ウツウツ記

毎日の生活で感じたことを書いています。

「ありふれた奇跡」

2009-03-21 09:56:08 | TV
冬に始まったドラマが続々と最終回を迎えた。
今回はたくさん見ていたが
やっぱり「ありふれた奇跡」の最終回はよかった。

自殺未遂の過去をもつ男女が自殺する中年男性を助けて、
それが縁で付き合い始める。
もちろん、すんなりとはいかないからドラマになるのだけれど
空間の多いドラマだった。
いや、主人公の二人以外はお喋りな外野がいて
結構わいわいがやがやしているのだけれど
二人になると、淡々と短いセンテンスのセリフが続いて
広い体育館の中で二人きりでいるような
そんな気持ちになるのだった。

「僕たちは無力じゃなかった」
最終回、子供を産めない彼女に捨て子が預けられ
(結局、母親は戻ってくるのだが)
なんでよりによって私に?誰の仕業?と言う彼女に
彼が言ったセリフ。
でも、一生懸命に子供の事を大切にしたじゃない、と。
決して無力なんかじゃなかったよ、と。
そうして、やっと二人で歩く決心を固める。

いいセリフだな、と思って涙が自然と出てきた。
以前精神科医に言われ、私にとっては永遠の課題、
「実らない努力もある」の延長線にある言葉かもしれない、と思った。
努力して頑張っている自分に何故、難題が起きるのか。
そう言った私に「あなたは人生を甘く見ている」と断言され
「実らない努力もある」と言われたのだ。
実らない努力なら、頑張ることを放棄するのか。
思う結果じゃなければ、それは無なのか。
いつも心にひっかかって生きている。
そんな私に「無力じゃなかった」はガツーンと響いた。
そう、思う結果じゃなくても
たとえ行動できなくても、心で一生懸命に思うことだけだって
それは無力、ではないよね。
そう、誰だって無力じゃない。

もう一つ。
彼の頑固な祖父を、彼が諌める場面があった。
戦争で孤児となり、辛酸をなめて生きてきた祖父は
他人にバリアをはって自分を守って生きていた。
それを、彼はもうそろそろバリアを破って生きろよ、
と諌めるのだ。
祖父と両親の姿がダブって見えた。
二人は孤児ではないが、決して恵まれた家族環境にはなかった。
それ故か、社会的には恵まれた地位までいっても
他人を信用してはいない。
未だにバリアをはって生きている。
それを誰も諌めない。
みんな意気地なしで意地悪だからだ。
反論されてイヤな目にあうくらいなら
すぅーっと自分の気配を消すほうが楽だからだ。
だから、彼は偉いなと思う。
他人を信用しないで、無用な心配の種を数えて増やして生きていかなくたって
もっと楽しく生きられるのだから。

心に残る、いいドラマだった。
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