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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

はじめの一歩

2023年06月10日 | こんなところ訪ねて
  梅雨晴れ間  無沙汰の寺社を回りけり

無沙汰も無沙汰、40年を優に越す時を経て東山七条、その東側に広がる智積院(ちしゃくいん)を訪れた。
真言宗智山派の総本山で全国に3000の末寺があるのだとか。


秀吉が亡くなった嫡男・鶴松を弔うために祥雲寺という寺を建てたのが始まりで、家康が豊臣家を滅ぼした後、寄進したのが現在の智積院。
本堂や客殿などに飾られていた障壁画は、何度も大火に見舞われて多くを焼失したという。



この日の目的は、幸運にも運び出されて保存された長谷川等伯、嫡男の久蔵(26歳で早世)、等伯一門の障壁画を宝物館で拝見することにあった。

地元紙連載の「文学の舞台を行く-50」で『等伯』(安部龍太郎)が取り上げられたのを読み、なにやら心惹かれ、こうしてさっと行動に移せたなんて、まことにしなやかな心の〇歳(と妙さんに褒めていただけそう -と自画自賛)。

(入館時のパンフレットより)
         
好奇心はあっても、あれこれと無理して間口を広げる力もなく、本当に狭い穴からのぞく自分の興味関心事から入っていく人間で、好き嫌い、いや、好みがはっきりしているタイプで…。ただまあ、抜けた先には何か新たなものが待つこともあって、枝葉が茂る。そうやって根から得る滋養を行き渡らせたい…。

とにかく書評や案内にとどまらず自分で読んで、心で考え、作品と対話してみることでしか始まらない。
歴史の授業で習っただけの「等伯」から「読んでごらんなさい」と促された『等伯』へ。何年たったかしら、まずはこれが私の一歩。
そのうち本を探して、そうそう本法寺さんで等伯像と出会ってくることも忘れないでおこう。
コメント (2)
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