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伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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給食費の全世帯の無料化には反対です

2018-02-26 17:56:25 | 教育・PTA・児童福祉
本日の市議会本会議で、北島議員が
給食費の無料化について質問されました。

来年度予算要望として、
伊勢崎市議会の多くの会派も、給食費無料化について
程度の差はありますが要望を出しているようです。

本日答弁された五十嵐市長さんの見解は、
私の考えと一致していました。
あらためまして、給食費無料化の「意味」について
考えてみたいと思います。



(給食経費の負担内訳)

子育て支援のために、給食費を無料化せよ!
という声があります。

子どもの医療費も、給食も、
高齢者の医療費も、なんでも無料なら喜ぶ方は多いでしょう。

でも待ってください。行政の持つ財源には限りがあります。
何かを無料にするなら、その分だれかが税金で負担しなければなりません。

自分は税金を払わないけれど、
あれもこれも無料にしてくれ、
公共事業も景気回復のためにどんどんやってくれ、
ということを続けたら、財政は破綻してしまいます。

税金でそれを行う必然性はあるのか?
財源は確保できるのか?
他の業務と比べて優先すべきことなのか?
など、しっかり検討しなければなりません。

伊勢崎市の給食事業費の負担内訳は次のとおりです。



給食を作るには、施設をつくり、人を雇い、食材を買って調理して
学校まで運びます。
現在、保護者が給食費のうち負担しているのは、
子どもの口に入る食べ物の食材費のみです。
それ以外の71%の経費は、初めから公費負担です。



(無料になるのは誰?)

子どもの給食費に限って考えてみますと、
一番の貧困家庭は、生活保護を受けているので、
すでに給食費は負担していません。

生活保護は受けていないけれど、
それに準じるほど所得が低い家庭は、
「準要保護世帯」として、給食費も含めて
すでに就学費用無料の措置が取られています。

このような現状に照らしてみると、
「子どもの給食費を無料化せよ」という主張は、
一番貧しい世帯と、次に貧しい世帯のグループではなく、
一般家庭として給食費を支払っている世帯を無料にしろ、
という主張なのです。



その中には、お金に困っている世帯もあると思いますが、
裕福な世帯も含まれていますので、
ひとくくりに全世帯無料にしろ、というのは財政的に問題です。

もちろん、自分が無料になる世帯の方には嬉しい話ですが、
その分、だれが税金を負担するのかが問題です。

国の政治は、国債という借金を1000兆円以上膨らませながら、
国の行政を執行し、地方自治体へ交付税や補助金を配っています。
これらは最終的に、将来世代への借金のつけ回しです。

こども保険もそうですが、子育て支援と言いながら、
当の子どもたちに有無を言わさず借金を背負わせるやりかたには反対です。

生活保護や就学援助を受けるのに遠慮する必要はありません。
所得が低く、制度利用可能な方はどんどん使ってほしいと思います。
そのための社会保障制度であり、そのためにみんなで税金を納めて
支え合っているのですから。



(税を使う優先順位)

限られた税金ですから、
所得に関係なく給食費を無料にしてしまうと、
生活の苦しい人からも収めて頂いた税金を、
裕福でお金に困っていない世帯にも回すことになってしまいます。


税金や行政の機能として、
「所得の再分配」という役割が期待されています。
社会の中には、お金持ちもいれば、貧しい人もいます。
そのままでは生活に困る人もいますので、
みんなで税金を出して支えあっているのです。

生活の基本は各人が自立して生活すること。
そして、自力では生活できない方を社会で支えるのです。

このようなことから、私は全世帯を無償化するのは反対です。
いろいろな分野でお金が必要ですので、もっと必要なところへ
回したいと思います。

例えば、給食以外の時に、
食べ物に困っている子どもたちに食事を提供する
「こども食堂」
の取り組みがあります。

お金持ちの世帯の給食費を無料にする前に、
「子ども食堂」の取り組みの方が
優先順位が高い
と考えます。



(給食費無料化の真の論点)

全世帯の無料化には反対ですが、
準用保護世帯と認める所得水準が、はたして403万円で良いのか?
という部分が真の論点
なのです。

例えば、500万円くらいが良い、と判断されれば、
現在満額支払っているグループの中から、
給食費が無料になったり、
準用保護を受けられる世帯も出てきます。



(参考ブログ)

・「給食費 公費投入の適正水準は?」2017-06-22


P.S.
今朝の街頭活動は、除ヶ町の赤城信組前の交差点でした。
車の窓を開けて大きく手を振ってくださった方もいました。
ありがとうございます。励みになります。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
無料の基準に納得です (中上かずと)
2018-08-25 09:51:28
 無料といえば非常に聞こえはいいです。無料の原資をしっかり伝えていくこと、考え方には大変納得しました。
 政府の借金については色々議論のあるところです。
岩手の田舎の村会議員として参考にさせて頂いています。よろしくお願い致します。
返信する
コメントありがとうございます (多田稔@伊勢崎市議)
2018-09-20 16:09:03
中上かずとさん、
コメントありがとうございます。

地方議員として、限りある自治体財源を
有効に使いたいと思っています。
参考にして頂いてありがとうございます。
返信する

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