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ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

81.誰かがやらないといけない仕事

2018-01-02 17:28:53 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 その女性は、上司である現場監督や見学者の前で、いつものように作業を続けました。かける、こする、磨く、流す、拭く。使い慣れた道具で、手際よく黙々と作業を進めました。排水口やパイプの中まで手を突っ込み、布は拭く場所によって4種類使い分けます。仕上げは、ゴム手袋の汚れがつかないように素手です。約1時間の作業が終わると、その女性は少し息が上がったまま休憩しました。
 職場見学で、あるビル管理会社のトイレ清掃の現場を見学した男性の話です。徹底した仕事ぶりに、感銘を受けたとのこと。それから、現場の案内をしてくれた上司の話も印象に残ったそうです。「彼女は、誰も見ていないところでも手を抜かずに同じように仕事をするんですよ。」「このビルの人たちはきれいにトイレを使ってくれるから、彼女もきれいにしようとがんばっているんですよ。」
 見学した男性の感想です。「誰かがやらないといけない仕事をやっているというプロ意識や、トイレを使う人との間に目に見えない信頼関係のようなものがある感じがしたんです。」
 年末年始、休暇を取る人が多い一方で働いている人々もいます。身近な所では、警察、消防などの公務。医療、介護、電力、運輸、通信など社会のインフラに関わる仕事。また、ホテルなどのサービス、飲食、販売、娯楽等の業界もそうです。人が集まる場や動く所には、目に見える面だけでなくその裏方にも仕事があります。どんな人々が仕事をしているか想像したり、どんな場所で働いているか観察したりしてみると新たな発見があるかもしれません。
 「誰かがやらないといけない仕事を、誰も見ていないところで、誰かのためにやる。そんな働き方が自分に合っているかもしれません。今の自分にもできる事から始めてみようと思います。」職場見学は、転機にいる彼のキャリアにとって啓発的な経験になったようです。キャリアも人生も人それぞれです。
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80.キャリアコンサルティングの作法と型

2017-08-16 22:09:55 | 仕事 キャリア ライフキャリア
武道や芸道に作法や型があるように、キャリアコンサルティングにも「作法と型」がある。キャリアコンサルティングの作法とは「傾聴」の姿勢。キャリアコンサルティングの型とは「6つのステップ」。そう考えている。

 「傾聴」の姿勢の背景には、相手(相談者)を尊重するという倫理観がある。「6つのステップ」を基本とするのは、相談を通じた支援の質の維持や向上と、キャリアコンサルタント自身が結果やプロセスを振り返る時のものさしとするためと思う。個性や価値観、経験や能力、現状や目標の異なる多様な相談者に対応するのに、行き当たりばったりや自己流支援では続かない。

 歌舞伎役者の坂東玉三郎さんの言葉が思い浮かぶ。「型破りな演技は、型を知らずにはできない。型を知らずにやるのは、型なしというのだ」型なしは良くない。何か一つのことを展開してゆく時には、必ずその基本を叩き込んでから前に進むよう戒める言葉だそうだ。

 キャリアコンサルティングの現場では、時に壁にぶつかったり、袋小路に入り込むこともある。そんな時、つい局面を転換するために無理に相手を動かそうとしたり、その結果相手との信頼関係が揺らいだりすることがある。自己流に走り、作法を忘れてしまうからだろう。主役はあくまで相談者であり、相談者の自己決定や自立を支援することがキャリアコンサルタントの役割であると思い出せるかどうか。
 
 「作法と型」、それらに理論を加えて支援する。頭ではわかっていたつもりのことが現場で実感されることが増えてきた。これからも、キャリアコンサルタントの仕事の基本に忠実に、謙虚に、相談者第一で仕事したい。人の人生を支援する仕事は苦労も多い。奥が深い。「長いことお世話になりました。ありがとうございました。これから何とかがんばってみます。」こんな言葉を相談者からもらった時、心から喜びを感じる仕事である。

 

 

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79.履歴書の空白期間

2017-06-25 23:29:17 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 セミナー終了後に、40代半ばと思われる男性が、途方にくれた表情で質問に来た。「実は長い間仕事をしていなかった。ハローワークで仕事を紹介してもらおうとしたら、『履歴書の空白期間の説明がつかないと紹介しても採用は難しい。』と言われた。やっと働く気になったのにどうしたらいいか・・・」

 話を聴いてみると、空白期間は10年余り。前職を退職後、求職活動をしたが思うように行かず、体調不良も重なって働く意欲をなくしてしまい、仕事も何もしていなかったとの事。それ以上は聴かなかった。

 このような質問や相談は時々ある。空白期間がもっと長い場合もあるし、短い場合もある。空白期間となった事情も様々。どうやって生活していたかも人それぞれだ。

 ハローワークの担当者は忙しいから、一人ひとりの事情をくみ取る余裕はないのかもしれないが、説明ができないことを説明しろと言われても相談者は取りつく島がない。かと言って、「つらいでしょうが、あきらめずにがんばってください。」などと励ましただけでは解決にはならない。では、どうしたらいいか。確かに、現実は厳しい。長期離職者の方を積極的に採用する企業など、皆無に等しいだろう。

 このような相談者には、「大切なのは、変えようのない過去のことより現在、そしてこれからのこと」とよく話す。採用担当者は過去の事情より「今は仕事ができるのか、これからはしっかりやって行けるのか。」という事の方が知りたいと思う。そこがわかって初めて“採用候補者”になるのではないか。

 質問に来た男性は、私に言える事を率直に答えると、少し表情が明るくなった。それから伝えた。「今のやる気を明るく力強く伝える練習をしてみましょう。焦らずに一歩づつ前へ。まずはアルバイトなどで“リハビリ”しながら次を目指しませんか。急がば回れかも知れません。大丈夫ですよ。」

 男性は一歩を踏み出せただろうか。
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78.変わらない姿勢

2017-06-11 22:38:32 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 「はーい」と店主の明るく甲高い声が響く。カウンターとテーブル席20席程度の串焼店。「すみません、注文いいですか」と客の声がかかるやいなや「はーい」。カウンターで目の前の店主に注文しても、大きな声で「はーい」。テーブル席では、店主が返事をするとアルバイト店員が小走りに飛んで来る。串焼店なので、焼き物には少し時間がかかるが、飲み物は早い。たいていの飲み物は1分以内に出てくる。

 短髪で浅黒、作務衣を着た50代と思われる店主は、バイト店員には厳しいようだ。見た目からしておそらく皆学生だろう。注文取りが遅かったり、盛り付けなどでもたついていると、小声で厳しい指示が飛ぶ。時には叱責の声も聞こえる。怒るのではなく、短く叱っている。そんな時でも、客から注文の声がかかると即「はーい」と声が響く。

 店主は二代目らしいが、おそらく30年以上は串焼きを仕事としている。「はーい」と返事をするようになったのはいつ頃からか知らないが、いつも変わらない快活な接客姿勢だ。特別なことをしている訳ではないが、仕事に対する真剣さが伝わってきて安心できる。元気をもらえる。店主が率先して大きな声で返事をするから、バイト店員の動きもてきぱきしている。しかも、バイトが長続きして手際も良くなってくる。店主から仕事の厳しさを学んでいるのかもしれない。
 
 飲食店の接客姿勢は店によって様々だが、変化や質の低下に客は敏感だ。観光スポットなどで一元客を相手にするなら、マニュアルどおりの対応でよいかもしれないが、マニュアル対応は必ずしも均一で上質な接客とは限らない。

 客足が一段落した頃、カウンターの中で店主とバイト店員が談笑していることがある。そんな時、店主の鋭い眼光がやさしい眼になっている。ガラッと戸が開き、「はーい、いらっしゃいませー」と声が響く。「入れますか?」と客の声。即、バイト店員が席を案内する。
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77.礼で始めて礼で終える

2017-06-08 06:22:50 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 この数年、転職や再就職を目指す方向けの公共セミナー講師の仕事をいただいている。就職活動の心構え、応募書類のポイント、面接対策などを話す。他の講師と分担して、毎月3~6回程度県内各所の会場で、用意されたテキストを使って定型的な内容で行う。1回2時間。単純計算すると、既に100回近く行ったことになる。

 このセミナーや他の研修でも続けている事が、講師と受講者が最初に起立して礼で始め、最後は起立して礼で終えることだ。学校の授業や武道の試合のイメージだ。姿勢を正して「よろしくお願いします」と先言後礼し、「ありがとうございました」と分離礼して締める。マナー研修ではないので、セミナー仕様書で「礼」を励行するよう指示されている訳ではない。参加者が多かろうと少なかろうと行っている。

 講師として、同様のセミナーを繰り返しやっていると、段々と慣れてきて改善点や気持ちの余裕が生まれるメリットもあるが、逆に気持ちのゆるみが生じることもある。時には、体調がすぐれずおざなりな進め方をしてしまったと反省することもある。しかし、多くの受講者にとっては始めて参加するセミナーのはずである。何かを得ようと期待して来る人もいる。
 
 最初の「礼」は、講師と受講者が双方気合を入れ、距離感を縮める意味もある。最後の礼は、時間を共有した互いを敬い労をねぎらう意味もある。また、受講者の表情や声で、講師としての役割や責任を果たせたのかどうか感じることもできる。

 今後も講師としてのキャリアを積み重ねて行く中で、一つ一つの仕事に誠実に向き合う姿勢を守るためにも、パートナーから教えられた「礼」は大切にして続けて行きたい。昨年も挨拶の大切さについて同様のブログを書いたが、今も地道に続けている。今日もこれから、一期一会かもしれないセミナーに、講師として出かけてくる。

 

 

 
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76.目線を下げる?

2017-05-05 22:12:28 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 「目線を下げる」という表現に何となく違和感を感じることがある。例えば、「目線を下げて相手にわかりやすく説明した。」という話を聞く。話している本人には他意も悪意も無いのだろうが、そのような表現を聞いて違和感を感じていた理由が最近わかった。目線を下げる“相手”によるのだ。

 親子、教師と生徒、上司と部下、師弟関係など上下関係が明らかならば、いわゆる「上」の者が目線を下げることが必要な場合もあるだろう。しかし、何かの商売のお客様や対人援助の対象者に対して、こちらが「目線を下げる」ということは、こちらが基本的に「上」と言う意識が潜在的にあるのではないか。シビアな言い方をすれば、「目線を下げる」と言う表現を使うこと自体が「上から目線」の裏返しではないのか。そんなことを感じることがあった。「お客さんにはいろんな人がいるから、こちらが目線を下げてわかりやすく話をしないとついて来れなくなる・・・。」と耳にした。

 講師、コンサルティング、相談援助等を仕事にするからには、それなりの知識や情報は持っていて当然だ。相手が知らない事や気づいていない事を、知らせたり気づいてもらうことに意味がある。しかし、だからと言って相手との上下意識を持つことは、大げさかもしれないが危険と思う。つまり、気づかないうちに、相手が求めていない、相手の共感を得られない仕事をして自己満足に陥ることになりかねないと考えるからだ。そうなると、いずれお客様は離れ、仕事は空回りすることになってしまう。

 では、どうすればいいか。「目線を合わせる。」と言う意識で接することだろうか。大勢を相手にする場合は、最大公約数的な理解度や意識を探ることだろうか。そのためには、やはり相手の話を目と耳と心で聴き、虚心坦懐に向き合うことが前提になるのだろう。違和感を感じた相手は、自分の映し鏡なのかもしれない。自戒の意味もこめて、そう思う。
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75.串打ち3年 焼き一生

2017-04-08 22:31:35 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 近所のよく行く焼き鳥屋の店主を甘く見ていた。年の頃は、40歳くらい。短髪に中肉中背で、いつも胸に店名が入った黒のTシャツを着て、無愛想ではないが黙々と焼いている。目配りは行き届いていて客の注文も聞くしアルバイトに適切な指示もする。すいている時は常連客の話し相手もするが、大体は店に入る時と帰る時の挨拶か注文くらいしか直接言葉は交わさない。もともと焼き鳥屋で働いていて、独立して10年らしい。値段はそれほど高くないし、味もいい。好きな店である。

 「まじめにがんばっているから繁盛しているのだろうが、この先いつまで毎日飽きずに鳥を焼き続けるのだろう。」「焼き鳥なら1年も修業すればそれなりの仕事はできるだろうし、もっといろんな商売をすれば儲かるかもしれないのに。」などと、自分の仕事柄店主の将来やキャリアに対する余計な心配が頭に浮かんだこともある。

 「串打ち3年、焼き一生」。たまたまある人から、焼き鳥屋の苦労話を聞いた。鶏肉を切って焼くだけの単純に見える仕事だからこそ、実は難しさや奥深さがあると言う。炭火加減、焼き加減、塩加減など、ちょっと間違うと商品としての出来が大きく変わってしまうらしい。だから手だけでなく目も耳も鼻も使う。また、お客様に満足してもらうにはそれなりの接客態度も欠かせない。すし職人と同様、一生を賭けるくらいの覚悟と努力で「焼き鳥職人」を目指すべきとのことである。
 
 そんな話を聞いてから、店主に対する見方が変わった。店主にとって、お客さんに喜んでもらう事や儲けも大事なことだろうが、それよりも「職人技を究めたい」というこだわりの方が強いのではないか。「焼き鳥職人」になるという夢の途中で、日々真剣勝負をしているのではないかと。

 これもまた余計な想像かもしれないが、そんなことを想わせる魅力と味がその店にはある。

 
 
 

 

 

 

 

 
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74.相談業務で悩ましいこと

2017-04-07 23:45:51 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 「期待にこたえられなくてすみません。本当に申し訳ないです。」「いろいろ世話してもらって、やっと仕事決まって喜んでくれたのに。」「がんばろうと思ったのに続けられなくて、合わす顔が無くて情けないです。」

 数ヶ月ぶりに再就職相談に訪れたTさん(50代)は、苦渋に満ちた表情で頭を下げた。会社倒産により職を失い、長く求職活動を続けた上でやっとみつかった再就職先を辞めてしまったのである。職を失うまでは、長く技術系の仕事をしていた。再就職先は、畑違いの製造の現場だった。私は、まずTさんの仕事内容や退職理由、今の心境などを聴くことにした。

 退職理由は、仕事がなかなか覚えられず年下の上司に叱責されたこと。周囲に迷惑がかかっていると嫌味を言われたり、最後は突き放されたように感じたとのこと。そして、今の心境は冒頭に書いたようなものだった。

 傾聴の基本に立てば、Tさんの話は無条件の肯定的配慮と共感的理解を念頭に聴くことになる。そこは、何とかした。しかし、「期待にこたえられなくてすみません」から始まった冒頭のくだりは、悪い気はしなかったが違和感も感じた。Tさんの再就職が嬉しくなかった訳ではないが、正直なところその後の仕事や人生はTさん次第と思っていたからだ。勿論、また何かの機会にTさんから相談や支援を求められたら応じる気持ちはあった。

 私の役割は、Tさんの転機や困難な状況において、再就職や仕事を通してTさんの自立を支える事と考えている。寄り添う姿勢を大切にするが、Tさんの人生に責任は持てない。人の人生まで抱えきれないのだ。

 仕事や人生に悩みや苦難はつきもの。だから、一時自分を見失ったとしても、これからも自分の人生は自分で何とかするしかないということに、Tさん気づいているのだろうか、気づいてくれるだろうか。次の仕事は私に頼らず極力自力で探して、自分の人生のために働いて欲しい。
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73.コンサルタントWさん

2017-04-06 00:20:16 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 会社を辞めて10年目に入った。個人事業を開業してからだと9年目になる。細々ながらここまで何とかやってこれた。勿論、失業保険は満額もらったし、生活のために貯金の取り崩しもした。友人、知人、家族等の支えもあったし迷惑もかけたと思う。サラリーマンの方が、経済的に安定している点では良かったと思うことはあるが、戻りたいと思うことはない。サラリーマンの時代にも、個人事業を始めてからも、良い事悪い事様々な思い出はあるが、後悔はあまり無い。くよくよ考えることもあるが、根は楽観的なのかもしれない。

 こうして今自分が事業を継続していられるのは、コンサルタントWさんの影響が大きい。Wさんは、ある士業の資格を活かして主に経営コンサルタントをしている。年下だが、「脱サラ開業」の少し先輩だ。私が個人事業開業を開業した頃、いわゆる創業支援関連のセミナーや異業種交流会などにもよく顔を出した。起業のノウハウや都会から来た講師の成功体験談を聞かされることに辟易していた私にとって、Wさんの講話は印象深く共感できた。「起業して早々に花火を打ち上げるのもいいが、商売は継続してこそ意味がある。自分に合ったやり方を模索しながら、続けてゆくことが一番大事。」そんな話だった。

 Wさんとは時々、仕事場近くの商店街でばったり会う。お互いに挨拶して少し言葉を交わして、「じゃあ、また会いましょう。」と言って仕事場へ戻る。そんなWさんが昨年、将来新たな事業を始める準備として勉強会を立ち上げることにした。参加者はWさんが選んでいるとの事だったが、私にも声をかけてくれた。主旨に賛同した私は、参加を即答した。しかし、都合がつかづ欠席することも多い。それでも、Wさんは「いいですよ、お仕事優先で。来られるときに来てくれたらありがたいです。」と笑う。そして毎回連絡をくれる。そんな配慮がWさんの信用や事業継続のコツかもしれない。

 
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71.自分の言葉で自分を語る

2017-03-22 23:47:33 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 転職面接のロールプレイの採用担当者役を、セミナーや個別対応ですることがある。相手の応募職種や業界を聞いて、なるべくリアルなイメージで行うよう心がけている。勿論、実際の面接は企業によって、形式、雰囲気、評価ポイントなども異なるから、受けてみないとわからない。100%面接合格法などあり得ない。その気合は良いが、そんなテクニックもどきで合格するほど、企業は甘くない。とにかく頭数だけ必要な求人は別として、いわゆる採用選考のための面接で、1社か2社受けてたまたま受かっても確かに100%。仮に10社受けて10社とも合格すれば100%だが、現実の転職でなかなか受からずに10社受けることはあっても、受かりながら10社面接する応募者などいない。

 面接がうまい応募者は確かにいる。しかし、だからと言って採用されるとは限らない。採用する方は、概ね「募集職種や自社に合った人材か」「本当に自社でやる気があるのか」「他の社員ともチームワークやコミュニケーションがうまく行きそうか」といった視点を持って面接している。その上で、具体的な各社の評価ポイントをチェックしているし、第一印象の影響も大きい。

 では、応募者はどうすればよいか。定番の自己PR、応募動機、転職理由等の想定質問に対する自分なりの応答をシュミレーションすることは必要。ただ、それらを自分の言葉で自分らしく表現することがより大事なことと思う。誰もが言いそうなことではなく、自分で考え抜いた言葉で態度で表情で、本気で表現しようとすれば迫力が違ってくる。それこそが、まさに転機における人間力と思う。

 シビアな言い方かもしれないが、新卒大量採用する大企業と違い、中小企業が即戦力となりうる人材を中途採用しようとすれば、採用担当者も本気になる。なぜなら、うまい話に期待して、後で裏切られた苦い経験を持つ人事・採用担当者は少なくないからだ。
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