ウツウツ記

毎日の生活で感じたことを書いています。

どこに住むのか。

2015-08-03 09:15:45 | Weblog
私は東京で生まれましたが、3歳で千葉に引越し。
その後は四国、東北、大学に入ってからは横浜に住んで東京に通っていました。
結婚してからは中国某県に住んでいます。
結婚してからはずっと某県住まいなので
結局、人生で一番多くの時間をここで過ごしています。
が、当然といえば当然ですが、ここに愛着はありません。
というか、多分、どこにもアイデンティティーがない。
故郷という感覚がわからないのです。
この風景が懐かしい、とか、この食べ物が何かを思い出すとか、
そういう感覚が全くないのです。

引越しをしていたのは子ども時代ですから
そう確かな記憶がある訳ではありません。
それでも、とにかく学校では転校生を興味津々見つめる目に負けないように
日々を過ごすのに必死でした。
わからない言葉や流行っている遊び自体も全然違う所にポンと放り出され
とにかく遅れをとったら敏感にいじめられる事だけはわかっていたから
毎日、勘を頼りに自分を守っていました。
勿論、そんな苦労を親に伝えたところで怒られるだけですから
(それは弱いからだ、と一蹴されるのがオチです)
周囲には「平気だよ~ここも楽しいよ~」と振舞っていました。
が、楽しいはずがありません。
とにかく必死で、友人は作りましたが土地への愛着は持てませんでした。

話はそれますが、両親は同じ街で育ちました。
学年は違いますが、学校やお店、街の風景を共有していました。
なので時折、その思い出話をしていました。
私はそれを聞きながら、私にはそんな話をできる相手はいないなと実感し、
そういう娘を前に延々と思い出話をする両親の無神経さに
静かに腹を立てていたのを覚えています。
何度も転校させられ、その度に表面は平穏無事に過ごしていましたが
私の心にはついぞ愛着が生まれることはなかったのです。

人生の折り返し地点も過ぎ、老後を真剣に考える歳になってきました。
最近、本当に悩んでいるのは
さて、これからをどこで過ごそうかということです。
夫はあと少しは、ここで仕事をするでしょう。
夫は東京育ちですが、就職後はずっとここで仕事をしています。
なので、人脈もほとんどはここにあります。
会社での退職後のサークル活動にも参加し始めています。
(夫は私と全く違って、こういう人付き合いを面倒くさいとは思わないタイプなのです。
 羨ましいし尊敬するところです)
自然災害も少ないし、持ち家だし、ずっとここで過ごしたいと言います。

当然だなと思います。
でも、私はイヤなのです。
私も人生の多くをここで過ごしているから、人脈のほとんどはここです。
大切な友人もいます。
でも、もしも夫に先立たれたら(歳が離れているからそれが現実的でしょう)
私一人、この地で過ごすのが生理的にイヤなのです。
多分、気質が合わない。
滞在ならば許せるけれど、ここに骨を埋めるのはイヤ。
ということは、今はきっと滞在気分なのでしょう。
夫と二人だから、気になっても見過ごすことができるのでしょう。
でも、一人になったら多分許せない。
では一体、どこならばいいのか。

さて、わからないのです。
私には懐かしい故郷はないのです。
子ども時代をずっと一緒に過ごしたという幼馴染みなんて存在もいません。
思い出の学校も先生もいません。
ここならばホッとする、という場所がわかりません。
ならば、どこへ行ったって同じじゃないか。
そうですよね。
どこへ行ったって、どこで住んだって、多分一人なんです。
ここじゃない、という気持ちは単にダダをこねてるだけなんでしょう。
どこかがある、と思ったって
どこかなんて、どこにあるのか。
果たして考えて、納得できる答えが見つかるのかどうか。
心との折り合いをつけるには、何が必要なんだろうか。
なかなかまとまりませんが、ここしばらくは考え続けたいと思ってます。
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2 コメント

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引っ越して半年 (りさこ)
2015-08-05 05:33:24
本当によく分かります。
同じ気持ちです。
私は住むところがわからない。
住むところがない。
今 そんな気持ちでここに住んでいます。

20年前にこの家を買って すぐに ここは私が住むところではないと
感じました。5年余りで離れて帰って来たくないと思ったのですが
主人が 絶対にこの家を手放さなくて 決心して帰ってきました。
が 今 気持ちがボロボロです。

どうするかな と この状況から逃げ出す算段をしています。
本当によく分かります。
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ありがとうございます。 (くんくん。)
2015-08-06 08:24:38
りさこさん、コメントありがとうございます。
りさこさんも大変そうですね。
お疲れのことでしょう。

ずっと先延ばししてきた課題を突きつけられた感じです。
夫婦二人して、考えないようにしてきたんだと思います。
勝手に相手も同じ気持ち、と思い込んでいたのでしょう。
考えても考えても、答えの端っこすら見えてこなくて、やっぱりまた先延ばししそうで怖いです。
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