書きはじめたんですけど……カルもシェラも、元が真面目な人なせいかどーか、なんか書けば書くほどどんどんマジメな展開に(^^;)
そんなわけで、タイトル馬鹿っぽいのに、ここからはちょっとシリアス風味☆かもしれません。。。
カルはあんまり原作忠実路線じゃないかも、なんですけど(まあ、それ言ったらシェラもねって話^^;)、カルがもし色魔でロリコンで変態だったとしても、バッチ恋とか思います(やっぱおかしいよ、あんた・笑)
でも、今回はシェラが書いててほんとーに可愛くって
自分でも書いてて「こんなに健気でどーするんだろう、この娘」とか思いました♪(^^)
まさかこんなにくだらない話がこんなに長くなると思ってなかったので(汗)、他に書こうと思ってた記事が全部後回しになってますww
そんでカルシェラに萌えるあまり、「何書こうと思ってたんだっけな、自分☆」って感じで、そのうち忘れそう(笑)
そういえば、先月の前半くらいに、毎日のよーにバスタバスタ、カルカル言って萌えの勢いで更新してたら、gooブログの管理画面で順位が表示されるようになってきました(^^)
いえ、べつにランキングとかに参加してるわけじゃないので、順位が表示されなくても気にしたことは一度もなかったんですけど……これってどうも、10,000位以内くらいに入ると、9,879位とか、そういうのが表示されるものらしく。。。
17,000,000以上もブログがある中で、大体このくらいアクセスがあると、七千何位になるとか、五千何位になるとか、そういうのが少しわかって面白いなって思いました♪(^^)
なんかもう最近、バスタのことかカル(&シェラ)のことしか書いてないので、このブログ自体、なんのためのブログだったんだか、だんだんわらなくなってきてたり(どこが天使の図書館なんだかって感じ・笑)
なんにしても、こんな文字ばっかのつまんないブログに遊びにきてくだる方には、本当に感謝です♪(^^)
それではまた~!!
カルシェラDE湯けむり妄想☆-その3-
――次に目を覚ました時、シェラは指先に冷たい感触を感じた。
そして、次に感じたのは、シーツの柔らかな感触と、そこから微かに漂うヒヤシンスの香り……それからシェラは、これは主君カル=スの寝所で、自分がきのう交換したはずのシーツの匂いだと気づく。
(そうだ。明日は、ユリの花の香りづけをしたシーツを交換する日……ということは、今日は水曜日、か?)
そこまで考えてから、シェラはハッとして体を起こした。今日ときのうと明日という日が、何かバラバラに認識されていて、頭の中でまとまらないせいだった。
けれど、次の瞬間、シェラの中でそんなことはどうでもいいことになってしまう。
「あ……」
自分の指先が何故冷たかったかに気づき、シェラは自分の手をカルの腕からすぐ離した。
彼女の主君カル=スはといえば、すーすーと安らかな寝息を立てていて、今暫くの間はよほどのことでもない限り、起きてきそうにない。
(わ、わたし……なんで裸!?それに、カル様も……!!)
――これまで、カルに夜伽話を聞かせているうちに、自分のほうが先に眠ってしまったということは、何度となくあった。けれど、その場合にもシェラはきちんと服を着ていたし、体に触れられた形跡があったこともない。それに、その場合には、主君カル=スのほうでも何がしかの衣服を身に着けているのが常だった。
シェラは頭の中が混乱するあまり、暫くの間体が硬直した。
そして、そうしているうちにも昨夜あったことが思いだされ――記憶の断片が甦ってくるごとに、シェラの顔はますます赤く火照っていった。
(き、きのう、わたし……お風呂場でカル様に……っ!!)
あれを果たして、体を弄ばれたと言っていいものなのかどうか、シェラにはわからない。
シェラにあるのはただ、ひどく恥かしいことをされたという感覚と、それでいて快感の伴う心地好さを経験したこと、それから主君カル=スの胸に寄りかかった時に、この人にすべてを任せれていれば大丈夫だと思ったという、そのことだけだった。
(あ……わたし、どうし……どうしようっ!!)
シェラの中では、カルがシャワーで背中や脇腹や足の泡を洗い流してくれたというところで、記憶が途切れている。それというのも、シャワーを太ももに当てられた時……。
(い、いやっ!!思い出しちゃダメっ!!だって、恥かしいものっ!!)
シェラがその時のことを思いだして、再び瞳に涙を滲ませていると、主君カル=スが「ん……」と微かに寝言のような言葉を口にした。
そこでシェラはハッとなり、今度は急いで服を探すということになる。
幸い、服のほうはきちんと折りたたまれて、ナイトテーブルの上に置いてあったけれど――シェラはその綿入りの衣服を着ているうちに、やはり複雑な気持ちになっていった。上衣と下のズボンの間に、サラシも隠すような形で置いてある……ということは、カルはすでに自分が女であると知ってしまったのだと、シェラはそう確信する。
(カル様は一体どういうつもりで、ここまでわたしをお運びになったのだろう?第一カル様は、女嫌いなはずなのに……)
といっても、シェラ自身、主君の口から直接そうと聞いたわけではなかった。
ただ、カルの身の回りの世話をする従者は、昔からみな男と決まっており、寝所に女のメイドが入ってくることは許されないという、不文律のようなものがあるのだ。
(だからこそわたしは、男の振りをしてきたというのに……では、一体いつからだ?いつカル様は、わたしのことを女だと気づいたのだろう?)
きのうの夜の記憶が甦り、シェラは自分自身の体をぎゅっと抱いた。そしてふと、まだ留め金を留め終えてない上衣の右上――鎖骨と胸の間あたりに、彼女は何かの印しがあることに気づく。
(まさか、これって……!!)
シェラはもう一度カルのほうを振り返ったが、彼女の主君は相も変わらず、すーすーと安らかな寝息を立てているばかりだった。
時計を見ると、まだ朝の五時だったが、シェラはもうこれ以上この場にいることは出来ないと判断する。何故といって、城の厨房ではすでに今日一日のメニューについて打ち合わせがなされ、さらにはカル様と自分を含めた十二魔戦将軍に出す朝食の仕度がはじまっているだろう……今日は平日だから当然、主君カル=スはいつもどおり八時には<奏上の儀>をはじめるに違いない。その前に、自分の主君の命じたとおりに衣服を整えておくということも――シェラの大切な仕事のひとつだった。
けれどシェラは、いつもどおりに仕事をこなそうとして、ベッドを下りた途端にうまく足が立たないことに気づいた。
(な、なんだ、これは……!?)
まるで腰が抜けてしまったように、シェラはその場にぺたりと座りこんだ。
確かにきのう、浴場で軽く足をひねってしまったことは確かだった。けれど、今足が一瞬、気が抜けたようになってうまく立たなかったのは――少し別の理由であることに彼女は思い至り、赤面した。
(いや、違う。カル様は断じてそんな方では……意識のない女に何かするようなお方ではない。第一、カル様は女嫌いなのだから……)
それからもう一度、体に力をこめて立ち上がろうとした時、鎖骨と胸の間にあるキスマークらしきものに目がいき、シェラは首を振った。
(絶対に違う!!カル様はそんな方ではない!!)
それと同時に、シェラの中では(――そんなことを言って、自分は一体どのくらい、この方の<本当の姿>を理解しているのだろうか?)との疑問もあった。
そして、もう一度ベッドで眠る主君の姿をシェラが振り返った時、カルはまるで、隣に誰かいることを知っているように、そちら側へ寝返りを打っていた。それから「シェラ……?」と一言つぶやくのを聞いた瞬間、まるで弾かれたように、シェラはその場から走って逃げだしていた。
(もしかして、もしかしてわたしはきのう……あの方のことを「誘った」のか!?よく考えてみたら、きのうのあれはそう誤解されても仕方のないことだったんじゃ……)
ジューダス城の廊下を自分の居室へ向かって走りながら、シェラの頭の中はなおも混乱の極地にあった。そんな今の彼女の救いとなることは、まだ朝が早く、誰も通廊を歩く者の影がなかったことだろうか。
シェラは通廊から見える見事な薔薇園に目をやるでもなく、とにかく一目散に駆けていった。まさか、突き当たりの廊下の角から、背の高い男と出会い頭にぶつかるとは、この時のシェラにはまったく予測もつかなかった。
「……あいたたた」
きのう、ケロヨンの桶を蹴っ飛ばした時ほどではないにしても、相手の胸にぶつかった反動で、シェラはしたたか床に打ちつけられた。
「大丈夫か、シェラ?」
イングヴェイはそう言って、シェラが立ち上がるのに手を貸そうとした。
だが、次の瞬間のシェラの反応というのは――まったく普段の彼女らしくもないものだった。
「結構だ!!男の手など借りずとも、自分の足で立てる!!」
そう一言怒鳴り、イングヴェイが差し伸べてくれた手を、パシッ!とシェラは突っぱねた。
そしてそうしてしまってから、イングヴェイが傷ついたというのではなく、驚いたような顔をするのを見て、シェラはハッとした。『男の手など借りずとも……』というのは、普通女が口にする言葉ではないか!
「どうした、シェラ。卿らしくもなく落ち着きを失っているように見えるが……カル様と何かあったのか?」
シェラはさらにド壺にはまりこむような感じで――カッと頭に血がのぼり、顔が赤くなるのを感じた。
「カル様と何かあるというのは、どういう意味だ!?まさか卿まで、この城の使用人どもの言う戯言に、耳を貸そうというわけではあるまいな!?」
「……………」
――一応イングヴェイは、ジューダス城に仕える使用人たちが、あからさまにそう口に出すことは控えていたにしても、主君カル=スに対し「あっちの趣味ではないか」と言い交わしているらしいのを知ってはいた。
だが、それと同時にカルには指導者としてのカリスマ性と高潔な精神が宿っているがために……そのことをそれほど本気で取り沙汰する者がないことも、よく理解していたのである。
「そうだな。シェラ、おまえがカル様のお気に入りの侍従のような存在で、この城へおまえが住みつくようになってからは、おまえのかわりになれる者はいないだろうことは、私もわかっている。だが、いつも側近くにいて、誠心誠意あの方にお仕えすればこそ……何か問題が起きることもあるだろうと、私が今言ったのはそういう意味だ」
シェラは一瞬黙りこむと、いつもの冷静さを取り戻し、次の瞬間には普段どおりの彼女に戻っていた。
「すまない、イングヴェイ。きのう軍議が長引いたことやら何やらで、少し疲れが溜まっているのかもしれない。それでつい、イライラして……カル様とは、なんともない。これからわたしは一度部屋へ戻り、自分の身支度をすませたら――あの方を起こしにいくつもりだ」
「そうか……」
イングヴェイはさらに何か言おうとしたが、いい言葉が何も見つからず、黙りこむことになった。するとシェラは、そんな彼のすぐ脇をすり抜けるようにして、廊下を歩いていってしまう。
(部屋へ戻ったら、鏡で首筋をよく見たほうがいい……などというのは、余計なことだろうな、やはり)
そう思い、イングヴェイは起きたばかりで、まだ櫛を入れていない髪を何度か手櫛で梳きとかした。本当は、薔薇園を少し散歩するために早起きしたというのに――どうやらこれは、先に主君の寝所へ行く必要がありそうだと、イングヴェイはそう判断したのである。
>>続く……。。。
通りすがりでコメントしてよいものか悩みに悩んだ末、意を決し、お邪魔させて貰いました。
(優柔不断でここ数日、アホみたいに足跡つけてて申し訳ないです)
数日前にふと思い立ち「カルシェラ」を検索したら、検索TOPにこちらが表示されてまして。
私も十数年前にこのカップリングで二次創作経験があるので、懐かしく思うと同時に、嬉しくなりました。
(創作意欲も、わきわきと……)
萌え語ると止まらなくなる質なので、なるべくROMを心がけますが…
これから、ちょくちょくお邪魔させて貰えたらと思ってます。
どうぞ宜しくお願いします。
追伸:
お話の続き、楽しみにしています!
あ、ちなみにうちのブログはアクセス解析つけてないので、そんなに詳しいことはわからなかったり(^^;)
前日の訪問者数と読まれた記事の総数くらいは出るんですけど、そんな程度です(笑)
鎖雷さんの小説、読みました!!(興奮☆)
ああ、ほんとに、ほんとに……シェラがカルのことを愛し許し救ってくれることを願ってやみません
とにかくひたすら、いつか原作でそんな日が来ることを願っています(涙)
自分でも、「え?今ごろカルシェラ??」とか「今さらバスタ??」とか思いつつ、十何年ぶりとかに読み返して、再び嵌まってしまったというかなんていうか(^^;)
鎖雷さんも同志なんですね!こちらこそよろしくお願いしますm(_ _)m
ではまた~!!