京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 ふらり、曼殊院から詩仙堂へ

2012年09月19日 | こんなところ訪ねて
昨日の雨も上がっている。朝からどこかへ出てみたくなる気分だった。いつもとは逆コースで、曼殊院から詩仙堂への道を歩き、一乗寺下がり松を左手に見ながら白川通りへ出ようと思い立った。
ふらっと散策にというには今日も日差しは強く、日傘をさして歩いていても照りつけられてしっかり汗ばんでくる。おまけに登り坂とくる。
出発は叡山電鉄の修学院駅に近い白川通りから、【曼殊院→】に従って東に入る。

 
「修学院」、今は離宮があることで有名になっているが、平安中期には、京で修学する僧たちの精舎を「修学院」と呼んだらしい。当時、学問をするには、高等貴族の子息か、僧侶になって叡山に上がる以外ほとんど道はなく、学僧は重んじられ、憧れの的だったという。
やがて、お山の上の学問だけでは飽き足らなくなった燃える若い僧たちは、洛中洛外の碩学に教えを請おうと山を下りてきた。そうした彼らのための宿舎が必要になり、精舎を中心に「修学院“村”」となった…、とかだ。

そんな修学院離宮から南の方角に曼殊院はある。宅地化が進んだとはいえ田園風景が残り、晴れ晴れとした大きな風景、視界の展望は、25歳で初めてここを歩いた時以来変わらないものを感じる。よく訪れる理由の一つだと思う。

         
内側の拝観はめったにしないのだが、今日は拝観料600円を出して入ってみた。
小書院の入り口にある梟(ふくろう)の手水鉢。台石は亀、傍の石が鶴をかたどっている。廊下から手を伸ばしても届かないが、わざと軒にかからないように置いてあるのであって、鉢の水に月を映すためだというから、まこと風雅な趣向と驚き入る。


久しぶりの外歩き。小書院を吹き抜けるひんやりとした風に息を吹き返し、詩仙堂へ向かおうと腰を上げた…。
     

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2 コメント

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耳新しく・・・ (yattaro-)
2012-09-20 07:58:09
お彼岸に入ったとはいえ、外歩きは少し汗がにじむ中、またまた耳新しい京都散策のご案内。
ゾクゾクしてくるような、風雅な場所あちこちですね。
ちょっと出てみようか・・・で、こういった今までに確かに聞いたことのある歴史や由緒ある場所に行きあたる。
やっぱりなんとも素敵なところですね~京都・・・。
本格的な涼しさの訪れ、その足で歩かれた場所、観られた物、感じられたことなど、紙面散策を楽しみしています。
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ちょ行ってみよう~、と yattaro-さん (kei)
2012-09-20 17:20:04
最近は散歩すらしていない状態でした。
足の爪のせいではありません。こちらは歩いても全く問題なしなのです。昼から出てみました。

この木々がすっかり紅葉する頃、このあたりが一番美しい時季ではないでしょうか。
湿度は低い、からっとしているという天気予報で散策を思い立ちましたが、
日差しの強さはかなりのものでした。
視界が開ける場所に出ると気分も大きくなりますね~。
それでも「京都は空が大きい」と平野啓一郎氏が言われてました。建物の高さの規制があるからですが。

親鸞聖人が叡山から六角堂へと毎夜歩いた雲母坂もほど近いところに。
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