天使の図書館ブログ

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アバドからラトルへの道。

2013-01-19 | 音楽


 前にもどこかに書いたとおり、わたしがこのDVDを購入したのは、「アバドが3分くらい何かしゃべってくれてるかも――っ!!」という期待感によって、です(^^;)

 まあ、結局のところそれは見事裏切られる結果となったものの、ついで(?)だからDVD見た感想でも書いてみようかな、と思いましたorz

 映像の主旨はタイトルどおり、アバちゃんがベルリン・フィルの首席指揮者を辞任する表明をしたので、さて次は誰を首席指揮者にするか、するべきなのか、したらいいのか……と、ベルリン・フィルの楽団員たちが頭を悩ませた過程が描かれています。

 まず冒頭、楽団員の方のひとりが「アバドが辞任するだなんて、びっくりしただΣ(゜д゜lll)」みたいにおっしゃってるんですけど(ちなみにわたし、ベルリン・フィルのメンバーの方のことはまったくわかりません。なので、失礼があったら心からお詫び申し上げますm(_ _)m)、これってすんごくよく頷けますよね。

 なんていうか、ベルリン・フィルの首席指揮者ってようするに、地位としてはクラシック界の最高峰的位置付けなわけじゃないですか。

 なので、そこに登りつめることの出来た指揮者さんは、岩に齧りついてもそこから離れん象!!パオーン!!みたいになってても、まったくおかしくないわけですよね(^^;)

 だから楽団員の方も「えっ!?なのにその地位手放しちゃうの!?」的驚きがあったのかなあ、なんて。

 もちろん、冒頭で他の楽団員さんもおっしゃっていたとおり、アバちゃんは人間的にも素晴らしいし、そういう意味での「なんで辞めちゃうの!?」っていう部分も大きかったろうとは思います。

 んでも、同じく最初のほうに出てきた女性、「その前に大きな悲しみを乗り越えなくてはいけないわけですが」と言いながらも、なんかめっちゃ嬉しそうに見えて仕方ない感じ(苦笑)

 いえ、アバドと別れる悲しみよりも、新しい出会いのほうに興奮してる、みたいに言ってる言葉からは感じられて仕方ないんですよね(^^;)

 他にも、わりと若めの楽団員さんが「この時代の節目に遭遇できて興奮してる」みたいにおっしゃってた気がするんですけど……まあ、気持ちは確かにわかりますよね。

 サイモン・ラトル、ダニエル・バレンボイム、ロリン・マゼール、ベルナルト・ハイティンク、エサ=ペッカ・サロネン……といった華々しい指揮者たちの中から、楽団員たちの話し合い&投票で次代の自分たちの指揮者が決まるわけですから。

 そしてこれもわりと最初のほうで、ロリン・マゼールのインタビューが使われてたのに少し驚きました(^^;)

 何故といえば、前回のカラヤン後任選びでまさか(?)のアバドが選出されて、きっと自分が選出されるだろうと思ってたマゼールは、ショックのあまりその後9年ほどベルリン・フィルを振らなかったと聞いたので

 まあ、最後はダニエル・バレンボイムvsサイモン・ラトルといった感じで、この2名に絞られた決戦投票で最後にラトルが選出されるわけですけど……あんまりそこらへんの内幕については、それほど突っ込んだ描写はないかなって思います。

 たとえば、何票差でラトルが選出されたとか、このふたりに絞られる過程でどんな話し合いが重ねられたかといったことについては、差し障りのないところしか使われてないかな、なんて(※ある意味当たり前☆)

 ベルリン・フィルはようするに、色んなタイプの才能ある指揮者と広く関わっていたい楽団だと思うので、実際は結構「△△は□□してるところが××じゃん!!」、「いや、そんなことを言ったら、◇◇なんてもっと■■だぞ!!」、「ピーッはピーッなところがピピーッなんだよ!!」とか、選出の過程で絶対もっとエグい会話があったに違いない……とかつい想像してしまうのはわたしだけなんですかね?(笑)

 なんにしても、ビデオの中のアバドの位置付けは「すでに過去の人☆」みたいな感じだったと思います(^^;)

 このDVDの見どころのひとつとして、サロネンやバレンボイムなどがベルリン・フィルという楽団に対して分析していることや思いを語っている場面があると思うんですけど……特にバレンボイムのそこらへんの分析能力っていうのは卓越しているように感じました。

 楽団として、あまりに能力が卓越しているので秩序に欠けるような面があるとか、と同時にステージに上がった瞬間には力をひとつにさせることが出来るなど、的を得ていると感じる視聴者さんは多いんじゃないかなっていう気がしたり(^^;)

 そんでもってここからは、あくまでもわたし個人の独り言。。。

 いえ、アバド・ファンの中には、「アバドがベルリン・フィルの首席指揮者になったことって、いいことだったんだろーか?」みたいに感じてる方は、少なからずいらっしゃるような気がするんですよね(^^;)

 アバドを語るキィワードとして、「優等生すぎる」とか、「この頃のアバドが一番輝いていた」って、かなりのところあちこちで目にする言葉だと思います。

 実をいうとわたし、アバド×ベルリン・フィルの演奏CDってそんなに持ってないので、もっぱら聞いてるのは「この頃のアバドは本当に最高だった」と言われているものが多いのです(^^;)

 んでも、昔からしょっちゅう「この頃のアバドが……」というキィワードを目にするもので、「じゃあいつごろからアバドはダメ(?)になっていったのか」っていうのがすごく疑問だったんですよ。

 まあ、わたしが思うにどうもそれってベルリン・フィルに就任した在位期間のある時期を差すらしく――どうも情報を総合するに、ベルリン・フィルとアバドの呼吸って合っていないことがあった、軋轢みたいなものがあったんじゃないかと思われるんですよね(泣)

 アバドって、人間的にスーパー素晴らしいというか、わたしがもし男だったら、こんないい奴嫌味だからすぐ隣にいて欲しくないって感じるんじゃないかってくらいの、すごくいい人なんじゃないかと思います。

 でもそのアバドをもってしても難しかった問題って、一体どんなことだったんだろう……と思うのです。

 アバドって当然、指揮者としてとてもコミュニケーション能力の高い人だと思うし、どんな小さなことでも互いに納得するまで徹底的に話し合うっていうタイプの人でもあると思います。

 でもまあなんというか……純粋にただ音楽をする、ということの他に、アバドの在任期間のある時期にベルリン・フィル内部には問題があったと、その昔何かの本で読みました(※なので、それが本当に正しい情報なのかという裏付けまでは、わたしにはわかりません)。

 このDVDの原題は「Maestros in Democracy」なのですが、ようするにこのDemocracy、民主主義・民主化ということで、楽団内は揺れていた、内部に問題を抱えていた、ということがあったらしく。ベルリンの壁が崩壊したのが1989年で、アバドが首席指揮者に就任したのが1990年……今は珍しくない女性団員も、アバドの就任前くらいにようやく入団が許されるようになったって言いますよね。

 まあ、わたしがその情報を得た本の著者の方って、アバドの音楽的才能を認めつつも彼のことを批判するといったスタンスの人だったので、この情報もまた正しいかどうかわからないんですけど――アバドは楽団内のそういった手に負えない問題については背を向ける、逃げるといった姿勢だったそうです。。。

 いえ、ベルリン・フィルってどう見ても肉食系の楽団に見えるというのは、わたしだけなんでしょうか??(^^;)

 あのギラギラした熱気や向上心……あれをちらっと見ただけでも、この人たちがもし内部で揉めたら一体どんなことになるんだろうと、なんかちょっと怖い感じがしますよね

 アバドが胃を悪くしたのも、もしかしてそのせいだったのかしら……と、それ読んだ時にちらっと思ったほどだったんですけど、まあアバドってロッシーニばりの物凄い健啖家だとも聞いたので、食生活のせいなのか、それともストレスのせいなのか、なんにしても無事ガンを克服できて良かった!!とファンとしては思うのみでした。。。

 え~と、このあたりのことについてはわたしまったく詳しくないので、今も「本当はどうだったのかな☆」と思ってるっていうそういうことなんですけどね(^^;)

 まあ、ベルリン・フィルの首席指揮者になる前のアバドは最高に輝いており、その後輝かなくなったのち、また再び輝くようになったと思った矢先、今度は辞任を表明――といったように見える、というような意見をネットでお見かけしました。

 でもほんと、アバドってベルリン・フィルを振ってる時より、ヨーロッパ室内管弦楽団やEC(EU)ユース管弦楽団を振ってる時のほうがすごく楽しかったんじゃないかって気がする。この部分はかなりのところ確かっぽい(^^;)

 そしてベルリン・フィル辞任後は、自由な立場で自分の好きなことだけをするといった立場になった気がしますよね。

 わたしはアバちゃんが幸せに、いつもどおりニコニコしながら好きな音楽をしてくれてたら、一ファンとして十分満足なのですが、これからは指揮台に立ち続けた指揮者の最高齢を是非とも更新してほしいな、なんて思っています♪(^^)

 それではまた~!!





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