白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

no smoke,no piano,no bond

2008-05-08 | 日常、思うこと
この頃、身近だったひとたちの結婚の話が
本当に多くなってきた。
遠くでそれを伝え聞くのみだけれど、めでたいこと。
翻って、わが身を思う。





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ピアノの弾き方を忘れるほど忙しく
仕事に追われたままGWが終わっていった。
手が強張って動かないばかりか、指は鍵盤を上滑りする。
あまりに口惜しいものだから、連休の最後に気晴らし、
ふらり、名古屋駅付近に買い物に出た。





高島屋、名鉄と廻って気づいたことは、
昨今のユーロ高のあおりを受けて、紳士用品が
軒並み値を上げている、ということだった。
僕が愛用している、クロケット・ジョーンズの
オードリーという定番のストレートチップシューズは
8万円を大きく超えていたし、
これも僕の愛用しているグレンソンのロンドンという
ストレートチップシューズも、とうとう7万円の大台に
乗ってしまった。
ステファノ・マーノの鞄など、僕が購入したころからは
様変わり、ショーケースに入れられて10万円近い値が
付けられていた。





一般に同品質のものと比較すれば、百貨店ではスーツに
倍の値が付いていると言われている。
カッターシャツでも同じことが言え、百貨店で2万円で
売っている既製のものよりもはるかに良い品質で、
オーダーシャツを作ることができる。
そうした状況でも靴だけは、百貨店でもインターネットでも
同じ価格で売られているようなのだが、
グレンソンを7万円を超えるような価格で売られるように
なってしまっては、客としても購入意欲を削がれてしまう。





良いものは高い。
しかし、ものには適正な価格というものがある。
200円の良品と、10万円の塵屑がある。
このごろでは、その200円のものまでが値を上げている。
ハイオクガソリンはリッター当たり170円を超えた。





一度だけ、ボルボにレギュラーガソリンを入れたことがある。
無論、ボルボのエンジンはハイオク指定の設計なのだが、
いったいどれほどの違いがあるものか、と思い、試した。
結果は、加速力、駆動力ともに、情けなくなるほど低下して、
まったく伸びもない、貧弱な走りになってしまった。
のちにハイオクを満タンにして走り出たときの加速感は
まるで車が喜んでいるようで、思わず苦笑した。
しかし、これほどガソリンの値が上がってしまっては、
おいそれと気軽にドライブになど出かけることもできない。





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この一か月の繁忙の中で、喫煙の習慣を忘れてしまった。
思い返してみても、桜の咲く頃より前から、
タバコを買った記憶がない。





僕の喫煙歴は中学2年生の頃からだから、相当に長い。
最初に自分で買ったのはマールボロ、通称赤マルであって、
当時はまだタールが15mgの時代だったと思う。
次いで、製造中止になってしまったヤンキータバコの雄、
ジョーカーを吸っていた。
12mmの黒紙巻きという、やんちゃくれのタバコだった。





その後、セブンスター、峰といった辛口のものを経て、
大学に入る頃に再びマールボロに戻った。
チャコールフィルターが苦手だったため、マイルドセブンを
今でもほとんど吸ったことがない。
その後、キャメル、ラッキーストライクの併用期間が続き、
ピースアコースティックを経て、ピースミディアムに
落ち着いた。
ふくよかな香りと程よい重さが気に入った。
社会人となってからは、春夏にはクールマイルド、秋冬には
ピースライトと吸い分けるようになり、時には金ピースも
吸うようになった。





以降、基本的にはピース党で通してきた。
特別な時にはダビドフやモンテクリスト、コイーバなどの
葉巻をたしなみ、
昨年くらいから洒落で、ブラックストーンチェリーなども
吹かすようにもなっていた。





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それほどの遍歴がありながら、不思議なことに僕には
ニコチンの禁断症状というものが今までにたったの一度も
現れたことがない。
幼い頃、祖父のマイルドセブンと父のパートナーの副流煙に
巻かれて育ったからなのか、
たばこの煙に対する耐性も強いのは確かなのだが、
日頃14mgのピースミディアムを毎日20本吸っていて
その翌日から1週間、たったの1本も吸わずとも全く平気で
いることなど、しょっちゅうだった。
無論、肺の奥までしっかり煙を吸い込んでの話である。
そして、何かのきっかけで、何かに駆られるという感じもなく
また吸い始める、という状態が続いていた。





もっとも、昨年以来、喫煙量が随分少なくなっていたのは
確かで、20本入りの1箱が2週間以上経っても吸い切れず
湿気てしまって不味くなり、捨てる、ということが
多くなってはいた。
タバコがまずくなったわけでも、禁煙しようと思い立った
わけでもない。
喫煙というものは習慣だから、生活の変化とともに
変わる、あるいは変えてしまえるものでもあるようだ。





こうして自然と喫煙量が減っていき、とうとう1か月以上も
ただの1本も吸わなくなってしまっている。
新幹線に乗るときも、自然に禁煙車を選んでいる。
カフェに入っても、喫煙ブースには立ち入ることはない。
ステファノ・マーノのブリーフケースの外ポケットには
まだ15,6本ほど詰まった、ピースライトの箱が入っている。





このまま僕は喫煙をやめる(しなくなる)のだろうか。
それならば、いっそ毎夜のマッカランもやめてしまえれば
よいのだが、酒はなかなかそうはいかないようだ。





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IWCが発表した新しいポルトギーゼのデザインに魅了されて
欲しくなったのだが、140万円とのことで断念した。
ユリスナルダンの1940年代アンティークか、
IWCの1960年代アンティークあたりのシンプルなものか、
ジャガールクルトの1950年代アールデコデザインのものか、
レベルソクラシックあたりを購いたく思っている。





ステファノ・ベーメルの靴も欲しくなってきた。
エグベルト・ジスモンチの来日公演も観たいと思っている。
この頃は、ジスモンチの「alma」ばかり聴いている。
会いたいひとにも会いたいと思っている。
働くか。







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