伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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給食費 公費投入の適正水準は?

2017-06-22 21:17:44 | 教育・PTA・児童福祉
昨日の、学校給食無料化検討の続きです。
およその数字がつかめました。

論点はどこなのか?
その論点の落としどころ、妥当な水準は?

平成29年度伊勢崎市一般会計予算から。

給食を作るには、施設をつくり、人を雇い、食材を買って調理して
学校まで運びます。
現在、保護者が給食費のうち負担しているのは、
子どもの口に入る食べ物の食材費のみです。
それ以外の71%の経費は、初めから公費負担です。

ちなみに、予算上の保護者が支払う給食費は9億800万円、
一方、食材費は8億9100万円で釣り合っていませんが、
差額は前年度以前に滞納された給食費の分です。

次に、保護者が支払うべき8億9100万円の内訳を見てみましょう。


(生活保護世帯)
一番所得が低い生活保護世帯の場合、
両親+小学生1人+中学生一人の場合、
年間所得が279万円以下です。
これには借家の家賃も含まれています。
対象の小中学生は、市全体で81人(0.46%)。


(準用保護世帯)
次に所得が低い、準用保護世帯の場合、
同じ家族構成なら、年間所得は403万円以下。
対象の人数は1,074人(6%)です。


(一般家庭)
残り93%は給食費を満額払っている一般家庭。
子どもの数は16,622人。


(無料化を検討する対象)
子どもの貧困対策を考えるならば、
所得の低いグループから、優先的に対応しなければなりません。
生活保護世帯と、準用保護世帯はすでに給食費は無料なので、
無料化を検討する対象ではありません。
対象となるのは、満額払っている一般家庭のグループです。
このグループの中には、準用保護世帯に所得が極めて近い世帯もあれば、
ものすごく裕福な世帯も含まれています。

限られた税金ですから、
所得に関係なく無料にしてしまうと、
生活の苦しい人からも収めて頂いた税金を、
裕福でお金に困っていない世帯にも回すことになります。

税金や行政の機能として、
所得の再分配」という役割が期待されています。
社会の中には、お金持ちもいれば、貧しい人もいます。
そのままでは生活に困る人もいますので、
みんなで税金を出して支えあっているのです。

なので、お金に困っていない人に税金を使って
サービスを提供するのは、所得の再分配機能に逆行します。
基本は各人が自立して生活すること。
そして、自力では生活できない方を社会で支えるのです。

このようなことから、私は全世帯を無償化するのは反対です。
いろいろな分野でお金が必要ですので、もっと必要なところへ
回したいと思います。

全世帯の無料化には反対ですが、
準用保護世帯と認める所得水準が、はたして403万円で良いのか?
という部分が論点なのです。

例えば、500万円くらいが良い、と判断されれば、
現在満額支払っているグループの中から、準用保護を受けられる
世帯も出てきます。



(準用保護の妥当な水準は?)

現在の世の中で、年収403万円の世帯は、
およそどのくらいの位置にいるのか見てみましょう。

下記は平成27年度の厚生労働省の調査です。
(赤字・赤線は多田が加筆)
世帯の人数等は統一してませんので、あくまで大まかな比較です。


平均所得は541万円。
しかし、平均値は極端に所得が大きい方がいる場合、
たとえ少人数でも、平均値は高い方へ引っ張られます。

中央値は427万円。
一番下と、一番上から数えて、ちょうど真ん中にいる人です。

私は、準用保護世帯の認定基準である年収403万円は、
低いのではないかと思っていましたが、この資料によると、
世間の中央値が427万円なので、かなり近いことにショックを受けました。
一人世帯の方が多いのかもしれません。

対象者の半分以上を無料にするわけにはいかないので、
所得基準を上げられる幅は狭いのかもしれません。
ここを慎重に検討することが論点です。

(これはあくまでつかみなので、厳密な比較をするためには、
 世帯の人数や年齢構成を統一して比べなければなりません。)

もし所得の分布が、赤線で示したような正規分布曲線だったら、
中間層が一番多く存在し、中央部に山を形成します。

左は所得の少ない方が少数いて、
右には所得の多い方が少数いるような形。

この形ならば、中間層と右側の層が税金を払って
左寄りの方を支えるという形になります。



しかし、現代の日本は中間層の山が左の貧しい方へシフトしています。
これでは「もっと消費しろ」と言われても無理。
長期的には中間層を厚くするような構造的な改革が必要です。

フランスの経済学者ピケティは、長期的な検証の結果、
「資本家の投資の収益率が、社会全体の経済成長率を上回っているので、
 金持ちはより金持ちになり、そうでない人との格差は広がるばかり」

と「21世紀の資本」で指摘し、世界中で注目されました。



資本主義先進国では、金持ちはより金持ちとなり、
中間層の没落が進んでいます。




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