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ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

56.人を見る目

2016-09-24 00:12:26 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 キャリアコンサルタントとして、職業訓練の講師を担当している。訓練の中でも、雇用保険を受給しながら受講して早期再就職を目的とするコースを主に担当している。訓練内容は、OAスキル、事務系、特定業界や資格を目指すものがある。私の担当は、専門知識や技能の講義ではなく、就職支援、キャリア支援、コミュニケーション等に関するものである。

 受講生は、老若男女、キャリアも様々だが、最近、受講生を見ているとその人が大体どんな働き方をしてきたか想像できるようになった。そのイメージは多くの場合、実際と大きく違わないと思えるようになってきた。

 例えば、就職支援等の講義の日に限ってよく休む受講生がいる。確かに、急な所用や体調不良などの理由で一定日数欠席することは認められるが、それを逆手にとって自分が興味がない、不要と思う講義を欠席していると思われることがある。そんなことが何度も続くと、偶然とは考えにくい。職業訓練を受講する立場でありながら、自分に都合の良い勝手な判断をすると思われても仕方ない。再就職をなめているのかプライドがあるのか知らないが、採用担当者目線で見ても使いにくいタイプなのだ。仕事は楽なことだけをさせてもらうわけではない。それなりの年齢でキャリアもある受講生にもそういうタイプがたまにいる。

 一方で、訓練を自分の転機ととらえて、素直に、不器用でも懸命に、新しいことでも何でも吸収して将来に生かそうとする受講生も多い。企業が欲しい人材は、圧倒的に後者だ。そのことに気づかないから、前者はこれまでと同じように再就職が難航し転職を繰り返す。家族の支援などの逃げ場があるせいか、定着しない。受講の動機は何であれ、せっかくの機会を自らのキャリアに少しでも生かせば良いのにと思う。講師もプロ意識を持って、受講生の何か役に立とうと懸命にやっている。講師は人を見るのも仕事だ。

 
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53.仕事のネットワーク

2016-09-11 23:51:04 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 ファイナンシャル・プランナー(FP)やキャリアコンサルタント(CC)の仕事でも、仕事を進めて行くためのネットワークは重要だ。ネットワークといっても様々な形態やレベルがあるが、私の仕事に必要なのは、単に情報収集や一時的な事業のためだけでなく、連携や協働というレベルのネットワークだ。例えば、FPとしては、相続問題なら弁護士、司法書士などの専門家、CCならハローワーク等の就職支援機関は勿論、臨床心理士などメンタルヘルスの専門家との連携が必要になる場合もある。また、様々な分野の専門家だけでなく、公的機関や同業者(FP、CC)の中でも得意分野や経験豊富な分野を持つ者と連携や協働を図る場合がある。

 連携や協働は、相手が仕事や顧客を持っていれば、こちらの都合に合わせて動けないことがあるのも当然だ。逆に、こちらが連携や協働を持ちかけられても、相手の要望に応じられないこともある。連携や協働は、常時必要なものとは限らないだけに、必要な時に活用、推進できるようにしておくには、日頃からのコミュニケーションや信頼関係を維持する努力が不可欠と思う。また、連携や協働のためのネットワークは、それ自体が目的ではなく、それらを手段として顧客の問題解決やサービスの質の向上に貢献することが目的だ。そう考えると、顧客や仕事に対する基本的な理念の共有も大切になってくる。

 異業種交流会等で集めた名刺の数はネットワークの質と関係ない。ネットワークの相手の役割や価値観は多様であっても、共有する理念がない連携や協働は長続きしない。一緒に仕事がしたいとアプローチしておきながら、約束事を自分の都合でキャンセルしたり、こちらと他者を天秤にかけるような自己中心的な相手は信用しない。

 ネットワークの構築や維持には、仕事の質だけでなく、理念の共有や信頼関係の維持ができる相手かどうか見極める目や胆力も大切と感じている。
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52.店長さんの息子は不惑で就活中

2016-09-05 23:24:58 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 平日午前の喫茶店。モーニングの客が一段落した頃、店長はサイフォンでコーヒーを淹れながら、カウンターの婦人に話し始めた。婦人は、久しぶりに訪れたなじみの客らしい。

「うちの子、今、仕事探してるのよ。失業保険もらいながらハローワーク行って。」
「あら、どうしたの?いい所にお勤めだったんじゃ?」
「そうなのよ。最初の頃は、営業の成績も良くて給料もボーナスも良かったらしいんだけど、会社の景気が悪くなってきたらボーナスも減ってきたんだって。そんなんだから、がんばっても給料も上がらなくなってきて、それを上司に言ったら、何かの研修ばかり受けさせられるようになったらしいの。プライドの高い子だから、それが我慢できなくなってパッとやめたみたいなのよ。」
「そう、それは心配ねえ。止めなかったの。」
「私に言ってきた時は、『どうしようか』って相談じゃなくて『やめるから!』ってそれだけ。言い出したら聞かない子だから好きにしなさいって言ったんだけど・・・」
「そうなの・・・」
「四十過ぎて世間の厳しさを知ったんじゃないかしら。四十過ぎたらもうホントに仕事無いらしいわね。介護のアルバイトなら求人があるからって、とりあえずやってみるみたいだけど、どうするのかしらね・・・」
「介護も大変よねえ・・・。私もあと10年もして80も過ぎたら一人じゃ何もできないから誰かに面倒見てもらわないと・・・これから介護してくれる人が増えていかないとねえ。」
「・・・」

仕事柄、新聞読むふりをしながら聞き耳を立ててしまった。いくつになっても親は子を心配するものだが、息子が自分の道を見つけることを信じるしかない。息子は、余計なプライドは捨てて、この際キャリアチェンジするくらいの覚悟で新天地を探すこと。介護でも何でも、縁あって近づいた仕事を適職にする努力も大切。四十代、まだまだ人生これから。
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51.キャリアコンサルタントとしての私のキャリア

2016-09-04 10:39:28 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 人のキャリアを支援するキャリアコンサルタントにもキャリアはある。キャリアコンサルタントは、キャリアが豊富でキャリア形成が順調な人々かというと、必ずしもそうではない。私自身も、人生まだ道半ばだし、それほど人生経験豊富とも思っていない。仕事柄、「先生」などと呼ばれることも多いが、内心忸怩たる思いがすることもある。だからといって、卑屈になってはいないし、むしろ経験値では他のキャリアコンサルタントにも引けを取らないという自負もある。

 現在、キャリアコンサルタントとしての仕事は大きく分けて二つある。一つはセミナー・研修講師の仕事。もう一つは個別相談だ。どちらもいろいろな内容の依頼を受けるが、大事にしているのは比較的に報酬が低くても継続する仕事だ。セミナーならば同じ内容で毎月開催されるもの。研修ならば連続して一つのテーマに取り組むもの。個別面談は、同じ支援対象者と数回から十数回あるいはそれ以上向き合うもの。これらの仕事は、手間もかかるし苦労もあるが、逃げずに向き合い取り組むことで、試行錯誤しながらも着実に地力がついてきて、自らの成長につながっていると実感している。

 昔、キャリアコンサルタント資格を取ったばかりの頃、単発の報酬の低い仕事ばかりやっていると資格者全体の価値が下がるかのようなアドバイスをしたベテランがいた。いろんな考え方はあるだろうが、独りよがりで世間知らずなアドバイスだと思った。資格自体の認知度がまだ低く資格者の実務レベルも高まっていない中で、報酬の良いきれいな仕事ばかりやろうとしても、地方では続くはずがないと思ったのだ。私は、腰を低く頭を低くして、泥臭く相手の役に立つことを地道に続けて行くことが大切だと考えた。

 この約6年、そうやってキャリアを作ってきた。これからも、人の教えや助けを借り、道幅を広げ基礎を固めながらも、初心は守って行きたい。
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50.ファイナンシャル・プランニングにおける心理学

2016-08-30 22:50:39 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 ファイナンシャル・プランニングにおいて心理学が役立つことがある。ファイナンシャル・プランニングとは、一言で言うとお客様のライフプラン(生活設計)を作ること。そのためには、本来お客様の現状は勿論のこと、将来に対する希望や想いを聴くことが必要だ。
 
 しかし、お客様が最初からプライベートな現状や問題、将来に対する想いや本音を語ってはくれない。お客様自身が、頭の中でも心の中でも整理できていないこともある。だからこそ、お客様に接する際に心理学でいう「受容」と「共感」が大切になる。まず、お客様の思っていることや考えていること、不安な気持ちや迷いなども含めて、評価したり否定したりすることなく十分に聴く姿勢が、深い信頼関係を作るためにも肝心になる。

 よく顧客心理を読み取り営業に役立てるノウハウがビジネス雑誌等に特集されている。それらを活用することが無意味とは言わないが、その前にまず大事なことはお客様に誠実に向き合い話を聴くことだ。営業マンが自分の聞きたいことだけを聞き、都合の悪いことは聞き流し、売り手の立場中心で物を言ってもなかなか受け入れてもらえないのは当然だ。相手を受容していないのに自分を受け入れろなどと考えるのは都合が良すぎるし、そんな営業が精神論や小手先の心理学的ノウハウだけで続くわけがない。

 ファイナンシャル・プランナーは「家計のホームドクター」として、中立的な立場でお客様の側にいて、求められればお客様に寄り添いライフプランの実現に向けて伴走する存在であることが理想だ。現実は理想に遠いかもしれないし、お客様が求めることも多様な時代である。プランナーとしての仕事や役割もいろいろある。私としては、今後も地道に自分自身を認知してもらうために営業に努め、お客様に誠実に向き合って生の反応を「受容」し「共感」しながら、信用を積み重ねて行きたいと思う。

 
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49.理容師Hさん

2016-08-26 00:09:59 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 理容師Hさんとは30年以上の付き合いだ。私が若手社員の頃、たまたま行った近所の理容室にいた新米理容師がHさんだった。私についたHさんは、緊張した面持ちでぎこちない会話を交わしながら、一生懸命にカットしてくれた記憶がある。次にその店に行った時、理容師の指名を尋ねられ、前回と同じ人と指名して以来、Hさんが私の担当になった。2回目の時、Hさんが嬉しそうだったので、自分も何となく大人の対応をしたような気がして嬉しかったことを覚えている。

 その後、私が転勤で地元を離れてからも、年に2回くらい帰省した際にはHさんのいる店に行っていた。今から約20年前にHさんが独立してお店を借りて営業していた頃も、10年位前に今の自宅兼店舗を建ててからも、ずっとHさんにカットしてもらっている。約8年前に私が会社を辞めてからは、毎月Hさんの店に行っている。

 実はカットの仕方は、ほぼHさんにお任せで仕上がりの際に鏡を見せられても注文を付けたことはない。私が疲れている時は話しかけないし、会話したいときは適度に合わせてくれる。なじみゆえの居心地の良さがある。

 そんなHさんも最近、老眼、手荒れ、腱鞘炎などと闘っている様子だ。一方、研修会にも参加して、はさみの入れ方も時々微妙に変えているし、新しい店のレイアウトやサービスも取り入れようとしている。今回は、冷クールシャンプー&頭皮マッサージをしてもらい、思わず寝てしまうくらい気持ち良かった。

 Hさんは、これまで延べ何人のお客さんの頭をシャンプーし、カットし、はさみを何回動かしたのだろう。何十年も一筋に続けているキャリアはすごいことだ。これからも、髪の毛がある限りHさんにカットしてもらおうと思っているが、いつかHさんが引退した時、理容師一筋の人生をどう思っているか、そしてお客の一人としての私がどのように見えていたか聞いてみたいと思っている。

 
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48.キャリアコンサルティングにおける心理学

2016-08-20 17:01:55 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 前回のブログ(47)にも書いた相談業務の現場では、様々な問題や事情を抱えた方の話を聴くことがある。その中には、いわゆる「メンタルヘルスの問題」「心の病」「発達課題」を抱えていると思われる方も少なくない。例えば、人生の転機において様々な問題や困難に直面した際に、精神的に不安定になることは誰にでもあり得ることである。また、職場の人間関係や仕事の負荷による過重なストレスから、「うつ状態」になる場合もある。

 キャリアコンサルティングのベースにはカウンセリングの技法や理論があるが、カウンセリングについて習得する際にはメンタルヘルスや心理学についても一定の学習をする。実際の相談の現場においても、学習した知識や理論を思い出しながら対応を考えることがある。

 ただし、その際に間違えてはならないことがある。それは、自分はメンタルヘルスや心理学の「専門家」ではないし、相手を「治療」しようなどと思わないということだ。「治療」は医師の仕事である。自分にできることは、あくまで相手が抱える問題の「見立て」の段階やカウンセリングの可能な範囲で心理学の知識を参考にするということである。

 最近、“最先端の心理学”などと謳う各種心理学がある。勿論それらを学ぶメリットはあるだろうが、中途半端な知識や理論のレベルなら、相手の心を操ろうなどと試みないことだ。相手を支援するためとは言っても、人の心や行動はそんなに単純なものではないし、こちらの思うようにはなかなか動かないというのが、カウンセリングを積み重ねてきた実感だ。宗教家なら良いかもしれないが、実務家が責任を持てないことはやらないことだ。

 やはり、私は時間はかかっても「答えは相手の中にある」という来談者中心カウンセリングをベースにして、手に負えない時は相手のためにも早くリファーするという冷静な姿勢を守りたい。

 

 
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47.傾聴の心得

2016-08-18 00:00:58 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 ある行政機関の年輩職員が、上から目線で指示ばかりをするという批判があったので、上司が相手の話をよく聞くよう指導したら、来訪者の話を腕組みをして黙って聞くようになったという、笑い話のような実話を聞いた。
 
 各種相談に対応する窓口の専門職でも、相手の身になって話が聞ける職員は少ないということだろうか。多忙ゆえに時間的余裕がないということもあるだろうが、話を「聴く」ということは簡単なようで難しい。「聞いてるつもり」や「自分が聞きたいこと」だけを聞いてることはよくあるが、「聴く」は、「耳」と「目」と「心」を傾けて「相手の話したいこと」を聴くという意味。

 私は、「傾聴」を学んで約7年。特にこの3年間は、老若男女、様々なキャリアや問題や事情を抱える人の話を聴いて支援をしてきた。平均約50分の面談の現場を1,000回以上こなしてみて、ようやく「傾聴」の基本姿勢や柔らかくタフな心が身についてきたように思う。勿論、うまく行ったことばかりではなく、上っ面しか聞けていなかったこともあるし、なかなか話が深まらず中断したこともあった。相性の良くない相手や、強いストレスを感じる相手、感情を揺さぶられるような相手もいた。本人の話に脈絡がなかったり、矛盾があったり、コミュニケーションが成立しないケースもあった。

 なぜ、そこまでして話を聴く必要があるのか。それは、人を支えるということは、その人の価値観も人生も人格も尊重するということにつながるからだと思う。そういう基本姿勢がないと、支援者の単なる独りよがりになる。

 どんな相手どんな状況でも、まずは虚心坦懐に話を聴いて、その人にとって必要な事を共に考える姿勢を貫くことができると、相手の心や態度や行動にも少しずつ変化が見えてくる。そこに手応えとプロ意識が感じられるようになってきた。でも、うまく行ったと思うときこそ謙虚な振り返りが大切だ。
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43.運転手の仕事の基本

2016-08-10 23:50:04 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 先日、2回続けて県内の沿岸部と山間部に仕事で出張した。沿岸部の出張先に行く際は路線バスを利用し、山間部に行く際はJRローカル線を利用した。

 おそらく50代後半のバス運転手は、態度が荒かった。たまたまそんな運転手だったのだろうが、田舎町の海岸沿いのカーブの多い国道でスピードを落とさない。バス停に人がいなければ、アナウンスせず通過する。人がいれば、急ハンドル切って寄せて止まる。停車ボタンを押し忘れた老人男性が停留所前で降ろすよう求めると、怒る。怒られた老人が慌てて千円札を小銭専用の料金箱に入れてしまうと、苛立ちながらお釣りを渡して降り際に説教する。乗っていて、見ていて、ハラハラした。

 一方、30代半ばくらいのJRローカル線の運転手は、まじめさがにじみ出ていた。1両編成の車内では、高校生が口をあけて寝ていたり、スマホを見たり、外の景色をぼんやり眺めたり、20人程度の乗客のほとんどが一人の世界に入っている。そんな中でも、「出発よーし」「信号よーし」「前方よーし」などと、一つ一つ声を出して指差し確認している。そして、駅に着くと料金箱の蓋を開けて「ありがとうございました。」と声をかける。特別愛想がよいわけではないが、業務を丁寧に遂行している印象があった。

 公共交通機関の運転手は、乗客に「乗っていただいている」のか、乗客を「乗せてやっている」のか、「ただ運転が仕事」なのか、それぞれの本心があるだろう。最初は運転手の仕事に憧れや意欲をもって始めたとしても、毎日同じことの繰り返しで競合相手のいない世界での仕事が続くと、緊張感が緩むこともあるかもしれない。

 基本動作に忠実に、当たり前のことを当たり前に続けて行くことが、その仕事のプロに近づいてゆく道だと思う。運転手は、乗客を安全に時間通りに、できるだけ快適に運ぶことが責務。

 

 

 
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42.事業は継続が一番

2016-08-08 23:49:24 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 起業して8回目の夏だ。起業と言っても、人が相手のコンサルタントなので、大した準備も必要なく、自宅兼事務所だけ借りて始めた。当初は、人脈作りが必要と聞き、異業種交流会等にも積極的に参加した。起業家セミナーにも参加して、地元で成功している人の話を聞いたりした。

 そうしていろいろな人の話を聞いたり、情報を仕入れたりする中で、今も印象に残っている話がある。公的機関の起業支援相談員である中小企業診断士の方の話である。「事業を通じてお客様や社会に貢献しようと思うなら、どうしたら続けられるか考えること、長く継続させる努力や工夫や知恵が一番大事。そして、続けるのが困難な状況になったら、引き際を早めに決断すること」こんな主旨の話だった。

 どのような目標や方法で事業を継続発展させて行くかは、人それぞれの考え方ややり方があるだろう。時流に乗る人もいれば、派手な花火(成果、新規事業等)を打ち上げる人もいる。しかし、ある統計データによると、起業した人の8~9割は、数年以内に廃業または休眠状態になっているらしい。芸能人ではないが、一発屋のような起業人も少なくない。せっかく作った会社や団体がすぐに分裂したなんて話もよくある。

 そう考えると、8年間、何とか今の仕事を続けてこれたのは、あまり周りに気を取られずに巡ってきた仕事を一つ一つこなして実績を積み上げて来たこと、自分の立ち位置や方向性があまりぶれなかったこと、打算のない縁を大事にしたこと、人を見て人を立てて人に支えられたこと、そしてお金を大事にしたことなどが要因だったと思う。

 最近は、FPだけでなくキャリア支援関連の仕事の幅も広がり、質、量ともに県内ではかなりがんばっている方だと思う。これからも、“井の中の蛙”にならないよう気をつけながら、地道にしなやかにしたたかにやって行こうと思っている。
 

 
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