雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

続・6日がかりでVC200L光軸調整(星像での検証も)

2018年12月21日 | 機材
前回記事 の続きになります。

VC200Lの光軸調整の手順としては
Ⅰ.接眼体の調整・・
Ⅱ.副鏡セルの調整
Ⅲ.主鏡セルの調整
になるようですが
あらためてVC200Lの光軸調整に関する記事を検索して見たところ、
Ⅰ.とⅡ.の調整はレーザーコリメータを使い、Ⅲ.はセンタリングアイピースで。
またはすべての工程をセンタリングアイピースで
最終調整は実際の星像でという人も。
わたしも早々センタリングアイピースは購入していたのですが・・
2014.4 VC200Lより前に購入していました 右はのぞいたイメージ
アイピースの小さな穴からのぞくのですが、目の位置が定まりません。
そのためにアイピース内に十字線が張ってあって、
その十字線を基準にして鏡筒内の状態を見るのですが、
ごく手前にある十字線と同時に目の焦点を合わす事は無理です。
結局 おおよその調整はできるものの、
最終的な調整は夜間に星像を見て・・ となるようです。

わたしは夜間屋外でそんなデリケートな作業をやるのはいやなので、
たまたま持っていた コンデジ(LUMIX DMC-LX1) を使って、
昼間室内で高精度の光軸調整をやろうと考えました。

VC200Lの構造です。

Ⅰ.接眼体の調整
接眼体が鏡筒中心を向くよう に調整するのですが、
基準点として前部の 副鏡セル支持部の穴 を使います。
また接眼体の向いている方向は バッフル内縁の中心 を使います。

LUMIXで撮った 調整をする前の状態です。↓
副鏡セルは外してあります
画像から 接眼体は穴の中心より左上に向いていることがわかります。
接眼体の向きを調整するネジは3ケ所。
それぞれ「押しネジ」「引きネジ」がペアになっています
調整方法は
押したネジの方向バッフルの中心が 移動します。

1回目の調整のメモを無くしたため、やり直した2回目の調整経過です。↓
( 1回目の調整でかなり合わせてあります )
どっちが基準かを数回勘違いしたため、逆方向に調整して回数が増えています
それと 間違えて外側のネジを調整する事が今回もあったので、
途中から、使わない側のネジはセロテープでふさぎました。
この調整のポイントとしては
レーザーコリメータの場合も同様 )
① 必ず調整記録(調整ネジおよび調整量)は残した方が良い。・・
② ネジの回転角は追い込み時 最小15°くらいまで。・・・・・
③ ペアネジは押すだけでなく、引くことによる調整も考える。

これ以降は、この接眼体の中心バッフル内縁)を基準に調整していきます。

Ⅱ.副鏡セルの調整
副鏡が接眼体中心を向くよう に傾きを調整するのですが、
基準点には 副鏡の中心として バッフル内縁の中心 を使います。
また副鏡から見た接眼体の中心は 副鏡に写りこんだ カメラレンズの中心 を使います。

LUMIXで撮った 副鏡セル調整をする前の状態です。↓
副鏡セルを取り付けてあります
画像の円内は副鏡に写った鏡筒の後部ですが、
円内外側の像は主鏡に写りこんだ鏡筒前部になります。
カメラレンズ中心をバッフル中心に合わせるのですが、
調整するネジは。
引きネジは中央に1本だけ、これがクセモノ !!
調整方法は
押したネジの逆方向カメラレンズの中心が 移動する。
ようなのですが ・・
まったく変化なし だったり、あらぬ方向に移動 したり

混迷の最初の調整経過
( 画像クリックで拡大できます )
結局ネジを回しても変化しなくなって、頭を冷やすため中断しました。
このトラブルの原因として考えられたのは
押しネジだけをかまった結果、中央の引きネジにストレスがかかり
固まったり、急にゴムワッシャーが反発したりしたのでは?
そこでとった対策が・・
① 押しネジを調整する前には引きネジを一度ゆるめ、
押しネジを調整後 再び締める。・・・・・・・・・・・・・
② 押しネジを押す前に反対側の押しネジをゆるめる。
これで再度調整を開始し、なんとかなりました。

レーザーコリメータ を使った場合のネジと移動方向の関係は未検証ですが、
調整個所とコリメータの位置が離れているので
調整内容の記録は必要だと思います。

・・・・・・・・( 2024/ 5/25 追記 ) 「副鏡セルの調整」がこじれる原因について・・・・・・・・
3回目のVC200Lの光軸調整を行ったところ、副鏡セルの調整がうまくいかない大きな理由に気づきました。
それは副鏡セル取り付け時に、3本の押しネジが出過ぎていると
引きネジに取り付くセルの”ゴム環”が浮いた状態となり、弾力が働かなくなって
押しネジ3本によるスムースな傾き調整ができなくなるため。
これを防ぐには
(手順1)副鏡セルを取り付ける前に3本の押しネジを手前に引き戻しておく。
(手順2)副鏡セルを引きネジで取り付ける際には少しづつ回して、ゴム環の弾力を感じたところで止める。
(手順3)次に押しネジ3本を少しづつ均等に締めていき、副鏡セルに当たった感触があった時点で押すのをやめる。

それ以降の押しネジの調整については、締(し)めるだけでなく、他方で弛(ゆる)めることも意識して
常に"ゴム環"が浮いてしまわないよう留意すること。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


Ⅲ.主鏡セルの調整
これまでのⅠ・Ⅱの調整は主鏡にはおかまいなしでした。
ここではじめて主鏡の光軸を調整することになります。
Ⅰ・Ⅱで合わせた光軸に、主鏡の光軸を合わせます。
接眼体・副鏡の光軸の基準点はバッフル内縁の中心 を使い、
主鏡の光軸の指標として 副鏡から見た主鏡に写ったスパイダーの中心を使います。

LUMIXで撮った 主鏡セル調整をする前の状態です。↓
バッフル中心にスパイダー中心を合わせるのですが、
調整するネジは。
それぞれ「押しネジ」「引きネジ」がペアになっています
調整方法は
押したネジの方向スパイダーの中心が 移動します。

この調整も何回かやり直しているのですが、光軸調整完了までの最終経過です。
( 画像クリックで拡大できます )
途中で副鏡セルの再調整を行ったため、主鏡セルも再調整しています
ネジ調整への反応は緩慢なので1回転させても大丈夫、スムーズに調整できました。
光軸調整を完了したLUMIX画像です。 ↓
画像を見る限りでは 完璧 なのですが、
実際に星像を見て調整の精度をチェックしない事には・・

今年はもう星が見れないだろうと思っていたのですが、
本日 薄雲の中なんとか撮影できました。
星像確認用に撮ったのは α And (アルフェラッツ) です
焦点外像 画像だったため画像差し替え 2018/12/24
焦点内像
焦点外像
シィーングが悪いようで星像が安定していませんが、
これ以上調整しようが無いような気がします。

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いくらずっと星が見えないからと言って、
ブログ記事一本にこんなに時間をかけていいのでしょうか?
それでも運良く滑り込みで星像の確認までできました。
短時間でしたが約50日ぶりの撮影になります

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2 コメント

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50日ぶりの撮影? (さすけ)
2018-12-23 10:34:08
50日ぶりの撮影って、そんなに曇ってましたっけ?。ドンダケ~・・ですね。
光軸調整、お疲れさまでした。ふるさと館のIさんも200L持ってるので情報を流しておきますね。いや、すでにみてるかな(^_^)。
さて、
https://goo.gl/9pVrju
にある今年の抱負、いかがだったでしょうか。
1年ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
返信する
せめて応募の練習だけでも (雲上(くもがみ))
2018-12-23 13:51:37
さすけさんのコメントにある
「今年の抱負」の一番目をこの間思い出しまして、
せめて今年のうちに応募の練習ぐらいはと、 写真を送りました。
ただ前に撮った秋物なので3月号じゃ無理ですね。
(入選できなかったとしても原因はそこじゃない?)

返信する

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