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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 南山城の古寺巡礼展

2014年04月26日 | 催しごと

4月22日から京都国立博物館で特別展覧会「南山城の古寺巡礼」が始まっています。(~6月15日)

南山城という地域は京都府の最南部です。奈良と京都に挟まれて大きな木津川という川が流れていますが、この流域を中心にした地域です。
大和を中心として考えて、奈良山の北面背部の地として意識されていたのが「山城(やましろ)」。この「山城」という国号は平安遷都と共に改称されたもので、もとは「山背(やましろ)」国であったと説明されています。ですから当時は、奈良を中心にして山の背の国だったのです。
740年から数年間、木津川(当時は泉川)のほとりに恭仁京が営まれましたが、完成をみることなく途中で造営は放棄され、その後は難波宮に遷都となります。

この地には多くの寺が散在しています。この企画では、高麗寺・笠置寺・浄瑠璃寺・岩船寺・禅定字・宝寿寺・現光寺・蟹満寺・神童寺・観音寺・金胎寺・酬恩寺…などからの出展でした。


写真の左上は、宝寿寺の十一面千手観音立像。会場には珍しい十一面観音坐像(現光寺)もお出ましでしたが、この地域、傑作の十一面観音が多く祀られているようです。
素晴らしい幾体もの観音像を前に、かなりの無遠慮をおかして間近に迫り、左から右から、斜めから時に後ろへと回ってのぞき込むようにして拝観してしまいました。
本来は下からの目線で…。が、床に座り込むわけにはいきません。やはり堂内でもう一度と思わされます。もっとも、仏様の目を見たりしたら目がつぶれると信じた昔の人たちの信心には、私がいくら観音像のお傍に近づいたところでかなうものではありません。

右上は、天に向かって弓を射る形の「天弓愛染明王坐像」(神童寺)です。愛染明王は、愛欲貪欲(煩悩)を浄菩提心に転ずるホトケとして女性の心の拠り所になったとか。これは、長浜市にある尊住院に近い川道神社にまつわる話を通して知ったことです。(「『びわ湖・長浜のホトケたち』)に収められていた話でした。煩悩など数えきれないほどあります…ような…。
下は海住山寺の四天王立像です。

昨日、一緒に良い時間を過ごした友が帰りがけに絵葉書きを買っていました。その時、私にも3枚、そっと持たせてくれたものです。

対面するや、瞬時に心をとらえられるような出会いというものもある気がします。大きな慈悲の心に包まれて、その懐にくぐり入ったかのようにさえ感じながら、ひと時でも気持ちを浄化し感動に浸る。感じるも感じないも、これまた縁…。

4月はしみじみ仏縁を感じさせていただく機会に恵まれました。自分自身を見つめ気付かされる。どう生きていくべきなのかを問われるのかもしれません。
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