雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

Step1 必須のコンポジット 下/2

2013年06月20日 | 画像処理のはなし
この記事は天体写真の「画像処理」について、
私の場合の手順・方法を紹介させていただいています。
今回は連載3回目になります。
(これまでの記事は 左サイドバー カテゴリー 画像処理のはなし よりご覧ください。)

Step 1 必須のコンポジット(下/2)
使用ソフト ステライメージ7

今回はRAWモードで撮影した画像を使って、コンポジットまで行いますが、
以前購入したステライメージ(Ver6)の公式ガイドブックに載っていた
コンポジットの基本はトーナメント方式からかなり外れています。
2枚づつ規則正しく積み上げていくのでは無く、
『メモリの許す範囲で、一度に何枚もコンポジット』 しています。
その理由は・・・・・・・・・
(). コンポジット回数が少なくて済む・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(* 回数は減ってもS/Nの改善効果は同じはず)
(). 2枚ではホットピクセルや人口衛星痕などを消すための、・・・・・
”加算平均(σクリッピング)”が使えない
(* 2枚だけの比較では、どちらの画素が大きく外れているか判定できないため)
(). 撮影画像が無駄にならない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(例1) 撮影画像15枚の場合・・・・・・・・・・・・・・・
1round・・・5枚(σクリッピング) 3組
2round・・・3枚(加算平均) 
(* 第1roundでσクリッピング済のため、第2roundはクリッピングなしの加算平均)
(例2) 撮影画像13枚の場合・・・・・・・・・・・・・・・
1roundA・・・6枚(σクリッピング) 1組
1roundB・・・7枚(σクリッピング) 1組
2round・・・2枚(加算平均)
(* ガイドブックでは必ず同じ枚数の加算平均とあるが、6枚2組の方が良いとは思えない)
この多数枚コンポジットは、「ステライメージ7」で ”自動位置合わせ”機能が
加わった事から、ますます使いやすくなっています。


それでは、以上をふまえてもらって

手順にそってコンポジットまで実施します。
今年3月に撮影した「M106付近」のRAW画像15分露光15枚を、コンポジットまで実施してみます。
(上の画像はCanon Digital Photo Prpffesional での画像一覧)



1.撮影画像ファイルを開く(ダーク補正・フラット補正の実施)・・・・・・・・・・・・・・

).ステライメージを立ち上げ、「バッチ」メニュー/「共通ダーク/フラット補正」を選択します。

).ウィンドウが開いたら、「ダークファイル」のある場合は、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[ダーク補正]にチェックを入れ、[参照]より、ダークファイルを選択します。

).「フラットファイル」がある場合は、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[フラット補正]にチェックを入れ、[参照]より、フラットファイルを選択します。

).「ダークファイル」「フラットファイル」の指定が終わったら、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[ファイルから追加] をクリックし、コンポジットするファイルを選択します。
ここで多数枚コンポジットを行うのですが、あらかじめ枚数と組み合わせを決めておきます。
今回は15枚の画像を5枚づつ、3回に分けてコンポジットします。
%%%%%%%%%%% ここに、こだわってます %%%%%%%%%%%
◆ ファイルの選定は、数枚おきに・・・・・・・・・・・・・・
上図で連続してファイルを指定してしないのは、薄雲や薄明などの影響が
σクリッピングで除外されるようにするためです。
薄雲や薄明の影響は数コマに渡って続く事が想定できます。
%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%

).コンポジットするファイルが選択されたら、[OK]をクリックします。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「読み込み設定」ウィンドウが開くので ”ベイヤー配列” を選択して[OK]をクリック。

).選択されたファイルが順次表示されます。(この時点で既に「フラット補正」「ダーク補正」は済んでいます。)・・・


2.ホットピクセル/クールピクセルの除去・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

).ベイヤー配列で各画像を開いた状態で、「バッチ」メニュー/「ホット/クールピクセル除去」を選択します。

).ウインドウが開いたら、[ホットピクセル][クールピクセル]除去の”しきい値”を設定します。
しきい値”が小さいほど除去が強く行われます。
ガイドブックでは、細部の画素情報が除去されないよう、必要以上に小さくするな!とありますが、
1ピクセルの星像ででもない限りは、小さくした方が細かいノイズが除去されていいようです。
しきい値”0”でも大丈夫だと思うのですが、心配な方は
フィルタ」メニュー/「ホット/クールピクセル除去」の、”プレビュー”で確認してみてください。
わたしの場合は、最近はしきい値 10 で設定しています。

).”しきい値”を設定したら、[OK]をクリックします。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
開いている画像のホット/クールピクセル除去が順次おこなわれます。


3.ベイヤー配列からカラー画像への変換・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

).ベイヤー配列の画像を開いた状態で、「ベイヤー・RGB変換」アイコン をクリックします。
(または、「画像」メニュー/「ベイヤー・RGB変換」を選択します。)

).ウィンドウが開いたら、”カラー画像”、”自動”をチエックし、[設定]をクリックします。

).「色調整」ウィンドウが開いたら、「ホワイトバランス調整」で”手動”をチェックした後、
[自動調整値]をクリックします。(これだけで表示画像の色調がかなり整います)
設定したら[OK]で戻ります。(この後の画像処理でも、何度かRGBのバランス調整を行います。)

).戻ったら「OK」で、選択されていた画像に対して・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ベイヤー・RGB変換」が行われ、モノクロからカラーに変わります。
選択されていた画像のみ”カラー”に変わります。

).残りの画像に対しても、1枚ずつ「ベイヤー・RGB変換」を繰り返します。・・・・・・・・・・・・


4.コンポジットの実行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

).各画像(カラー化済み)を開いた状態で、「バッチ」メニュー/「コンポジット」を選択します。

).ウィンドが開いたら「位置合わせ」の「方法:」で”自動”を選択し、「位置合わせ実行」をクリックします。

).少し時間がかかりますが、数分後に位置合わせ計算が完了し、ずれ量が表示されます。

).「コンポジット」の「方法:」で”加算平均(σクリッピング)”を選択し、・・・・・・・・・・
「しきい値:」””に設定して「コンポジット実行」をクリックします。

).進行状況が表示されますので、完了したら[閉じる]で終了します。・・・・・・・・・・

).コンポジットされたファイルを、FITS形式で名前を付けて保存します。・・・・・・・・・・


以上でコンポジット1組目が完了しましたが、
2組目・3組目も同様に作成し、保存します。

完成した3枚の画像を開き、自動位置合わせでコンポジットします。
前回と違うのは、”σ1クリッピング”では無く、単純な”加算平均”でコンポジットするところです。
以上で、全画像コンポジット完了です。

次回は Step 2 「レベル調整」は適当でいい? の予定ですけど・・


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ブログにあるまじきボリューム!
一時は永遠に終わらないかと思った。
もう内容がどうとか、考える余裕もありません。


雲上くもがみ
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コメント (3)
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