雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

目指すは100時間露光?(「無理やりコンポジット」手順)

2014年01月10日 | 画像処理のはなし
この記事は、昨日の
の続きです。
今回は記事の最後に 無理やりコンポジット手順 も掲載しましたので、
興味のある方はご覧ください。

Act.2 撮影カメラが異なる
場合のコンポジット結果
画素数の多いCooled60Dの画像を縮小してから、コンポジットしています。

[サンプル1] いて座の散光星雲 
共通DATA: NFD300mmF2.8(手製絞りF4) ISO1600 LPS-P2FIL タカハシEM-200USD PHDGuiding
画像 DATA: 2012/06/15 5分×16枚加算平均 ビクセンコマコレクタ3 kissDX(SEO-SP2)
( 画像クリックで全体画像を表示 )
画像 DATA: 2013/5/18am 5分×6枚加算平均 バーダーMPCCⅢ Cooled60D
 
( 画像クリックで全体画像を表示 )

画像 A,B コンポジット (画像B 75%縮小)
( 画像クリックで全体画像を表示 )

*各掲載画像はコンポジット後、画像処理をおこなったものです。


[サンプル2] アンドロメダ大銀河 
共通DATA: ビクセンR200SS(口径200mmF4) ISO1600 LPS-P2FIL タカハシEM-200USD PHDGuiding
画像 DATA: 2012/10/14 5分×16枚加算平均(2枚モザイク) ビクセンコマコレクタ3 kissDX(SEO-SP2)
( 画像クリックで全体画像を表示 )
画像 DATA: 2013/09/09am 10分×16枚加算平均(2枚モザイク) バーダーMPCCⅢ Cooled60D
( 画像クリックで全体画像を表示 )

画像 A,B コンポジット (画像B 75%縮小)
( 画像クリックで全体画像を表示 )
モザイクする前の各画像をコンポジットしてから、モザイクしています。

*各掲載画像はコンポジット後、画像処理をおこなったものです。

コンポジットにより更に低ノイズのなめらか画像になっているのですが、
手間をかけた分の成果はあるのか?あなたの判定は。
(注) トリミング画像=等倍 全体画像=35%縮小

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理屈では1年かけて2時間露光を5回撮影。これを5年続ければ
総露光時間100時間を達成!
次回以降、撮影光学系もカメラも異なる画像を無理やりコンポジットしちゃいます。
初撮りさせてくれぇ~。

雲上くもがみ
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無理やりコンポジット 手順
*連続撮影した画像は、あらかじめコンポジットまで済ませておきます。
(以下の画像処理手順はステライメージ7の使用を想定しています。)

Step1 基準点のピクセル座標の記録
基準点となる星を2つ選択し、それぞれ座標位置(ピクセル値)を記録します。

基準点の選び方のポイント・・・通常のコンポジットの場合はできるだけ離れた対角にある星を指定しますが、
撮影した光学系が異なる場合は、歪曲収差の違いによるずれを少なくするため、
2つの基準点は中心から画像の幅の1/4ほど左右に離れたものを指定します。
基準点を対角いっぱいに指定してコンポジットすると、中央部でずれが最大になってしまいます。
推奨の基準点指定位置(例)

Step2 基準点の距離(ピクセル数)を計算
記録した2つの座標位置より、ピタゴラスの定理で2点間のピクセル数を計算します。
計算結果からバーダー社のコマコレクターを使用した方が、わずかですが焦点距離が長い事がわかります。

Step3 拡大率の大きい方の画像を縮小
今回の例では、画像Bの方をわずか縮小します。

Step4 縮小した画像の基準点を再設定
縮小すると、基準点がクリアされますので画像Bの基準点を再設定します。

Step5 コンポジットの実行
画像Aと縮小した画像Bを加算平均でコンポジットします。
コンポジット実行後の画像です。
位置ずれや回転ずれは、トリミングで対処するしかありません。

コンポジットが完了した画像は、このあと順次画像処理を行っていきます。

* 質問などありましたら、右サイドバーのメッセージ(非公開)にて問い合わせ願います。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (けむけむ)
2021-10-28 05:42:09
こんにちは
お恥ずかしい話なのですが...
レデューサを使って撮ったと思い込んでいた写真が、実はフラットナだった事件ってのを昨夜起こしちゃいました...
気が付いた時、山の中で思わず「うおを!?」と叫んでしました...
で、ググってみたところ大変参考になりそうな記事を発見して、嬉しさのあまりコメントさせていただいております。
寝て回復したら、こちらの記事を参考に試してみたいと思います。起きたら夢だった... なんて事ぢゃない事を祈りつつ寝たいと思います (^o^;
返信する
コメントありがとうございます (雲上(くもがみ))
2021-10-28 17:49:47
けむけむさん はじめまして。
過去にレデューサで撮った画像があって、今回追加露光をしたつもりが・・ ということでしょうか?

最近は意識して同じ光学系で撮っているので使う機会は無くなりましたが、
昔はVixenのR200SSとVC200Lで撮った画像をこの方法で重ね合わせて結構うまくいっていました。
先日同じ光学系で撮ってはずなのになぜか過去に撮った画像と微妙に拡大率が異なっていて 久々にこの方法で対処しました。
(原因はフィルターの挿入位置でもちがっていたのかな?)
この方法でうまく重なるといいですね。
返信する
Unknown (けむけむ)
2021-10-29 09:14:07
過去にレデューサを使って撮ってたので、今回もレデューサを使って...
で画像処理してみたら過去画像、間違ってレデユーサ使って無かったって、なんともトホホな話でした (^o^;
レデューサやフラットナは指差し確認するようにしたいと思いました...
返信する
さっそく”お気に入り”に (雲上(くもがみ))
2021-10-29 10:04:19
けむけむさんのブログを訪問させていただきました。(さっそく”お気に入り”に登録)
わたしは星雲や銀河の撮影はデジ一眼だけだったなのですが、
けむけむさんのブログ・YouTubeを拝見してColorCMOSカメラでの撮影にも興味がわきました。
もうポチッはやめたつもりですが、これがきっかけで・・ になるかも?
ますますのご活躍を期待しております。
返信する
Unknown (けむけむ)
2021-10-30 03:41:08
冷却CMOSは一眼レフではうまく撮影できないので導入しました。
カメラの小さな液晶ではどんなに拡大してもピント合わせが難しくて大量の脂汗を流してました。
あと、撮影時の姿勢。ニュートンを使うと、無茶な姿勢で覗き込むのを強要されて難儀してました。
一眼レフでもパソコンで操作できる機種なら解消するのでしょうが、一眼レフを買い替えるくらいなら冷却CMOS買っちゃえ!って事で (^o^;
結果、ダークの使い回しも出来て色々と楽になりました。
返信する
コスパを考えると・・ (雲上(くもがみ))
2021-10-30 10:04:40
私の場合 有線リモートで室内のPCで撮影しているのですが、ステラショット2がなくてはならないものになっています。
赤道座標による自動導入はむろんの事、導入補正ではカメラの回転角も表示してくれます。(回転角を合わすのはあくまで手作業ですが・・)
オートガイド機能も満足できるものです。
けむけむさんのコメントをきっかけに調べてみたところ、
現在ステラショット2ではASI CMOSカメラにも対応できるようになった事がわかって、突然”ポチッ”の欲望が・・・ というわけです。
でも庭撮りでも星雲・系外銀河が年に15夜程度しか撮影できないとすると、5年間使ったとして一夜につき約4千円の減価償却。(ASI 2600MCの場合)
自宅撮りなので遠征の交通費などは不要なのですが、やっぱり考えちゃいますよね。
とりあえず使わなくなった手持ちのサンニッパレンズやCooled60Dの再利用でも考えようかな。
返信する

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