伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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日本版 シティマネージャー

2015-04-17 18:24:50 | 行政経営
総務省の地域力創造アドバイザーが話題です。

群馬県の下仁田町は議会の同意を得て、
今年の4月から福岡県うきは市職員の吉弘拓生氏33歳を
副町長に起用しました。

他の自治体の現役職員を副町長にするのは
極めて異例で、年齢もかなり若い方です。

吉弘氏は総務省の地域力創造アドバイザーの一人で、
かなりの実績
をお持ちです。

それにしても33歳とは若い。
通常の地方公務員ならまだやっと主任くらい。
いくら能力で評価して抜擢しようとしても、
うきは市役所にいたままでは、
副町長のような人事は不可能だったでしょう。

このニュースを聞いて思い出したのは、
もと埼玉県志木市長の穂坂邦夫さん。
保坂さんは平成15(2003)年当時、
すでにシティマネーシャー制度を提案し、
志木市において実現すべく特区申請していました。

 「市民は税金を払って市役所に市民のための仕事を委託している。
  その責任者が市長。市役所を株式会社に例えれば、
  市民は会社の株主、つまりオーナーであり、
  市長は株主から期待される仕事を託された会社の支配人(マネジャー)である」
  と同氏は繰り返し発言していました


日本の地方自治体は、首長と議員が直接住民から選ばれる
二元代表制であり、穂坂さんの提案は、
憲法に抵触する恐れがあるなどの意見もあり、
当時は見送られました。


しかしここにきて、
33歳の他の地方自治体の職員を
最高幹部職員にひっぱってくるとは、
下仁田町長さんは凄い決断です。
その人事に同意した町議会もたいしたものです。

日本全体の人口減少や高齢化が課題となる中で、
自分の自治体は生き残っていけるのか?
これはせっぱ詰まった問題です。

有能な人材は限られています。
のんびりと口を開けて待っていても、
棚からボタ餅は落ちてきません。

これはと思う人を見つけたなら、
かっこつけてる場合でなく、
早い者勝ちでがむしゃらに獲得しなければ。

今はもう、
地域が発展するもしないも自己責任の「自治体戦国時代」。
能力のある首長がいるか、いないかが地域の将来を左右します。

市の幹部職員も含めて、
年功序列でなく、能力主義でリーダーを選ばざるを得ない
「自治体戦国時代」になっています。


未来へ向けて必死に取り組んでいる自治体もあれば、
まったく無自覚で、自治体間競争に
すでに置いていかれていることにさえ気づかない自治体まで、
実にさまざま。

もちろん、
外から一人スーパーマンを連れてくれば全て解決、
なんてことにはなりません。
キーマンを要職にすえると共に、
職員全体の意識改革と底上げをするのが首長の仕事。

岩手県滝沢村(当時)は、
柳村純一村長が職員の意識改革と行政改革を推進。
特に優れた企業しか受賞していない日本経営品質賞を
2006年に自治体として初めて受賞した事例もあります。

小さな村だって、できるんです。

今日の地域力創造アドバイザー制度や、
富山県氷見市のシティマネージャー募集などを見ると、
すでに平成15年当時から、シティマネージャーの特区を申請していた
穂坂邦夫さんの先見の明、センスには、改めて驚かされます。

センスは時代に先行する」ですね。

20~30代の若手公務員の方、ぜひ働きながら
大学院で学んでみてはいかがでしょうか。
私も県庁に勤めながら、高崎経済大学大学院地域政策研究科で
夜間と土曜日の授業で修士をとりました。

私以外にも、県内の市役所の方や県職員が大勢
社会人院生として学ばれていました。(前橋、高崎、伊勢崎、藤岡、足利など)
大学院での学びは、ご自身の仕事に生かせると共に、
広い視野や専門知識を深めることで、
シティマネージャーとして活躍できる可能性も広がると思います。

当時の社会人大学院生の中には、
別の県のもと市長さんがいらしたり、
自治体を定年退職後に大学生になった方もいらして、
地方自治を学びなおしていらっしゃいました。



(参考)
・「米国におけるシティ・マネージャーの役割


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