くまぷーの海外ドラマblog

海外ドラマを脇役チェックなどしつつ
あれこれ見ています。

コールドケース4 第4話 「オルゴール」

2008年08月05日 | コールドケース
80年代にSIDS(乳幼児突然死症候群)と診断されたものについて検事局で再調査していたが、1982年のアイリスという乳児の死に不審なものが見られるということで、監察医のフラニーが未解決犯に再捜査を依頼してきた。
スティルマンは20年以上たって両親の生活を引っ掻き回すことになると難色を示すが、それでも再捜査が開始され、アイリスの死後一家離散状態になった家族にそれぞれ話を聞くことになる。
母モリーは、未熟児で生まれたアイリスの育児と仕事の両立に疲れ果て、父ロジャーは育児を分担していたものの、アイリスの世話に神経をすり減らすモリーとの間に隙間風が。
幼かった兄デヴォンは乳母のマルタが見せた「洗礼」の様子に怯えてトラウマを抱えるなど、家族とその周辺にさまざまな問題が渦巻いていたことが次第に明らかになるが・・・

一方、レイからの連絡を避けていたリリーだったが、レイは何者かに襲われて、怪我を負って入院していたのだった・・・

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リリー役のキャスリン・モリスが、WOWOWの特番のこのシーズンについて語っていたインタビューで、「おすすめエピソード」として挙げていたのがこの「オルゴール」(原題「Baby Blues」)。
モリーの、産後鬱状態で追い詰められて、極限状態で悲劇を引き起こしていしまう、というストーリーに共感した女性たちから「私もそうだった」という声が寄せられたことに感動した、というものだった。

またその女性の共感の反響以前に、リリーがモリーを告白に導く終盤のヤマのシーンで、リリーの押して引いて強弱を使い分けた尋問のうまさがすばらしく、あの場面だけでもなかなか印象深いエピだったと思う。
リリーは、自分が母親に苦しめられた幼少期を過ごしたせいか、子供を傷つける母親というのに原則的に厳しい。しかし、第1シーズン8話「蝶々」の時のように、母親自身も不条理な力によって被害者となっていた場合には、例外として優しさを見せる。
今回の尋問の時も、厳しく追い詰めつつも次第に彼女の心の痛みにシンクロして、リリー自身も傷ついたような表情をしながら真実を引き出していく様子に、モリーとリリーの二人分の心の痛みが伝わってくるような気持ちになった。

ラストで通常出てくる被害者のビジョンだが、今回はちょっとひねってあったと思う。
アイリスのお墓の前で事件当時に戻る一瞬・・・いつもならそこで被害者が出てくるところだが、今回はモリーとロジャーとデヴォンの三人しかいなかった。そして現在の姿に戻ったところで、現在版のモリーとロジャーとデヴォン、そしてデヴォンが抱くことができるようになった「アイリス」が。
一度壊れてしまった一家が、新たに生まれた「アイリス」によって新しい家族としての一歩を踏み出したのだろう。ただ悲しいことに、次の瞬間にはモリーは家族の肖像から退場させられてしまったけれども。
失われてしまった命は戻らないが、この家族はそれぞれに20年背負ってきたものを見つめなおすことで、もう一度家族として向き合って、痛みを分かち合う道を歩き始めたのだろう。
人はやり直せる、同じ道は歩けないが。・・・そんな意味を感じさせるラストだったと思う。

「子育てがこんなに大変だなんて教わらなかった」と言っていたモリーのひとことが、同じような「女性の生き方」を煽られた記憶に痛く響いた。
この間見たFOXの「ゴースト」の2話で、姑が新婚家庭に来訪して、チクチクとイヤミや探りを入れるのだが、お店を経営している嫁が料理が不得意なことを息子から引き出して「あ~らそうなの?」という場面があった。21世紀のアメリカでもまだ、女は料理のデキ不出来で評価されたりするもんなんだなと苦笑してしまった。ましてや82年のキャリアウーマンたちは、どんなに優しい夫が育児を分担していても、大変だったことだろう。
「ゴースト」のジムの母親は、今回のエピのモリーと同じような世代の女性だろうになぁ。悪い因果はさらに巡るのだな。
ただ今回のエピ、ロジャーの「昔に戻りたいだけなんだよぉ」という台詞には、結構むっときた。ロジャーもまた「二人目のいる家庭」と「恋人同士のような関係の妻」という、とても両立できないものを欲しがっていたわけだ。
あれでロジャーが非協力的な夫だったら、女性視聴者の怒りがロジャーに向かって炸裂したことだろう。

レイが襲われてしまって(ほんとに?なんかアヤシイ気も)怪我をしたことで、リリーの母性本能がまたがっつんがっつんくすぐられてしまうではないか。
あああジョセフかわいそうに。リリー、悪いことは言わない、ジョセフにしときなさいって。でも、レイの方が魅力があるんだろうな、ダメ男だから・・・
母と妹に色濃く流れるだめんずの血が、やはりリリーにも。DNA嘘つかない、だな。

【 脇俳優チェック 】

◆モリーの夫ロジャー82年版 .... Brian Bloom
デイタイムソープ「As The World Turns」でブレイク、85年にエミー賞のデイタイムアワードの最優秀若手男優賞を受賞。
「CSI:NY2」16話「獲物」では、不審死が相次いで「呪われたマンション」と言われているマンションの住民で医師のクレイグ・ジマー役で登場。薬物依存の状態で治療を行って、再三医療事故を起こしているというイワクつきの人物。
「メルローズプレイス」第3シーズン9~12話ではアリソンを堕落させるギョーカイ男ザック役。「OZ」では第4シーズン10~11話に囚人ロニー役で登場。
「CSI:マイアミ3」7話「津波大パニック 無法地帯」では、津波騒動に乗じた周到な計画で強盗に入られた、銀行の支配人スコット・ライリー役を演じていた。
「CSI:4」1話「終末の淵まで」では、オープニングでスワッピングを持ち掛けられて部屋に向かう片方のカップル=リフキン夫妻の夫の役で登場している。このエピでは冒頭出てきているのはリフキン夫妻だが、直後遺体で発見されるのは別のドミンゲス夫妻。リフキン夫妻は犯人カップルにスワッピングを誘われるが、途中で夫婦喧嘩して追い出されてしまったため難を逃れたのだった。
「PEPPER」第10話「独占放送!授賞式を盛り上げろ」では、キャシーが母の勧めでデートした歯医者の男性。しかしいきなり体の関係に持ち込もうとされたため、キャシーは拒否反応。
バート・レイノルズ主演でおなじみの「トランザム7000」シリーズのリメイク、「新トランザム7000」で主役のバンディットを演じて、ドラマ版新シリーズは4本作られている。主役の彼の知名度の低さもたたり、さらに映画版と同じハル・ニーダム監督が演出したのにもかかわらずイマイチな内容で結構評判悪い。
ソープでセクシー系な役柄から出発したせいもあって、セクシー路線の役が多いような。
以前アリッサ・ミラノと暮らしていたことがある・・・という話だが、「アリッサ・ミラノの朝まで踊ろう」とか「ルームメイツ」で共演していたのは相当昔。
「FBI~失踪者を追え6」1話に登場予定。

◆ステラ82年版 ....  Margaret Easley
オフィシャルサイトあり。
「FBI~失踪者を追え3」3話「光の記憶」では、失踪者テディの恋人で病院の同僚のソーニャ役。テディの子を妊娠するが、それを打ち明けたところ宇宙人の話をされてしまい、仕方なく別れることに。
「HUFF」第1シーズン3話「リップスティック」では、長老派なのになぜかユダヤの成人の儀式バーミツバをやりたいと、ベスにケータリングの依頼をしてきた女性役で登場。
「PEPPER 恋するアンカーウーマン」12話「“真実の愛”紹介所」では、夫がヨガ講師と浮気して駆け落ちしてしまったために、いんちき恋人紹介所に登録して解約もできず、ペッパーに被害を訴えた女性役で登場。
「NCIS」第5シーズン2話に登場予定。

◆デヴォン現在版 .... Mark Famiglietti
データ満載のファンサイト(英語)あり。
「ファストレーン」第1シーズン12、14話では、新入りの警官だが副所長の息子のジャロッド役で登場。厳しく当たるヴァンと衝突しながらも、人質に取られたヴァンの救出に一人で立ち向かう。
「CSI:NY2」13話「ハイリスクゲーム」では、オフィスの窓から首を吊って死んでいたトレーダーのQT・ジャマーのアシスタントボビー・マーティン役で登場。自分の働きを認めないQTにキレて、顧客を奪うために自殺に見せかけて殺害したのだった。
「ドーソンズ・クリーク」のスピンオフドラマ「Young Americans」では主人公スカウト役。
「CSI:科学捜査班」第1シーズン4話「不倫の果て DNAの証言」では、学生クラブで新入生いじめをした学生マット役で登場していた。びびったマットの証言により事件が解決を見たのだった。
映画「ターミネーター3」では、クレア・デインズ演じるヒロインケイトの婚約者、スコット・ピーターソン役。早々にターミネーターに狙われてしまう。

◆ステラ現在版 .... Linda Gehringer
「FBI~失踪者を追え3」9話「陪審員の過去」では、裁判の審議途中で失踪した陪審員デューセックの、愛人で女医のマーラ役で登場。デューセック彼女のために遺言を書き換えたのだった。
「アリーmyラブ」第1~2シーズンに司法長官ジャネット・リノ役で何回か登場している。彼女のたるみにリチャードがよろめいたため、ウィッパーが立場を忘れて彼女にくってかかったことも。
「ザ・ホワイトハウス」13話「密告者」で、ヘイトクライム規制の法案の署名式に、その法案のきっかけとなった「ゲイのために殺された少年」の母親として呼ばれていたジェニファー・リデル役で登場していた。

◆モリーの夫ロジャー現在版 .... Robin Thomas
「CSI:7」14話「傘の骨」では、ブラス警部も御用達のベガス屈指の住宅メーカー「ドートン・ホームズ」の社長ビル・ドートン役で登場。妻のマーゴが自宅で殺害され、第一発見者だったためにまず夫が疑われるが、夫婦仲はすこぶる良好で毎日がハネムーンだったという。
「ダメージ」では第1シーズン1,4,5話でパティのライバル弁護士マーティン・カトラー役を演じている。パティと腹心のトムの関係がぎくしゃくしていると見るや、共同経営者として引き抜くと声をかける。
「クリミナルマインド」第1シーズン5話「双子令嬢の誘拐」では、誘拐されたミラーツイン姉妹の父親ダベンポート氏を演じていた。
「Dr.HOUSE」第1シーズン2話「血縁関係」では、ラクロスの試合で倒れて運ばれたダン少年の父親役で登場。ハウスに出生の秘密を伏せていたために、原因の特定が遅れる。
「CSI:NY」第1シーズン15話「死が二人を分かつまで」では花嫁の父ブルーム役で登場。結婚式中の娘の死に逆上して検死局で花婿を怒鳴りつけ、ユダヤの儀式をしないと検死をさせないとごねた。
「CSI:マイアミ2」2話「海上の死角」で、トレジャーハンターたちに宝探しをさせる出資者ブレット・ベタンコート役を演じていた。若い妻に豪邸と戦利品を飾りまくった生活を謳歌していたが、売り手を怒らせて爆弾を仕込まれ消されてしまう。
「ザ・プラクティス」第2シーズン1話「禁断の恋」では、ボビーが恋に落ちてしまった依頼人ヴィッキーが殺害した、被害者のロバート・アドラー役で登場。ヴィッキーは本当はロバートと愛人関係にあったが、関係を迫られて襲われたという偽証をした回想シーンに出演している。
「ザ・ホワイトハウス3」15話「大統領夫人の決断」にはジャック・エンロー上院議員役で登場している。「TVキャスター マーフィー・ブラウン」では、マーフィーの元夫ジェイク・ローウェンスタイン役で1~8シリーズに散発的に登場。
「FBI~失踪者を追え4」16話、「クローザー」第3シーズン3話、「NCIS」第5シーズン5話に登場予定。

◆モリー82年版 ....  Kim Murphy
「ブラザーズ&シスターズ」第1シーズン19話「ゲームナイト」では、ウォーカー家と家族対抗ゲームの因縁の相手ジョーンズ一家の娘ドナ役で登場。
「24」第1シーズン2、3話では、ゲインズとベルキンのIDの取引をした、飛行機爆破犯マンディのレズビアンの恋人ブリジット役。取引の金額を引き上げてゲインズを怒らせる。

◆監察医フラニー・チン .... Susan Chuang
初登場は第1シーズン21話「列車」。時々未解決犯に再捜査要件を持ち込む。
「ダーマ&グレッグ」では第3シーズン以降にスーザン役でサブレギュラー。(スーザンとラッセルのの結婚エピについて「Heroes」:ヒーローを探せ!「ダーマ&グレッグ」編でエントリしている)
「HUFF」第1シーズン4話では、1ヶ月以上排便をガマンした潔癖症の青年ニール(「BONES」のジャック役の T.J. Thyne )がガマンしすぎて病院に担ぎ込まれた、その担当医役を演じている。
「CSI:4」第10話「歪んだ果実」ではショッピングモールを警察犬で捜索する婦人警官役で、警察犬の目から見える世界について説明してくれていた。
「フレンズ」第9シーズン19話「シュガー・ハイ・ジャーニー」では、ロスとチャンドラーが二人で行く羽目になったヴァーモントのリゾートホテルのフロント役で登場している。キャンセルしても返金できないと言われて仕方なく行ったのに、ロスは行く途中キャンディの食べすぎでシュガーハイになって、その上フロントからつれなく「予約が取れていない」と言われ、さらに高い部屋を押し付けられ、チャンドラーはブチ切れるのだった。

◆デヴォン82年版 .... Tanner Blaze
「Dr.HOUSE」第3シーズン8話「良心の痛み」では、両親の死後弟妹を養ってきたジャック(ハウスの患者)の幼い弟ウィル役で登場。
「名探偵モンク5」1話「迷コンビ誕生」では、ディッシャーをチャリティオークションで競り落とした女性が「息子は刑事にあこがれてるの、仕事ぶりを見せてやって」と適当な嘘をついて6時間押し付けていった、息子のサム役。サムの機嫌を取るためにディッシャーは散々振り回されてしまう。

◆モリー現在版 ....  Susan Blakely
映画「タワーリングインフェルノ」では、ウィリアム・ホールデン演じるビルのオーナーのジェームズ・ダンカンの娘で、ビルの配線工事を担当したリチャード・チェンバレン演じるロジャー・シモンズの妻パティ役を演じている。
「オーバー・ザ・トップ」では、スタローン演じるアームレスラーのリンカーンの妻クリスティーナ役。
「エアポート’80」では、ロバート・ワグナー演じるハリソン産業の社長の恋人でありながら、彼の事業の隠された真相を知り、ニュースキャスターの立場で社会に告発するマギー役。
「NIP/TUCK」第5シーズン3話に登場予定。

◆乳母マルタ現在版 ....  Jill Remez
「ミディアム」第3シーズン1話「夢を見る者たち Part1」では、車の水没事故の現場で車の鑑識を行っていた女性鑑識職員役で登場。
「FBI~失踪者を追え」第1シーズン22話「911の爪跡(前編)」では、バリー・マッシュバーンによって人質にとられた本屋の客で、幼い息子カイルと一緒に解放された母親役を演じていた。

◆ベビーシッターのブリー・ロミオ82年版 .... Rachel Vacca
「ミディアム」第2シーズン20話「暗闇の向こう」では、恋人に殺害されたと思われていた女性アマンダ・クレイン役で登場。目隠しをして服を脱いで寝ているだけのバイトを続けていたが、恋人のエルキンに反対されやめようとして殺害される。

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