伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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センスは時代に先行する

2013-07-21 22:54:52 | Weblog
宮崎駿監督のアニメ映画「風たちぬ」を家族で見てきました。
ゼロ戦を設計した技師「堀越二郎」と、
同時代を生きた作家「堀辰雄」をあわせた人物としてつくられました。

設計者、堀越二郎は彼の夢の中で、
イタリアの偉大な飛行機設計者ジャンニ・カプローニと対話します。

カプローニは二郎に言います。
「センスは時代に先行する。技術はあとからついてくる。」
(セリフは正確に憶えていませんが、このような趣旨だったと思います)

堀越二郎が第二次世界大戦の時に設計したゼロ戦は、
当時の世界の戦闘機のレベルをはるかに凌駕していました。

「技術革新があったから、時代を塗り替えるような
 飛行機の出現があるのではない。それをイメージすることで
 実現するための技術が開発されてくるのだ」
このような意味だと思います。

先日東京で受けた地方自治体の財政についての石原先生の講義。
「人口減少により自治体の収入がどんどん減っていった場合、
 どのように対応したらよいのか、グループで議論してください」
グループワークの指示がありました。

小規模自治体では、都市部以上に人口の減少と
高齢化が進みます。
しかし自治体として最低限必要な仕事は維持しなければなりません。

その対策として、消防やゴミ処理などは複数の自治体で
事務組合を設置して合同で行っています。
今後はこのような取り組みも増えるはずです。

さらに、アメリカのサンデースプリングス市のように
市の業務をまるごと民間企業に委託することも考えられます。

全ての自治体が、市民プールや図書館、文化会館などを
フルセットで持たずに、お互いに分担して設置・管理・利用する
方式も広がるかもしれません。

グループの検討の中で、
ある自治体の財政課職員の方から、
「財政運営が困難な小規模自治体などは、県に面倒を見てもらえばよい」
という意見が出ました。

たしか、総務省の検討などでも、
周辺に、組合設置の核になれる自治体が無い場合は、
県などが直轄で行政サービスの支援をするというような意見もあったように
記憶しています。

しかし私は反論しました。
「道州制の実現が議論されている今日、
 市町村が県に何とかしてもらうという発想は、
 時代の流れに合わないのではないでしょうか?
 県は無くなるかもしれないのですから、
 むしろ、自治体が相互に助け合う考え方のほうが良いのでは?」

グループ討議のあと、
石原先生のお話がありました。
先生も、
「市町村が県になんとかしてもらう、という発想ではダメ。
 基礎的自治体同士で助け合う方向」とのご意見でした。

私は、これから先の時代を読む感覚が
先生と一致していましたので、とても心強く感じました。

センスとは、証拠やデータを並べて出てくるものではありません。
論理的に突き詰めて考えて出てくるものでもありません。
まだ、証拠や兆し、事例などがあまり無い段階で、
「そのように感じる」というのが「センス」だと思います。

政治家の一番大きな役割は、
次の時代をイメージし、それを実現するために
社会をリードすることだと考えています。

細かい政策や、補助金などは
枝葉末節の技術にすぎません。
本日見た映画「風たちぬ」に出てきた言葉

「センスは時代に先行する。技術はあとからついてくる」。

勇気づけられました。




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