京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 期間限定

2012年04月03日 | 日々の暮らしの中で
花だよりが届き出す。春季特別拝観や秘仏開帳などの情報ももたらされる。
ぜひとも足を運んでみたいところがたくさんある。そのたびに鉄道の路線図を広げたり観光案内の本を取り出しては、場所を確かめ行き方を調べる。その周辺に関心が広がれば、どう回ろうものかとコースを描く始末だ。地図の上には様々な神社仏閣が浮かび上がり、道々には思い出の花も咲く。

一定期間に限って、普段は閉ざしたままの厨子の扉を開け、寺の秘仏の参拝を許す「開帳」。これが、春の季語であることは知らないでいた。

               開帳や大きな頬の観世音    阿波野青畝


大和高取出身の作者は、少年期から耳が遠かったらしい。ふくよかなお顔の「大きな頬」、壺坂寺の十一面千手観音菩薩坐像だろうか。
ここでは、通常非公開の秘仏・子島荒神像が、制作されて290年来初めて一般公開されるとある。

隠口の初瀬、牡丹の美しい時季に長谷寺も訪ねたい。浄瑠璃寺に吉祥天女立像はぜひお訪ねしなくては。そして今一度の法華寺と海竜王子か。美しい十一面観音と相対したいものだ。
飽きることなくページを繰り続ける「秘宝・秘仏特別開帳」のガイドの世界。「奈良は仏」、そう言われた不退寺の老僧の言葉が蘇る。
問題はいつ行けるかだ。決めたら即実行…、有るのみ…。

荒れ狂った春の嵐が嘘のように、静けさを取り戻した。
コメント (4)
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