organic journal

生活が楽しくなるきもちのいい " organic life " を楽しもう *

桃と祖母と水蜜

2010-09-04 | 食べ物のこと
きれいな白い肌の本白桃を
岡山土産にいただいた。
昨年は清水白桃だったそうで
収穫の時期によって呼び方が変るので難しい。
といっても木が違うそうなので
やはり見た目もお味にも違いがあるようだ。
それにしても本白桃はきれい。
皮がす~っと剥けて、剥けたはずなのに
身も白く、薄い皮と同じ色をしている。
酔ってしまう程の高い香りで、甘く柔らかく
そして本白桃の特徴でもあるわずかな渋みがあり
口の中で甘さと溶け合う。
美味しいものをいただくとニッコニコになって
心まで笑ってしまうようだ。
食べものの力って、すごい。
そんなことを思ってニタニタしているうち、祖母を思い出した。
彼女は水蜜とよんでいた。
なんだか懐かしい忘れていたことばだ。
夏は白地に細かい藍模様の浴衣をきちんと身につけ
朝早くから拭き掃除をしていた祖母。
年寄りの癖に硬くきつくきっちりと絞った雑巾で
階段の窓の桟を拭いていた。
私のキッチンタオルや雑巾の傷みが早いのは
いいのか悪いのか、このきつく絞ることが
習慣になっているおかげともいえる。
きれい好きなしっかりとした性格の人だった。
仕事の後にいただく水蜜の味は、きっと格別だったろうなぁ、
そんな時会話をしたんだったかなぁ、
それとも無言で頬張っていたのだったかなぁと
水蜜の好きの祖母を思い出し、少し胸が熱くなってしまった。





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