不定愁訴

金曜、仕事中に視野狭窄と離脱症状に襲われる。
自分が自分でなく、精神と身体が分離して
意識が重荷を引きずるような、
それでいて、不可思議な軽やかさを覚える。
しかし、首をがくりと垂れ、なかなか持ち上げられぬ
状況が終業まで続く。
這々の体で帰宅し、焼酎を煽り、力尽きて眠る。
けれど、眠れない。





事務事業評価、法規改正、補正予算等の仕事が
一気に重なったのと、
季節の変わり目がもたらす心身の不安定、
さまざまのできごと、やりとりが重なって
疲れてしまったようだ。




なにより、集中して物事を行うと
途端に極度の疲労感、視野狭窄、眩暈、離脱感、
虚脱感に襲われ、心拍昂進し呼吸覚束なく、
極度の不安感に苛まれて
まるで別人のようになってしまう症状は
仕事のみならず、ピアノを弾いていても起こる。




どこにいることも許されぬという実感があって
たまらなくなる。
どこにも安らぐばしょはない。
どこにも、いることができないなら、どうする。




ただいっさいは過ぎていく、と
「人間失格」において太宰に書かしめた主人公は
２７歳を間近に控えていたことを思い出して、
今日、「斜陽」と「人間失格」を一気に再読した。




いたたまれず、掃除をし、
高校時代、大学時代の品々を整理して
ダンボール詰にして捨ててきた。
作家は２５，６歳のころをよく書くものだ。
それが実感としてわかる年齢になっている。




明日、２７歳となるらしい。
予定は何もない。
ただ、眠るか、ピアノを弾くか、読書するか、
物を書くか、いずれかだろう。




透き通るような青空の今日は
部屋に寝たきりの僕には関わりのないことだ。