伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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教育の大転換

2024-03-04 17:50:48 | 教育・PTA・児童福祉

本日は市議会本会議。

一般質問の二日目。

7名の議員が質問しました。

 

伊勢崎市議会の一般質問は、

議員一人当たり年間2回なので、

今回私は質問できません。

 

2月27日の一般質問一日目で、

高橋議員が教育改革の本丸について質問し、

教育長が次のような答弁をしました。

 

  これまでの公教育はおなじことに

  皆でおなじに取り組むやり方だった。

  これからは生徒の「発達支持」的教育に変えていく。

  そのような学校風土に変えていく。

 

どういうことなのか。

日本の時代背景として、

明治維新直後は国家の存亡をかけ

欧米に急速に追いつく必要がありました。

 

大量の児童・生徒に対して短時間のうちに一斉に

西欧風の教育を施す必要があったのです。

言わば「質より量」

これは発展途上国型の教育です。

 

先進国では急激な人口増加は止まり、

人口や需要に対して供給は過剰です。

現在の日本は、もはや発展途上国ではありません。

今度は「量より質」が問われています。

 

従来の教育法は、

画一的な内容を大勢の生徒に一斉に行うやり方。

とにかく大量の人間を相手にし、かつ、

「効率的」教育を行うには、

一人一人の生徒の個性や学力にはかまってられません。

教育を行うことの発想の起点が

「教育を行う側」だったと思うのです。

 

それに対し教育長の答弁にある新しい教育の理念は

「生徒の発達支持的教育」

今度は教育の起点が「児童・生徒」の側に移りました。

 

今までの日本の公教育のやり方は

生徒を指導し、憶えさせることが中心だったので、

主役は先生であり、生徒は受け身。

従順に従う生徒が「良い生徒」と評価されたでしょう。

 

しかしそのような人材が就職しても

マニュアルがなければ動けないし、

指示が無ければ動けません。

人生や仕事では未経験の問題に出会います。

自分で課題を見つけ、対処法を考え、実行できる

こういう人材が必要なのです。

世界経済の中で、日本の力は低下してきました。

 

本来の「学ぶ」ことの本質は、

教える側が主役ではなく、

「個人が主体」となって「自ら学ぶ」ことだと思います。

学校や先生はそれをサポートする役割。

 

一人一人の学力や理解する速さは違いますので、

同じ年齢の子を同じ学年に押し込めて

一斉授業を強行すれば、

そりゃぁ落ちこぼれも出ます。

 

以前、地元の坂東小学校では高学年の算数の時間に

複数のクラスの児童が交流し

「どんどんクラス」と「じっくりクラス」に分かれる

授業形態がありました。

 

「どんどんクラス」は、学力の高い児童が

どんどん教科書の先へ自主学習していきました。

先生はサポート。

もしかすると公文式の塾はこんな感じなのかも。

ちなみに当時の坂東小では、

先に課題を終えた子どもたちもサポート役をしていました。

同じ子供同士なので、

先生よりわかりやすいという声も。

 

当時私はPTA会長でしたので、

「じっくりクラス」の生徒の保護者の方から

「なんでうちの子は『どんどんクラス』じゃないんだ!」と

苦情が出るかと心配しましたが全く逆でした。

 

どちらのクラスに入るかは、児童の自主選択。

そして「じっくりクラス」の保護者の声は、

 「分からなかったことを丁寧に教えてもらって

  分かるようになって嬉しい、と子どもが喜んでいる」

親御さんもとても喜んでいらっしゃいました。

 

そうなんです。これが大事だったんです。

分かることの楽しさ、嬉しさ!

子どもが主役!!

 

分からないのに授業をどんどん先へ進められてしまうと

分からない子どもたちは置いてけぼり。

授業が終わるまで分からない話を聞きながら

じっと教室の椅子に座っていなければならないことが

どれほどつらいことだったか。

毎日。何年も。

 

 

日本の、そして伊勢崎市の教育の大転換に

大いに注目し、期待します。

 

 

 

 

 

 

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