くまぷーの海外ドラマblog

海外ドラマを脇役チェックなどしつつ
あれこれ見ています。

クローザー4」 第3話「許されざるゲーム」

2009年06月22日 | クローザー
16歳の少女ミシェル・クラークが自宅で首をつって死亡していた件で、テイラーが特捜班を現場に召集した。
自殺で事件性がなさそうな件で特捜班を呼んだのは、ミシェルが保安局次長マーク・イェーツの息子ダレンに、レイプされたと数日前に相談していたためだった。担当していたテイラーが政治的な面に気をとられて捜査が遅れ、ミシェルが命を落とす羽目になったことをテイラーは激しく悔やみ、ブレンダに「これが自殺なのか殺人なのか確かめて欲しい」と依頼する。
ミシェルには手足に力で押さえつけられた痕跡があり、手には特に手錠をかけられたアザがあったが、それはレイプ時のものと思われる数日前にできたものだった。検死官が「自殺」と結論付けようとするのをブレンダは押しとどめ、薬物検査をするように指示した。部下たちもみな「これは自殺ではないのか」と不審に思うが、ブレンダは「これはレイプ捜査ではなく、殺人捜査」と断言する。
ダレンの父マークは保安局の地位をかさにきて、事件をもみけそうと強権を振るってきた。ミシェル亡き今となってはダレンを立件するのは困難に思われたが、そこにミシェルとは別件のダレンのレイプを通報したと思われる無線の通信記録が発見される・・・

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今シーズン3話連続で「で、なぜ特捜班が?」という事件のオープニングになっている。一見特捜班に見合う事件が発生していないということは平和でいいことなのかもしれないが、無理やり予算を確保するためにあの手この手やってきたのだから「じゃあ解散」とか言われかねないようでちょっとだけハラハラ。
火事と見せかけて実は殺人、ただのひき逃げと見せかけて実は保険金殺人、ときて、自殺と見せかけてレイプ+殺人・・・と見せかけて、やっぱり自殺だったんだけどレイプは立件と、普通に解決したはずなのになんだかとっても遠回りをしたような疲労感が。

ブレンダは被害者がどんなにひどい状態の遺体になっていても、悪臭を放っていても、いつも決してそれから目をそらすことはしない。
目をそらすことで真実を見逃してしまわないように、傷や痕跡をひとつひとつしっかり見据えて、被害者の声なき声を誰よりもしっかりと受け止めて、覚悟を決める。
その瞬間、「落としのシナリオ」が彼女の中で組み立てられ、脚本:ブレンダ、監督:ブレンダ、主演女優:ブレンダの舞台の幕が上がる。
「これはレイプ捜査ではなく、殺人捜査なの」とダニエルズに言った時から、敵を欺くにはまずは味方からのトリック芝居は始まっていたのだな。

実際のところこの事件が裁判にかかったら、検事がイマイチで有能な弁護士がついたら、ひっくり返されそうな気がしないでもない。SVUを見ていると、警察の捜査段階ではうまくいったのに証言するとなると一気に組み立ててきたものが崩壊するのがレイプ事件だったりするから。
いくら自白をとったといっても、物証が少ない割に、ブレンダの強引な落としとか「弁護士事務所の」と嘘ついて情報を引き出したとか、問題にされそうなツッコミどころは山のようにあるわけで。
素朴で傷つきやすいアリーの証言に重きが置かれた裁判進行になると・・・これはゴールじゃなくて有罪にするためのスタートラインに立ったという状態で、あの父親が権力を持ってるうちは安心できないだろうなと思ったりする。

しかしブレンダはとうとうテイラーまで飼いならしてしまった・・・
なんだかんだで彼女の実力は認めてリスペクトしていたから、こんな大一番でブレンダに賭けを任せたという。
もう・・・おっさんツンデレなんだから。もうちょっと素直になれよ!
これでもう署内でブレンダに怖いものはナイ・・・かな?いや、フリッツの愛を失うのが怖い、とかクサイことを言ってみる。次回予告でちょっと不穏な空気が流れていたので、どうなるやら。いやでも予告って大抵「嘘、大げさ、まぎらわしい」スレスレのところをかすっていくからなぁ。

ところで、3話を終わってまだフリッツは一度も仕事をしていない。
それどころか、ここまでの出演シーンでいまだに部屋着より上の段階に進んでいない状態だったりする。ハダカだったり、シャツ+パンツだったり。
次回予告でやっとスーツ姿だったので、「あ、よかったフリッツはまだクビにはなってなかったのか」とほっとしたが、フリッツったらFBIなのにヒマにもほどがある・・・。大丈夫なんだろうか?


【 脇俳優チェック 】

◆レイプ犯人ダレン・イェーツ .... Michael William Freeman
「Shark」第1シーズン20話「天才ハッカーの狙い」では、スタークが飲酒運転を心から反省しない娘ジュリーのために、刑務所に連れて行って会わせた囚人エリック役。軽い気持ちで酒とドラッグをためしたところ、気がついたら3人をあやめた殺人者になり、公判中の遺族の視線が忘れられないというエリックの話にジュリーはショックを受ける。
「コールドケース」第4シーズン12話「ファイトクラブ」では、被害者ジェームズ(今回のケヴィン役のMarshall Allmanが演じている)が不満を発散しスリルを求めるために入ってしまった「ファイトクラブ」のリーダーのコール役。事情を聞かれ、校長の差別や、通りすがりの男をタナーが殺害したことを告白する。
「FBI~失踪者を追え」第7シーズン22話、「BONES」第4シーズン20話に登場予定。

◆ダレンらの学校の校長 .... Jillian Armenante
オフィシャルサイトあり。
「ER」第12シーズン10話「それはイブのこと」では、交通事故で運ばれてきた女性タマラ・ゴードン役。低ナトリウム血症の症状が見られたことから検査してみたところ、末期がんであることがわかる。しかし彼女は治療よりも家族と残り少ない時間を過ごすことを選択する。
「グレイズアナトミー」第2シーズン16、17話「死の予感 Part1、2」では、不発弾事故で体内に弾が入ったままグレース病院に搬送されてきた男カールソンの妻ミンディ役。夫を見てパニックになって叫び続けた。
「ザ・ホワイトハウス」第1シーズン4話「裏舞台」に、トビーにインターネット株で儲けた件について問いただした、ホワイトハウス法律顧問のリーラ役で登場している。
日本では未放映の「ジャッジング・エイミー」に第1シーズンからサブレギュラー出演。
アンジェリーナ・ジョリーの親友。同性愛のパートナーで女優のAlice Doddと二人でアンジーの養子マードックスの名付け親となっている。

◆ダレンの仲間で優等生のケヴィン・ウォード .... Marshall Allman
「プリズンブレイク」でリンカーンの息子LJ役でおなじみ。
「グレイズアナトミー」第4シーズン16話「自由に向かって Part2」では、メレディスとデレクの成功率の低い臨床試験を受けに来た青年ジェレミー役。治療を通じて知り合ったベスと恋人同士になったが、ベスを思う彼女の両親に反対される。メレディスたちの協力でベスと初体験し、ベスへの思いを抱いて手術に臨むが・・・
「コールドケース」第4シーズン12話「ファイトクラブ」では、ファイトクラブに校長の差別に憤るなど青春の不満をぶつけていた被害者ジェームズ役。通りすがりの男を殴り殺したメンバーのタナーが許せず、通報しようとして殺害されてしまう。
「CSI:7」18話「ダイイングメッセージ」では、5人のショーガールが殺害された事件で、5人の一人レベッカのBFで、通報したジョナサン役で登場。
「ゴースト」第3シーズン11話に登場予定。
2006年に女優のJamie Anne Allman(「コールドケース」第1シーズン2話「通話記録」で、母の死に復讐を燃やす少女グウェン役など。今シーズン15話に登場予定)と結婚。
「ゴースト」第3シーズン11話に登場予定。

◆ダレンの父で保安局の次長マーク・イェーツ .... Daniel Baldwin
「ホミサイド/殺人捜査課」第1~3シーズンではボー・フェルトン刑事役でレギュラー。
アレック(「30 Rock」、映画「レッド・オクトーバーを追え!」など)、ウィリアム(「ダーティ・セクシー・マネー」のパトリック役など)、スティーブン(「ヤングライダーズ」のビリー・コーデイ役など)のボールドウィン兄弟の次男。兄弟の中ではあまり出演作に恵まれていない感が強く、B級系の出演作が多い。
3回結婚してそれぞれに子供をもうけているが、さらに2回目と3回目の結婚の間にIsabella Hofmann(「ホミサイド/殺人捜査課」の役の上でボーと不倫関係にあったメーガン・ラッサート刑事役だったが、役が本当になった模様。他に「犯罪捜査官ネイビーファイル」のメレディス・カヴァナー教授役など)と同棲して、ひとり子供がいた。
「コールドケース」第6シーズン22、23話に登場予定。

◆レイプ被害者ミシェル・クラーク ....  Andrea Bowen
オフィシャルサイトあり。
「デスパレートな妻たち」ではスーザンの娘ジュリー・メイヤー役でおなじみ。
「FBI~失踪者を追え」第4シーズン8話「ホプキンズ家の息子」では、失踪者ショーンのクラスメイトベッキー・グロルニック役。パーティで酔ってレイプされたことをショーンに相談、アフターピルを買ってもらうなどしたが、親には言えなかったためショーンの失踪に情報を言い出せない。
「LAW & ORDER: 性犯罪特捜班」第2シーズン15話「3日目の恐怖」では、連続少女拉致レイプ犯のもとから自力で脱出してきた8歳の少女ソフィー役。次の被害者を助けるためSVUではソフィーから情報を引き出そうとするが、母親が尋問させまいとする。
「サードウォッチ」第3シーズン4話「よぎる不安」では、犬の散歩の途中に父親が倒れた少女レイチェル役で登場。 除細動器をかけられる父の姿に驚いて止めようとする。
姉が二人、弟が二人、それぞれ子役から俳優活動を行っている。弟のCameron Bowenは「ER」第9シーズン12話「下町の聖人」で母親が肺炎で死に瀕している少年マーティン役、姉のJillian Bowenは「ER」第12シーズン16話「危うい状況」で通行人をはねた少女ケイティ役。
「ゴースト」第4シーズン15話に登場予定。

◆ダレンの別の被害者アリー・ミッチェル .... Marcella Lentz-Pope
「ボストンリーガル」第3シーズン1話「シャーリーちゃん人形」では、父がダニエル・ポストに肺を提供する代わりに自分の大学の授業料が払い込まれたと知って、阻止するために検察側の証人となったミーガン・ラウルストン役。
「プライベートプラクティス」第1シーズン1話「最低で最高のはじまり」では、父ビルに連れられて産気づいてクリニックにやってきた妊婦ルーシー役。手術の施設がない状態で工夫をして帝王切開し、アディソンがクリニックで取り上げた一番最初の赤ちゃんになった。その子供のかわいらしさにルーシーはビルに受け入れてもらえるのだった。
「NCIS」第4シーズン10話、「FBI~失踪者を追え」第5シーズン23話に登場予定。

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5 コメント

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Unknown (くーみん)
2009-06-22 20:33:56
どう落とすかで、最後まで引っ張っていきましたね、さすがのブレンダ。
>あの父親
息子のアリバイを偽証した時点で、何らかの罪に問われるんじゃないのかなと思いました。
地位が高ければ高いほど、うそを作ってのは、アメリカ社会では致命的にもなりかねないわけで・・・。
表ざたになった時点で、地位を失うんじゃないでしょうかね。
と、楽観的に考えてみたい。

このドラマの冒頭から、例の京都の某大学の事件を思い出しました。
ドラマはスッキリ、勧善懲悪で終わったけど、現実では、被害者が告訴を取り下げたそうです。周囲が力ずくで囲い込んだんでしょう。
日本はホントにこの手の事件に関して、遅れている。
歯軋りするほど、悔しいです。
アメリカでも現実には、こんな風に終わることは少ないんでしょうけど。
だからこそ、ドラマでだけでも、こんな風に終わってほしいな。
返信する
ブレンダはブルドーザー (momoyan)
2009-06-23 03:40:41
「これは殺人事件」として推し進めたブレンダ。こうなるとブルドーザー的クローザー。頼もしかったです。
一方のフリッツは……ミシェルの証言場面を見せられて、ブレンダに意見を求められたとき、「殺人は俺の専門じゃないから」と言っていたような。FBIって他に何の担当がありましたっけ?詐欺?麻薬?もはやフリッツが不動産屋に見えて来ましたぜ、姐さん。
返信する
FBI (ゆみ)
2009-06-23 19:22:21
フリッツはいつも暇そうだけど
大丈夫かしら?
FBIをクビになったりして
ブレンダに養ってもらうとか。

日本でもアメリカでも
レイプの犯罪意識が低いんですね。
単なるゲームのつもりでレイプするのは
ドラマの中だけのことではないはず。

プレンダが最後に言い放った
「あなたも同じ目にあう」のは
アメリカの刑務所では
あたりまえのことみたいだし。
同じ目にあって
初めて自分の犯した罪に気づいたとしても
もう遅いですよね。
返信する
質問 (key)
2010-03-31 13:02:17
はじめまして!

いつも記事を楽しんで読ませてもらってます。
先日レンタルでクローザーS4を借りて観てたんですが、今回のレイプ被害者で自殺してしまうミシェル役の女優さんは、デスパレートな妻たちのジュリーにとても似てたのですがクレジットが違ったと思ったのですが……
プロフィールにあった姉妹とは違いますか??
返信する
keyさんへ (くまぷー)
2010-04-03 00:41:09
クローザー4の録画データを確認のために引っ張り出すのに時間がかかってしまって、御返事が遅くなってすみません。
今回のミシェル役=デス妻ジュリーで間違いないと思うのですが・・・
冒頭、ブレンダが一人で部屋の検証をしてるところにテイラーがきて、その後プロベンザが入ってくるところに「Andrea Bowen」とクレジットが入っていましたので、彼女だと思います。違うクレジットというのがよくわからないので、ここに!っていうのを教えていただけると・・・

それとプロフのAndreaのお姉さんJillianですが、6歳年上で目元は「言われてみると」って感じですが、パッと見、間違えるほど似てない・・・かも。
最近だと・・・ご覧になってるかどうかわからないですが、「プライベートプラクティス」第2シーズン8話で、オーシャンウェルネスからナオミが引き受けてきた中絶患者レニー役を演じていました。デルが「中絶」と聞いて追い返してしまってクリニックの中で議論を巻き起こしたという話でした。
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