京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「心澄みゆく…」

2016年04月19日 | 日々の暮らしの中で

命を狙われていつ死ぬかわからない。心配が尽きず「胸とどろくのみなり」だった伊達藩領地を無事に通過し、尾花沢へ。そして立石寺を巡る。
紅花に、少年時代を過ごした故郷・伊賀盆地でみた風景が蘇って心もうきうきと弾み、細い蝉の鳴き声が岩にしみ入るあたりの静けさに、「心澄みゆくのみおぼゆ」芭蕉。ここからの『おくのほそ道』後半は、生きのびた芭蕉の喜びが爆発していく…と。

自説にそって展開される光田和伸先生のお話には、系図や曽良の“旅日記”による里程表、地図等々多くの資料を添えて下さり、メモを取りながら聞き入った。とっても中味の濃い時間だった。芭蕉はきちんと古典の教育を受けている。―そう、やっぱり古典だ。古典は学ばなければ~。と、つい先日も友人との会話で「古典」の教養の大切さが話題となったのを思い出す。

帰りは京都御苑内を抜けて歩いた。目に優しい、心に優しい青葉の頃。夢中になった2時間の緊張がほぐれていく。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする