雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

わたしはこれで光軸調整を極めた(・・と思う)[VC200L編]

2016年04月14日 | 機材
本来は撤収時に落下させてしまったVC200L鏡筒 の修復が優先課題だったのですが、
新月期に晴れそうとの焦りから、ピンチヒッターのR200SS鏡筒の再調整を先に終えました。

そのあとでいよいよ VC200L鏡筒の修復作業に入りました。
手前が修復用に購入したVC200L用鏡筒パイプ (ロゴはこちらで貼りつけるようです)

新たな光軸調整のツールとしてコンパクトデジカメ LUMIX DMC-LX1 を使ったのですが、
事前に調べたところ画像の中心とレンズの光軸がズレている事がわかりました。
( 下の画像は写真プリントを徐々にズームアップして撮影したものを重ね合わせたもの )
画像の中心(対角線の交点)とレンズの光軸(ズーミングの中心)がズレている
更にズーム比によっても光軸が変化していくのがわかります。
そこで手持ちの古いソフト(Paint Shop Pro 7)を使って接眼部バッフルの内縁から中心を割り出す事にしました。

VC200L鏡筒を落下させる前と後の光軸の状態です。
バッフル内の像は副鏡に写っている主鏡の像で、主鏡から見た副鏡を含めた鏡筒の前部が写っています。
( あぁ ややこしい )
撮影時のLUMIXのズーム比でも写り方が変わるのですが、
写り込んだ鏡筒前部の枠を見ると タテ方向に光軸がズレたようです。

それではへこんだ鏡筒を購入した新品に入れ替えてどうなるのか・・

へこんだパイプから副鏡、主鏡部分を取り外しました ↑

新しい鏡筒パイプに付け替えて、元通りになったのか? ↑
現実はそんなに甘くありませんでした。
歪みの無い新品のパイプに交換した事により、むしろ落下による光軸のズレが明確になりました。

光軸調整 やるっきゃない!

以下は、2日がかりでVC200Lの光軸調整に挑んだ記録です。
わたしが参考にした記事は→  こちら

手順 1 接眼体の調整
まずは最初に基準となる鏡筒前部の副鏡支持金具の中央に、接眼体の中心を合わせます。

R200SSの時と同じように副鏡を外し、取りだそうとしたのですが・・大きすぎて出せません!

結局外した副鏡を取りだすために、いったん取り付け金物まで外す事に。
副鏡を取り付けているネジには、なぜかワッシャーが4枚も入っていました。(右は副鏡を外して再度取り付けた状態)

副鏡が取り付けてあった穴を基準に、接眼体の向きを調整していきます。
鏡筒背面の内側にあるネジが接眼体の調整用のものです。(丸頭が引きネジ、他方が押しネジ)
手戻りにならないポイントは、調整内容をメモしながらその都度写真を撮って変化を確認する事。
(記録したメモを見ると、押したネジの方向に接眼体の中心が移動していました)

接眼体の調整 前と、調整終了時 の記録です。
最初の移動方向の確認も含めて10回以上、調整を繰り返しています。

手順 2 副鏡の調整
取り外してあった副鏡を取り付けます。
鏡筒前部の副鏡のネジ(中央引きネジ、周り3本が押しネジ)を調整して、
接眼体の向いている中心に、写り込んだカメラレンズの中心を合わせます。

とてもデリケートな作業になるのですが、わたしは何を勘違いしたのか
気がついたら主鏡の調整をやっていて、事態をこじらせてしまいました。
それでもなんとか調整する事ができました。
ネジでどちらにどう動くかですが、調整メモに”引き戻し”なんて書いてあって 今となっては・・

手順 3 主鏡の調整
鏡筒背面の外側のネジを調整して、スパイダーの十字の中心を接眼体の中心に合わせます。
こちらは比較的動きは鈍感なので、引きネジを緩めすぎて外さないよう注意します。
調整メモを見ると押した方向にスパイダーが動くようですが・・

本来はこれで終わりなのですが、まだ追い込みが足りないように思えて
もう一度、副鏡・主鏡の調整を行っています。
最終的な調整結果です。

ここまでコンパクトデジカメ LUMIX DMC-LX1 だけで調整を行っていますが、
最後に参考にという事で・・
レーザーコリメーターを当ててみました。(ほとんど真ん中!)
ちなみに、LUIMIXを接続するために、下記のアダプターを使用しています。

あとは実際の撮影で検証するだけなのですが、恨めしい日本海側の天気でなかなか晴れてくれません。

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例によって、ブログにあるまじき記事のボリュームになってしまいましたが、
R200SSについても撮影結果が良好なら別途調整手順を掲載いたします。

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21 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2016-04-15 07:58:19
私の場合、ズームアップして撮影したものを重ねた時点でズレてるってことに気が付かないでしょう(笑)
調整バッチリのようで晴天が待ち遠しいですね。
確認だけなら新月期を待つまでもないのでしょう。
返信する
さすけさん? (雲上(くもがみ))
2016-04-15 09:21:37
名無しさん(さすけさん?) おはようございます。
調整自体はかなりデリケートな作業なので、
基準になる画像のズレを把握しておかないと、苦労が水の泡になります。
言われる通り、今夜は検証くらいはできそうですね。

返信する
Unknown (びっけパパ)
2016-04-15 14:19:04
名無しになってました。
びっけパパでございました。
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びっけパパさんでしたか。 (雲上(くもがみ))
2016-04-15 14:26:10
びっけパパさんでしたか、失礼しました。
今夜は晴れそうなのですが、上弦過ぎの月が沈むのが
2時近いので
調整後の検証を目的に撮ってみる予定です。
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雰囲気が好き (さすけ)
2016-04-15 16:48:18
本物のさすけです。
びっけパパさんはさすけの敵です(びっけパパさん阪神ファン、さすけ巨人ファン)(^_^)。
さすけ、将棋観戦が好きです。ですが将棋の事はなんにも知りません。だけどあの雰囲気が好きなんです。
雲上さんの記事、なんにもわかりませんが雰囲気が大好きです。内容がわかればさらに楽しいのですが・・・(;_;)。
こういうのがコメントでは張り合いがないでしょうが我慢して下さい。

返信する
VC200L復活、最初の画像は月 (雲上(くもがみ))
2016-04-15 19:06:02
ほんもののさすけさんだ。(笑)
「雰囲気が好き」なんて 最大の褒め言葉ありがとうござます。
わたしは野球の事はほとんどわからないので、TV観戦することもありません。(笑)
只今、VC200Lの設営をやっています。
どうやら復活した最初の画像は月になりそうです。
返信する
Unknown (のんた)
2016-04-17 08:27:54
わかりやすく調整の過程を乗せて頂き有り難うございました。いまだ怖くてVCの光軸調整は自分でやったことのないのんたです。
2年毎くらいにVIXENに送っていますが、輸送の過程で光軸がズレてしまっていないか心配です。
これを参考に勇気をもって調整してみようと思います。
返信する
まずは現状把握からですね (雲上(くもがみ))
2016-04-17 10:06:17
のんたさん こんにちは。
LUMIXが2インチアダプタにちょうど納まる事を知ってから
これまでも参考程度に使っていたのですが、今回は本格的にこれだけで調整をしてみました。
カメラ鏡胴部分が短めのため、差し込み方で多少の誤差が発生しますので、
念のため3回ほど撮影して平均で判断しています。
このあとに撮影した系外銀河で星像も見れますので
参考にしてください。(明日4/18あたりにブログアップ予定です)
返信する
Unknown (のんた)
2016-04-17 23:30:09
早速LUMIX DMC-LX1を中古で2700円で落札しました。楽しみです。
返信する
中古なら安いと思ってましたが・・ (雲上(くもがみ))
2016-04-18 00:35:52
のんたさん 中古なら安いと思っていたのですが、
2700円で買えるとはビックリポン(古い?)です。
撮影のポイントは
・絞り優先AEモード[A]で最大絞りF8に
・ピント範囲はAFでは無く、MFにして手同で合わせる
・シャッターブレを防ぐためセルフタイマー(2秒)で
・必要により露出補正をかける

実際の調整では、その都度PCに取り込んで確認する手間がかかりますが、
どのネジをどう調整したかをメモしながらやれば、手戻りが少なくて済みます。
ご健闘をお祈りします。
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