ここのところの雨で汚れは洗い流され、しっかり水分を吸い上げた木々の葉が緑の奥深い濃さで輝きを放っている。雨風の様子を見に外に出てはなんとも言えない風情を感じていた。なんとも新鮮だ。
のんきな話に聞こえようが、ひと月前に和歌山県で目にした昨年の台風12号による被害の光景は頭から離れない。復興に向け重機が入っていた。屋根だけ残して巨岩に埋まってしまっていた家屋、1階部分がすべて流され骨組みだけの幼稚園。
過剰な雨は降らないでいあげてほしいとさえ思ってしまう。台風情報が気になって、午後からはラジオを聴いていた。
今年は早目の梅雨入りなのかと思ったら、昨年より一日遅いということだった。私の記憶も感覚もいいかげんだけれど、厳密に言うなら、昨年の事を記憶していたわけでもなく、誰かが来週あたりだと言っていたのが頭に残っていたからだけのことと思う。
いずれにしても、じめじめとした季節はやってきた。

「梅雨はフハイの季節だ。雨が降り、湿気がたちこめる、ものすべてがじとじとしてくる。カビが生え、ものが腐り、異臭が鼻をつく。だから梅雨どきになれば、感情もフハイする。…」つい先日、山折哲雄氏によるこんな書き出しの文章を目にした。最悪だ。
「蒸し暑いね~」が挨拶代わりに聞こえてくる。若い頃から、夏でもあまり汗をかかない。汗かきではない。体質なのだろう。「涼しい顔してるわえ~」なんて言われ、申し訳ないような気にさせられてきた。汗をかかないようにしているわけでもないのだからしかたがない。「私だって暑いんよ。ただあんまり汗を…」と、いちいち弁明しその場に合わせる。
こうしたタイプは、だいたい淡白な気質らしい。当たってるかな。邪魔にならない感じでよさそうだけれど、人生粘っこさが足らんということも言えそうだ。バリバリのやり手と淡白なイメージは重なりにくいのだから、成功しない部類だろうか。
ただ、草食系男性が増えているらしい現代ではあっても、梅雨時の環境の体感温度は下がらないし、暑苦しさも一向に解消されない。
見た目涼しく、夏に限れば結構良さそうよ~。
「涼しさは新らし畳伊予簾透綾縮(すきやちぢみ)色白の美女(たぼ)」とは、狂歌に窺える江戸っ子の感覚でした。
のんきな話に聞こえようが、ひと月前に和歌山県で目にした昨年の台風12号による被害の光景は頭から離れない。復興に向け重機が入っていた。屋根だけ残して巨岩に埋まってしまっていた家屋、1階部分がすべて流され骨組みだけの幼稚園。
過剰な雨は降らないでいあげてほしいとさえ思ってしまう。台風情報が気になって、午後からはラジオを聴いていた。
今年は早目の梅雨入りなのかと思ったら、昨年より一日遅いということだった。私の記憶も感覚もいいかげんだけれど、厳密に言うなら、昨年の事を記憶していたわけでもなく、誰かが来週あたりだと言っていたのが頭に残っていたからだけのことと思う。
いずれにしても、じめじめとした季節はやってきた。



「梅雨はフハイの季節だ。雨が降り、湿気がたちこめる、ものすべてがじとじとしてくる。カビが生え、ものが腐り、異臭が鼻をつく。だから梅雨どきになれば、感情もフハイする。…」つい先日、山折哲雄氏によるこんな書き出しの文章を目にした。最悪だ。
「蒸し暑いね~」が挨拶代わりに聞こえてくる。若い頃から、夏でもあまり汗をかかない。汗かきではない。体質なのだろう。「涼しい顔してるわえ~」なんて言われ、申し訳ないような気にさせられてきた。汗をかかないようにしているわけでもないのだからしかたがない。「私だって暑いんよ。ただあんまり汗を…」と、いちいち弁明しその場に合わせる。
こうしたタイプは、だいたい淡白な気質らしい。当たってるかな。邪魔にならない感じでよさそうだけれど、人生粘っこさが足らんということも言えそうだ。バリバリのやり手と淡白なイメージは重なりにくいのだから、成功しない部類だろうか。
ただ、草食系男性が増えているらしい現代ではあっても、梅雨時の環境の体感温度は下がらないし、暑苦しさも一向に解消されない。
見た目涼しく、夏に限れば結構良さそうよ~。
「涼しさは新らし畳伊予簾透綾縮(すきやちぢみ)色白の美女(たぼ)」とは、狂歌に窺える江戸っ子の感覚でした。