くまぷーの海外ドラマblog

海外ドラマを脇役チェックなどしつつ
あれこれ見ています。

コールドケース5 第6話 「鳩」

2009年09月02日 | コールドケース
未解決班にカーターという男が訪ねてきて、息子のテランスの遺留品と社会保障番号が欲しいと言ってきた。
彼の息子のテランスという少年は、2002年にビルの屋上で銃で撃たれて殺害されていたが、事件は未解決のままだった。スティルマンをはじめ、チームの面々は社会保障番号詐欺を疑って番号の停止の処理を行おうとするが、番号はテランスの死後も使用されていた。そこに事件解決の鍵があるのではないかということで、テランス事件は再捜査されることに。
当時の資料を紐解いてみたところ、手のひらに「SAM6789235」という暗号のようなものが書かれていたため、ヴェラがその暗号の謎解きに挑む。
社会保障番号を使った人間を調べたところ、テランスの母シェリルだったことが判明。しかし女手一つで苦労したシェリルには犯罪の意図はなかった。
シェリルによると、テランスは異母兄のマイケルとよくつるんで遊んでいたという。テランスには数学の才能があり、そのためマイケルによってカードを読む能力=カウンティングを仕込まれ、大物から金を巻き上げようとしていたというが・・・

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私は「CSI:NY」でシェルドン・ホークス役を演じているヒル・ハーパーのファンで、それで彼の俳優以外の活動もチェックしているのだが・・・彼は今回のテランスとマイケルのような「そこから抜け出せない」で転落人生を送る青少年を支援する活動を行っている。
彼の以前のインタビューで、若くして妊娠・出産して劣悪な家庭環境と地域環境の中で育った子供が、また次の世代で同じようなことを繰り返す、という話をしていたのだが、まさにシェリルの「妊娠するために高校行ったようなもの」な少女たち、ギャングの手先になる以外生き残れない少年たちそのままが、現代のアメリカの現実なのだろう。
アメリカンドリームというけれど、才能がありながらもその夢や可能性を環境のために見いだされることなく、そのまま転落していく子供たちがいかに多いか。どうやったら負のスパイラルから抜け出させることができるか・・・
そんなのを見た後で日本の今の状況が「格差社会」とか言ったら、アメリカに「HAHAHAHA!ジャパニーズジョークはしょっぱいな」とか言われそうだ。

しかしテランスはあまりにいい子で、そしてマイケルも本当のところは心の優しい子で・・・ああいう子たちが犯罪に手を染めたり、犯罪の被害者になって人生を棒に振らないで済む方法は何かないものかと真剣に思ってしまった。
それを救うのが教育でも信仰でもなんでもいいから、彼らの人生にギャングや未婚の母、貧困や犯罪以外のまっとうな選択肢を・・・。最低限、本当に最低の最低限だが、「被害者」になった時にまともに捜査してもらえるような環境が与えられますように。
今回のエピでもそうだが、「黒人だからまともに捜査してないんだろ」という言葉が必ず投げつけられる。確かに冒頭テランスの父が訪ねてきたとき、リリーもスティルマンもいきなり疑っていたし。やっぱりそのとおりに息子二人を悪の道に引きずり込もうとするひどい父だったが。
現実としてそれも無理なからんのかもしれないが、実際それで、黒人とか関係なく捜査しているつもりで板ばさみになるジェフリーズやミラーの立場というのもなかなか大変そうだ。

飛べない鳩オスカーが最後に羽ばたいた時、久々にコールドケースでぐっと泣かされてしまった。テランスが探せなかった「星」を、オスカーが代わりに探しに旅立つかのようで。
今シーズン、比較的淡々としていたラストが多かったが、曲のよさとあいまって感動的だった。

今回、ヴェラが意外な才能を見せた。テランスの手のひらの暗号を図書館の検索番号だと見破ったのだ。ヴェラはこの才能がこれから花開く、とか?
結構このシーズン、地味にヴェラがオイシイとこ持っていってるようでちょっと嬉しい。ミラーとのでこぼこコンビも板についてきたことだし、これからはヴェラの時代?・・・いやそれはないない。


【 脇俳優チェック 】

◆テランスの父カーター .... James Moses Black
「デクスター」第3シーズン12話「デクスターを夫としますか?」では、ミゲルの弟ラモンが刑事を辞める以前に相棒だったジェシー・ウィテカー警部補役。ラモンが行方不明になったため、デクスターが「彼の妻が心配してるから」と電話してラモンの行きつけの店を聞き出す。
「M.I.救急医療捜査班」3話「帰国兵の発病」では、息子と映画を見ていたニールのところに、コードイエロー発生だと召集にきた軍の医療センターの軍人役。
「ボストンリーガル」第3シーズン15話「脂肪で地球を救う!?」では、初めての弁護でオタついているクラレンスが、拘置所に「主人」殺害で拘置された「奴隷」アーニャに面会に行ったときの、拘置所の看守役。弁護士なのにおろおろしているクラレンスを不安そうに見ている。
「アグリーベティ」第1シーズン14話「カミングアウト」では、イグナシオを担当しているケースワーカーのコンスタンスの元彼?役で登場。コンスタンスは以前彼の担当だったが、やはり強制送還をちらつかせてしつこく付きまとったためふられていたのだった。
「クローザー」第2シーズン1話「真実とDNA」では、同僚刑事が殺害されたことでアツくなっていた中央署の制服警官役で登場。
「ザ・ユニット」第2シーズン11話「勇気の勲章」では、ジョナスの父ジョージに銀星章が授与されたお祝いに集まった、ジョナスの甥っ子?のひとりを演じていた。ジョナス父の昔話を聞いている場面に登場。

◆被害者テランス・カーター .... Maestro Harrell
「ER」第13シーズン20話「明かりが消える」では、突然倒れたオーケストラのメンバーの友人に付き添ってERにやってきた少年役。ドラッグじゃないかと疑われるが、実は友人のソロパートをやりたくて、ちょっと調子を悪くさせようと硫黄を食べ物に混ぜたのだった。
「THE WIRE」第4シーズン(日本ではスパドラで第3シーズンまで放映)からはサブレギュラー出演している。

◆テランスの異母兄マイケル .... Michael B. Jordan
「CSI:6」20話「クレイジーストリート」では、銃撃事に使われた車の持ち主の孫モリス役。破傷風の重症状態で発見され、彼がメモに「$」と書いたことからラッパーのドルへのつながりが判明する。
「THE WIRE」第1シーズンでは、まだ幼いのにディアンジェロのもとでヤクの売人として働いて、さらに幼い子たちの面倒を見ているウォレス役。学校に行きたいと組織を抜ける決心をするが、見つかって殺害されてしまう。
「BURN NOTICE」第2シーズン11話、「FBI~失踪者を追え」第5シーズン6話に登場予定。

◆鳩男のオーガスティン・ベネット .... John Lafayette
「クリミナルマインド」第3シーズン8話「悪魔の囁き」では、重度の精神疾患専用施設の医師で、後に連続殺人事件の犯人となるフロイド・フェイリンを退院させるべきではないと主張した医師役で登場。彼は詳細なデータをノートに残していたが、それを火事から守るために命を落としていた。
「ザ・ホワイトハウス」第5シーズン16話「それでも地球は回っている」では、バートレットの娘エリーの所属している研究室の科学者Dr.フォイ役。売春婦の性感染症について研究しているが、共和党議員から補助金の不正疑惑が提示され大々的に報道されたことで、エリーを研究室から早々に脱出させる。
「スーパーナチュラル」第2シーズン8話「地獄の猟犬」では、絵の才能のために悪魔と契約したジョージ・ダロウ役。他に悪魔と契約した人物が次々と殺害されていくが・・・
「ER」第13シーズン3話「孤独な終幕」では、倒れてERに運ばれてきた同性愛者の老人アンダーソンの、かけつけた弟?の役で登場している。兄がゲイのダンサーとしての道を選び家族と疎遠な人生を選んできたことに嫌悪感を隠さないが、ゲイパートナーのベネットに治療の決定権を渡すことは頑として拒否する。
「クローザー」第2シーズン3話「絡みすぎた糸」では、乗っていた車に40発もの銃弾を受けて死亡した被害者の少年ウェズリーの父タルマッジ氏役で登場。テイラーの友人で、息子がギャングだから狙われたという疑いをかけられて憤慨する。
「Dr.HOUSE」第2シーズン8話「診断ミス」では、チェイスの診療ミスで起こった訴訟に関して病院内部の審問委員会の委員長役。チェイスとハウスに処分を言い渡していた。
「CSI:マイアミ」第1シーズン3話「漂流 新月の闇」では、冒頭マイアミの海でサメを釣り上げた釣り人役で登場していた。
「BONES」第4シーズン10話に登場予定。

◆テランスの母 .... Sandi McCree
オフィシャルサイトあり。
「クリミナルマインド」第2シーズン17話「救難信号」では、屋上で警備員が殺害された事件の捜査中に、殺人事件とは知らず、前日屋上で悪さをした息子を謝らせようと連れてきた母親役で登場。
「THE WIRE」第4シーズン(日本ではスパドラで第3シーズンまで放映)からはサブレギュラー出演している。

◆冒頭にテランスのカウンティングにしてやられたカードの親 .... Lil' Zane
オフィシャルサイトあり。
10歳の頃からラッパーとして活躍。
映画「小説家を見つけたら」でデビュー、「ドクタードリトル2」ではドリトルの長女シャリースのBFエリック役を演じている。

◆ビッグファットレイズバーのファットレイ .... Stu 'Large' Riley
オフィシャルサイトあり。
「OC」第1シーズン22話「L.A.」では、クラブの入り口のガードマン役。クラブから締め出しを食らったマリッサとライアンが、ライアンをドラマスターに仕立てた芝居をうって、彼をだまして中に入ることに成功した。
「名探偵モンク2」8話「愛妻を殺したのは?」(NHK放送順による。米では第3シーズン1話)では、NYに着いてパニックになったモンクが、タイムズスクエアで見たマイクで説教している牧師役。モンクは彼につられて一緒に説教を始めてしまう。

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