京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「のりしろ」に

2019年03月17日 | 日々の暮らしの中で

縁先に集まった、それも不意の来訪者たち。70歳も半ばを過ぎた女性陣が、腰痛や筋肉の話を始めた。
私の周囲ではジム通いなどに無縁の人ばかりだが、顔を合わせれば病歴の披露と克服への努力話はいつも花盛り。
しかもそれぞれに、ご自慢の先生がおいでだ。何度も聞かされた話もあるが、「そうでしたね、そうでしたね」とまた聞かせてもらう。

「太ももの筋肉を落とさないために、自転車がいいんやて」
整形外科の先生がそう言ったのだという。確かに、坂道を上るとかなりの負荷がかかる。鍛えられそうだ。でもねー、自転車も年齢をそこそこ考えないと。急には止まれない、ではダメでしょう。娘が使っていた自転車を廃車に?してからこの何年、家に自転車がない私は、歩くしかない。やっぱり自転車買おうかあ??

ご近所の文子さんが通りかかり、自転車を止めて入ってきた。前かごに荷物が積まれ、お使い帰りらしい。
「お彼岸やなあ。ごくろうさんやなあ」竹箒が置いてあるのを見て言う。「ちょっときれいにしとこう思ってね」
お喋りが好きで、その流れを止めるのにはいつも失敗続きの私だが、何気なくかけてくれる一言に気持ちが通うものを感じる人だ。

砂利の上を掃く音は、なぜかいつも人を呼びよせる。


コメント (4)
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