白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

六本木×4

2009-07-01 | 日常、思うこと
Case 1
某大手広告代理店の方


たまたまふたりで日本橋で飲んでいて、意気投合して
そのまま僕の行きつけのバーへお連れしたところ
お気に召したようで、そのまま六本木へ。
既に50代半ば、白金在住、よいお店を知っている。
大学時代は京大西部講堂でキング・クリムゾンやら
ツェッペリンやらパープルやら、ベースを弾いていた
筋金入りのロックファンのようで、
芋洗坂を上がったところのバウハウスというライブバーで
パープルを飛び入り演奏したところ、抱きしめられた。
感激されたようで、そのままラウンジへと流れて、
サイモン&ガーファンクル縛りのカラオケ、朝まで。





Case 2
ひとり、コンサートのあと


サントリーホールでのマーラー、交響曲第9番の演奏は
クレンペラーばりのテンポ設定、シェルヘン的などぎつい
アゴーギクの伸縮を備えていながら、至極淡彩な音。
オーケストラの限界か、指揮者の限界か、
精一杯の演奏ではあり決して悪い印象は持たなかったが、
バーンスタインやワルター、バルビローリと比べるのは
仕方のないこと。
それよりも、静寂のなか、消えていく音に向けて放たれる
ビニールがさごそ、咳ばらい、くしゃみ。
苛立ちと諦めを背に、ホテルオークラへ向かい、一献。





Case 3
fun-dub-mental


研修のため八王子にいる彼を呼び出して、創作和食の店へ。
当初予定していた店に、何やら不穏な噂を聞いて、
急遽当日に店を変えた。
「イチイ」という店、六本木交差点から西麻布方向に数分、
看板も出ていない。
7品の前菜、蛤の酒蒸し、カサゴの塩焼き、コウナゴめし、
ビール、黒龍、焼酎、どれもよい仕事、美味。
そのまま近くのシガーバー「コネスール」へと流れて、
トリニダッドを吹かしつつ、モヒート、モルトを楽しみ
牡蠣の燻製や空豆をアテにして、時間を煙にする。
そのまま本郷に向かい、眠る。





Case 4
旧知の同業他社のひと


銀座の郷土料理店にてコースを楽しんでいるうちに、
檜町公園に連れて行ってほしい、とせがまれる。
ジャニーズファンの彼女は、わざわざ名古屋から
東京までSMAPのコンサートを見に行くらしい。
彼女いわく、檜町公園ほど「熱い」場所はないらしい。
仕方がない、と諦めて、タクシーに乗せ、日比谷から
三宅坂、見附から赤坂サカスを抜け、直進する。
タクシーを降り、ミッドタウンを見上げるや否や、
彼女は現場検証をはじめた。
ここの芝生ですよねー、と語る彼女の顔の生き生きと
輝いていたことったら、ありゃしない。





こうして、週に4回六本木。





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ピナ・バウシュが亡くなった。
一度、この眼で見たかった。
突き放し、抱きしめ、突き放し、抱きしめ、
そんな映像を、大学時代、研究室で観たときから、
彼女は特別な存在だった。




MJの死はショービジネスのように今なお映るけれど
ピナの死は、そうはいかない。
まだ、あってはならなかった。





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