京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

大べら坊に暑さかな

2023年07月26日 | 日々の暮らしの中で
7月というに本日は〈大べら坊に暑さかな〉、38.9度を記録したという。
朝から梢をゆするかのように鳴きたてる、いや〈鳴きすだく〉蝉の声は、まったくもってすさまじい。

 

暑さで色素をなくしたわけではないけれど、枯葉色のバッタ。
早々に寿命を終えたものもいる。
如雨露で水遣りを始めると、ハゼランの密生した葉陰から土黒い、そら豆ほどの蛙が飛び出す。ここに住み着いているのだ、こやつは。

運勢欄に「誕生月の大吉日」とあった昨日が明けて、一つ歳を重ねた一日目が酷暑だった。

「一日不作一日不食」(一日作(な)さざれば一日食らわず)。
「その日の務めを果たさずに、腹を満たす食事を受けることはできない」。
これは中国の唐の時代の百丈禅師の言葉で、禅者の謙虚な自戒の心が説かれていると建仁寺の小堀泰巌官長が書かれた小さなコラムを、偶然だったが目にしたので読み返した。
ひたすら暑さを避けることに知恵を働かせ、それでいて精でもつけましょうとご馳走にあやかるはバチアタリかと心苦しくなるが…。

一日の務めを終えて、汗を流し、疲れを癒す。
「よし、今日はよくやった」。よく生きた!と
明日からは、納得できる日を一日でも多く積み重ねていかなくちゃ、と思うことにした。


      紅蜀葵真向き横向ききはやかに 鈴木花蓑

この暑さに大きな赤い花をつけるけれど、暑苦しさはない。
暑くてもすっきりと立っていられたら…。
意外と好きなモミジアオイに誓おうか。明日から、明日から…。

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2 コメント

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〈大べら坊に暑さかな〉 (Rei)
2023-07-28 06:23:47
べらぼう>この言葉はここから出ているのですか?
出かけて熱中症もこわい、家にいれば涼しいですが
秋口に歩けなくなるのではないかと不安です。
京都と名古屋は暑さの双璧、お元気にお過ごしください。
己の身を処すだけの日々です。
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「己の身を処すだけ」で Reiさん (kei)
2023-07-28 10:00:09
こんにちは。
見上げる高いビルもなく、市中よりましかとおもっていますが、
うんざりする連日の暑さです。

「七月の大べら坊に暑さかな」
『ひねくれ一茶』で知った一句です。
暦が違いますので、「七月」は地のほうに出してしまいました。
立秋も過ぎた江戸の暑さに引用されていました。

「己の身を処すだけ」
それで十分です。
こんな暑さの中では、一にも二にも自らの体を守ることが先立ちます。
くれぐれもお大事にお過ごしくださいませ。
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