
朝から気温が上がっている。日曜とはいってもいつもと変わらない早起きだ。
こってり時間をかけて新聞を読んで、布団を干して掃除をしたり、なんてことのない片づけものなどしながら気ままに過ごしていた。
「いつも一緒にお使いに行っていたのに、今年はどこへも行きません」
年末の買い出しのことだと思う。よく母と二人でアメ横を覗くことがあった。古い母からの手紙にこんなことが書いてあった。嫁いで間もない年末、送ってくれた小包の中身についても触れてある。寒さに慣れていないのだから、肌着を重ねて寒くないようにせよとまで。
あ~~あ、なんかいろいろ話をしたいなあと、本当に久しぶりにそんなことも思った。
葉書きも手紙も、母よりも圧倒的に父からのものが多い。ほとんどが父からのものと言えそうだ。捨てられずに、クッキーの空き缶にしまってあるのだが、出てきたついでに開けてしまい、思わぬ時間をとられてしまった。けれど、これと言って何も用はない一日だから、のんびりしたものではあった。
橘曙に倣えば、「たのしみは… 大きなる饅頭を一つほゝばりしとき」
熊野速玉大社の門前で買って帰った「もうで餅」を冷凍庫から出して、頃あいを見て一つ頬張るおいしさ。
そうして、「熊野」の感想文を書きかけていた。これはこれで佳き一日に。